吉成名高、狙い澄ましたハイキックでTKO勝利 「ノーボーナス名高」返上を語った試合後会見
oricon『ONE SAMURAI 4』のセミファイナルでアトム級ムエタイ世界タイトルマッチに臨んだ吉成名高は、リファディン・マスドールをハイキックで仕留めてTKO勝利を収めた。試合後の記者会見では、前戦の悔しさを晴らす一戦だったこと、相手が想定より慎重だったことによる戸惑いと立て直し、そしてフィニッシュのハイキックが練習から狙っていた技だったことを、吉成自身が細かく振り返った。
前戦の不完全燃焼を晴らすための一戦
試合の率直な感想を問われた吉成は、まず前回の試合に触れた。前回はキックボクシングのルールで戦ったが、自分で納得できる内容を出せず、悔しさともどかしさが残ったという。今回のセミファイナルでは、その思いを全部出そうと考えていたと語った。
一方で、相手は非常に強く、自分が被弾する場面もあったことを認めている。見ている側にも「大丈夫か」と思わせる場面があったうえでの一撃だったため、観客は盛り上がったはずだと吉成は振り返る。そして何より、自分が狙っていた技で倒せたことが本当に嬉しかったと話した。
想定より前に来なかった相手への戸惑い
実際に戦ってみた相手の印象について、吉成は事前の分析と実際の試合とのずれを説明した。試合前にリファディンの試合映像を確認していた段階では、どんどん前に出てくるアグレッシブなスタイルで、後半になるとガス欠を起こす選手というイメージを持っていたという。
しかし吉成によれば、相手は自分との対戦に向けて相当長い期間準備してきたはずで、自分のことを4年間研究していたという話もあった。そのため自分への警戒心が非常に強く、思った以上に前に来なかった。待ってカウンターを合わせようとする戦い方をされたことで、吉成の中に戸惑いが生まれたという。
その中で吉成は一度カッとなりかけた場面があったことも明かしている。ただ、そこで一度冷静さを取り戻してからのKOだったため、冷静になれたことが良かったと自己評価した。
ハイキックは「狙っていた」技だった
記者から、フィニッシュのハイキックは体が自然に動いたのか、それとも狙っていたのかと確認されると、吉成ははっきりと狙っていたと答えた。
吉成の説明では、相手は自分の蹴り終わりや、バック系(回転系)の攻撃を合わせてくる選手であることが映像から分かっていた。そこで、相手が回ってくるところに合わせる練習をずっと続けていたという。もともと狙っていたのはミドルキックや前蹴りで、相手が回転してきたところに当てる想定だった。
試合中、カッとなりかけた後に自分の中で「一回冷静にやらなければ」と立て直した段階で、相手が回ってきたところへハイキックを試してみようと考えたという。それが一発目でドンピシャに当たった。すねの深い位置でしっかり当たった感触があり、相手が倒れていく姿がスローモーションのように見え、目も飛んでいたと吉成は語る。
「これは絶対に立てないだろう」と思ったところで相手が立ち上がってきたため少し焦ったが、足元がふらついていたので、これで終わったと確信したという。
序盤の回転バックハンドと、フィニッシュへのつながり
記者は、試合序盤にリファディンがキックを空振りし、そのまま回転してバックハンドブローを放った場面にも触れ、危ないと感じたかを尋ねた。
吉成は、試合開始早々にいきなりその技が出てきたと振り返る。攻撃自体は見えていて避けたものの、軽く被弾したような形になった。見えていたので危機感はなかったが、予想以上に伸びてくる攻撃だと感じたという。同時に、相手が今回もその技を狙っているのだと確認できたとも話した。
記者がそれがフィニッシュにつながったのかと確認すると、吉成は肯定した。相手がその回転系の技で対応してくることが分かっていたため、それに合わせたハイキックがカウンターになったと説明している。
新設ベルトの階級を活性化させたいという展望
今後の目標について、吉成はまずこの試合を通じて、見ている人にムエタイの試合の面白さとレベルの高さが伝わったのではないかと語った。
そのうえで、ベルトが新設されたことでこの階級はかなり活性化すると見ている。リファディンのような強い選手がどんどん出てくるうえ、そのリファディンに勝った選手もいる。そうした選手が今後挑戦してくれば、さらに盛り上がるだろうと話した。
一方で、今回の試合は、もっと力をつけなければいずれ超えられてしまうという危機感を覚えた試合でもあったという。そのため、さらに練習を重ねて「不動のチャンピオン」でいたいと抱負を述べた。
「ノーボーナス名高」からの初ボーナス
会見の後半では、今回ついにボーナスを獲得したことに質問が及んだ。発表時に笑顔があふれていたことについて問われると、吉成は所属ジムのチームメイトたちが良い試合をして次々とボーナスを獲得する中、自分だけがボーナスを取れず「ノーボーナス名高」と呼ばれていたことを明かした。今回は非常に良い勝ち方ができ、皆の前でボーナスが発表され、一緒に喜べた感じがしてとても嬉しかったという。
記者から、これまでチームメイトが取ってきたボーナスをすべて合わせても今日の吉成のボーナスの方が大きいのではないかと水を向けられると、吉成はそれについてはみんなと話して自慢しようと思うと笑って応じた。
さらに、今乗っている車をもう一台買えるのではないかと聞かれると、車はとても好きだが、ちょこちょこぶつけてしまうので保険料が高いと打ち明け、ボーナスで保険をしっかり払いたいと答えて会見を締めくくった。
続いて吉成選手にご質問させていただきます。試合を終えられての率直な感想をお伺いできますでしょうか?
率直に、今回セミファイナルっていうことで、前回の試合でキックをやらせてもらって、そこで自分の納得のいく動きが出せなくて、悔しさだったりとか、もどかしさっていうのがあって、今回の試合でそれを全部出そうっていうふうに思ってたんですけど、相手選手もすごく強くて、自分も被弾するシーンがあって。見てる方もちょっと大丈夫かっていうような一撃だったんで、すごく見てる方は盛り上がったと思うし、自分自身も本当に狙ってた技で倒せたので、本当に嬉しかったです。
今回はセミファイナルでした。前回は自分のパフォーマンスにあまり満足できなかったので、その不満を今回の試合に全部ぶつけようと思っていました。相手はとても強かったです。見ていたファンの皆さんも、私が強い一撃を受けた危ない場面に気づいたと思いますが、それもあって、とても盛り上がる素晴らしい試合になったと思います。最後に決めたのは、練習していた技でした。
ありがとうございます。続いては同じご質問となります。実際に戦ってみて、相手選手のご感想はいかがでしょうか? お伺いできますか?
自分と戦う前の試合を元々チェックしてたんですけど、見るとかなりアグレッシブで、どんどん前に来て、後半になるとガス欠をするっていうようなイメージがあったんですけど。でも今回、自分と戦うにあたって相当の期間準備してきたと思うし、自分のことを4年間研究してたっていうこともあって、自分に対する警戒心とかもすごく強かったと思うので、思った以上に来なくて、待ちでカウンターを合わせるっていうようなところで、ちょっと自分の中で戸惑いがあったんですけど。そんな中でもカッとならずに、1度ちょっとカッとなるところもあったんですけど、そこで1回冷静さを取り戻したところでのKOだったので、冷静になれたのは良かったなっていうふうに思います。
ありがとうございます。名高選手、最後の質問となります。今後の目標、展望をお伺いできますでしょうか?
今回の試合を見て、見てる方もムエタイの試合って面白いなと思ってもらえたと思いますし、レベルの高さっていうのもすごく伝わったと思うので。ベルトが新設されてから、その階級はすごく活性化されると思うんで、そこでどんどん強い選手が出てきて、リファディン選手もそうですし、リファディン選手に勝った選手も中にはいるんで、そういった選手がまた今後挑戦してくるんだったら、どんどん盛り上がると思いますし。もっともっと自分も力をつけないと、いずれ超えられてしまうっていうような危機感も感じた試合だったので、もっともっと練習して不動のチャンピオンでいたいと思います。
先ほど狙っていた技っておっしゃってましたけど、あのハイキックは、体が自然に動いたわけじゃなくて、もう狙ってたっていうことなんですか?
そうですね。相手選手は自分の蹴り終わりだったりとか、バック系の攻撃をかなり多用してくる選手っていうのは、もう見てて分かってたので、そこに対して合わせる練習っていうのをずっとやってて。それが元々はミドルだったりとか前蹴りを狙ってたんですけど、そういうところに回ってきたところを狙うっていうのはやってたんですけど。やっていく中で、先ほどもちょっとカッとなってしまったっていう話はあったと思うんですけど、こうなった中で、1回冷静にやらなきゃっていうふうに自分の中で立て直した段階で、相手が回ってきたところに蹴るっていうのを、ハイを狙ってみようかなっていうふうに思って。そこで出したら、本当にそれが1発目でドンピシャで当たったんで、当たった時にしっかり深い位置で当たったんで。相手選手が倒れていく姿がスローで見えて、目も飛んでたし、これは絶対立てないだろうなっていうふうに思ったら立ってきたので、ちょっと焦ったんですけど。でも足元が結構おぼついてたんで、もうこれは終わったなっていうふうに思いました。
相手の動きの後にミドルキックや前蹴りを当てることを狙っていました。試合の序盤に危ない場面があったので、冷静さを保ってハイキックを試したところ、当たりました。すねが相手の頭に重く当たった感触がありました。相手が倒れる姿がスローモーションで見えて、目が上を向くのも見えました。でも、そこから立ち上がってきたので驚きました。ただ、立ち上がった時には足がふらついていて……。
リファディン選手がキックを空振りして、そのまま回転してバックハンドブローを出してきた瞬間があったと思うんですけど、かわしましたけど、あれは危ないと自分で思いました?
そうですね。開始早々いきなりそれを出してきて、見えていたんですけど、ちょっと軽く被弾した感じになっちゃったんで。見えてはいて、効きはしなかったですけど、でも予想以上に伸びてくるなって思ったし。でも逆にそこで、今回も狙ってるんだな、その技はっていうのは思いましたね。
確認ですけど、それがフィニッシュにつながったってことなんですね。
そうですね。その技を多用してきてたっていうのがあったんで、それがつながりましたね。カウンターになりました。
名高選手に伺いたいんですけど、ようやくボーナスを獲得ということで、笑顔が溢れてましたけど、それについてはどうでしょうか?
自分のチームメイトであるエイワスポーツジムの選手が、みんないい試合をしてボーナスを取っていく中で、自分だけ「ノーボーナス名高」って呼ばれてたんで。それが今回、すごくいい勝ち方で勝てて、皆様の前でそれが発表されて、一緒に喜べた感じがしてすごく嬉しかったですね。
今までエイワの仲間たちが取ってきたボーナスを全部足しても、実は選手が今日取ったボーナスの方が大きいんじゃないですか、実は。
チームメイトはボーナスを獲得していて、私はボーナスがありませんでした。今日、いい勝ち方をして、皆さんの前でボーナスを獲得できて本当に嬉しかったです。2つ目の質問はボーナスの金額についてで、チームメイトが獲得したボーナスを全部合わせても、今夜あなたが獲得した金額より少ないのではないかということですが、いかがですか?
そうですね。それはちょっとみんなと話して、自慢しようかなと思います。はい。
今乗ってるすごい車が、もう1台買えちゃうんじゃないですか?
そうですね。自分、車はすごい好きなんですけど、ちょこちょこぶつけるんで、ちょっと保険が高くて。なので保険をしっかり払いたいと思います。
ありがとうございます。
ありがとう。
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