食べるだけではない寿司へ 訪日客の伸び悩みの中で広がる「体験」としての寿司

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概要

外国人観光客の寿司人気は依然として高い。一方で、訪日客数は頭打ちとなり、寿司店同士の競争も激しくなっている。日本テレビ「news every.」は、こうした状況で寿司店や施設が「食べて美味しい」以外の価値をどう打ち出しているかを取材した。

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開店前から行列、客の8割が外国人の店

最初に紹介されたのは、ランチタイム前から外国人客の行列が店の外まで伸びる寿司店である。職人が次々と握る寿司は、ネタがシャリからはみ出すほど大きい。番組によれば、この店では客のおよそ8割を外国人が占める。

来店客は「日本に来て初めての寿司なので興奮しています」「寿司のためならいつでも戻ってきます」と話していた。番組はこれを、日本の寿司に対する需要がいまも高いことの例として示した。

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訪日客数は頭打ち、寿司店の競争は激化

一方で、番組は訪日客全体の動きが鈍っていることも伝えた。今年1月から8月までの訪日外国人はおよそ2762万人で、前年同期を下回った。中国からの訪日客が大幅に減ったことが影響しているという。

取材に応じた関係者は、回転寿司から立ち食い寿司まで店舗数が増えているため、食べて美味しいこと以外の「体験価値」を求める客が増えていると説明した。「思わず撮りたくなる」「思わず投稿したくなる」ことも、店が演出を考える際のキーワードになっているという。寿司店が増えて競争が激しくなるなか、付加価値をつけようとするさまざまなサービスが登場している。

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予約減を受けて始めた「握り体験」

都内のある寿司店では、客の目の前でいくらをこれでもかと盛り付ける演出を行っている。客の7割が外国人というこの店も、訪日客減少の影響を受けた。店側は、予約が前年同時期と比べて15%減ったと話す。

そこで店は7月から、寿司の握り体験を始めた。参加者は職人のような衣装を身につけ、「似合うでしょ」「見習いになったみたい」と楽しんでいた。

取材した日に参加したのは、オランダから来た2人である。オランダでふだん食べている寿司はロール寿司で、日本で寿司を食べたのは今回が初めてだという。せっかく日本に来たので江戸前寿司の握り方も習ってみたいと考え、参加した。

最初はシャリを手の感覚だけで11〜12グラムに合わせる工程だ。参加者の男性は「これは多分12グラム」と見込んだが、量ってみると13グラムで、惜しくも目標を少し超えていた。建築業界で働くこの男性について、番組は「なかなかセンスがありそう」と伝えた。続いて、ネタの上にシャリを置き、くるりと返して形を整えれば握りの完成である。寿司を握るのとビルを建てるのとどちらが難しいかと問われると、男性は「難しい」と答えていた。

店側は、体験が専門の店舗を作れるほど盛り上がれば面白いと考えており、この取り組みが起爆剤になってほしいと期待を語った。

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富山の水族館では寿司の食品サンプルを展示

番組は、「日本一の寿司県」を目指す富山県の例も取り上げた。魚津水族館では取材前日から、寿司の食品サンプルの展示が始まった。ブリが悠々と泳ぐ水槽の前に、寿司のサンプルが飾られている。海の生き物と食文化をあわせて学んでもらう狙いがあるという。

本物の魚が泳ぐ前に寿司が並ぶ光景を、番組は「なんともシュール」と表現した。来館者は「最初驚いたけど、普通に美味しそうだなって思います。ちょっと今日夜食べようかなと」と話していた。

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食べる以外の魅力をどう磨くか

番組は、日本を代表する食文化である寿司について、食べること以外の魅力を磨いて訪日外国人をひきつけようとする店が今後も増えそうだと締めくくった。握り体験の専門店化はまだ店側の構想の段階であり、こうした取り組みが予約減を補えるかどうかは、この時点では示されていない。