緊急地震速報「M9.9」、8分で取り消し 気象庁が初の警報取り消しで陳謝

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概要

2026年10月16日(金)午後0時40分ごろ、緊急地震速報が鳴った。気象庁は、千島列島でマグニチュード9.9、最大震度7が予測される巨大地震が発生したとして、北海道から中部地方にかけて強い揺れへの警戒を呼びかけた。しかし、速報はわずか8分で取り消された。気象庁が緊急地震速報の警報を取り消したのは、これが初めてだという。この記事では、誤報の経緯、各地の反応、気象庁の会見で示された説明と、まだ分かっていない点を整理する。

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実際の地震はM6.9、最大震度1

速報が出てから5分ほど経っても、揺れは来なかった。気象庁によると、実際には午後0時38分ごろ、カムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生していた。観測された最大震度は1で、函館市で観測された。

気象庁は、システムが何らかの原因でこの地震をマグニチュード9.9の超巨大地震と誤って推定し、緊急地震速報を発表した可能性があるとしている。

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「2回目もびっくり」 各地で戸惑い

街では驚きの声が相次いだ。ある人は、マグニチュードが大きめに示されたうえ、取り消しの際にも再び緊急地震速報の音が鳴ったため、2回驚くことになったと話す。その人がいた子ども向け売り場の周辺では、みんな焦っていたという。

交通にも影響が出た。JR東海によると、東海道新幹線が一部区間で15分ほど運転を見合わせた。JR静岡駅では、東京から帰ってくる娘を迎えに来た母親が取材に応じた。母親自身は速報に気づかず、娘から列車が急停車したと連絡があって、地震があったと知ったという。多少遅れても無事に帰ってきてくれればいいと話した。

静岡県の危機管理部では、取り消しについて「あんまり聞いたことない」という声とともに、ほっとしたという反応があった。別の人は、東日本大震災のことがあるので、すぐに避難を意識したと話す。安心した一方で、なぜ誤報が流れたのかが気になったという。

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気象庁が会見で謝罪、サイバー攻撃は否定

命に関わる情報である緊急地震速報の誤報を受け、気象庁は午後2時から会見を開いた。担当者は、マグニチュードを実際より過大に推定したことで、北海道から中部地方にかけての広い範囲に緊急地震速報(警報)を発表してしまったと説明し、「大変なご迷惑をおかけしました」と深く謝罪した。

記者からは、時節柄、サイバー攻撃の可能性はないのかという質問が出た。担当者は、システムにそうした攻撃があったという情報は得ていないと答え、サイバー攻撃による影響を否定した。

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震源を400〜500km誤り、規模を過大に推定

気象庁の説明によると、今回の警報は、緊急地震速報の処理の中で震源を千島列島と決定し、マグニチュードを9.9と過大に推定したことによるものだ。震源の位置はおよそ400〜500km誤っていたという。なぜ過大な推定になったのかは、現在調査中としている。

担当者は、地震の発生を受けて緊急地震速報の処理自体は動いたが、その過程でマグニチュードを過大に評価したことが原因だと述べた。そのうえで、要因として考えられる点にも触れた。マグニチュードの推定には震源の深さも関係し、今回の深さは160kmだった。また、この海域は観測が少ない場所だという。担当者は、地震波を捉える観測点の数が多いほど推定の信頼性は上がるが、千島列島のような離島方面では観測点が遠く、精度が落ちると説明した。今回の震源は気象庁の観測点から遠く、数も少なかったことが、推定を誤る要因になった可能性があるという。

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9.9が「おかしい」と分かった理由と、残る疑問

どうやって9.9が過大だと判断したのかという質問に対し、担当者は2つの理由を挙げた。1つは、知られている最大の地震がチリ地震のマグニチュード9.5であり、9.9は地震学的に考えにくい値だということ。もう1つは、緊急地震速報では揺れが到達する時刻が分かるため、その時刻になっても揺れが来ない段階で、計算がおかしいと判断できるということだ。

一方で記者は、システムがある程度自動化されているとしても、9.9という明らかにおかしな数字を発表の時点で見抜くことはできないのかと尋ねた。担当者は、その点も含めてどのような処理になっているかを調べると答えるにとどまった。

取り消しまでの8分という時間が最短なのかという質問もあった。担当者は、震源の場所によると答えた。マグニチュードが変化していく中で、情報が本当かどうかを見極めている段階であり、明らかに地震波が到達しているはずなのに揺れがないと確認でき、確実だと判断した時点で取り消しを出すと説明した。

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原因は調査中

気象庁は、現在は正常に緊急地震速報を発表できる状態になっているとしている。そのうえで、なぜマグニチュードを9.9と推定したのか、なぜ発表前に過大な値を止められなかったのかについては、原因が分かり次第改めて説明するとしている。