政府基準をうたうクラウドが突破された:IDCフロンティアへのサイバー攻撃で何が起きたか
日テレNEWSソフトバンクの子会社IDCフロンティアのクラウドサービスがサイバー攻撃を受け、495の企業や自治体に影響が出ている。番組「news zero」では小林史さんが、クラウドをマンションにたとえて、この攻撃がこれまでの事案とどう違うのか、なぜ影響がここまで広がったのかを解説した。
「政府のお墨付き」をうたうマンション
IDCフロンティアは「IDCF」というクラウドサービスを提供している。クラウドとは、データなどを保管するインターネット上の空間のことだ。小林さんはこれを、データを預けられるマンションにたとえた。IDCフロンティアはこうしたマンションをいくつも持っている。
同社はホームページで、このサービスが政府の求めるセキュリティ要求を満たしていると宣伝していた。小林さんはこれを、安全性について政府のお墨付きを得ているとうたっていたと説明する。機密情報を扱う企業や自治体にとって、セキュリティの高さは最も重視する点だ。攻撃を受けたマンションには、食品大手ニッスイグループの日水物流や茨城県庁など、495の企業や自治体が入居していた。
個別の企業ではなく「土台」が攻撃された
万全のはずだったこのセキュリティが、今回のサイバー攻撃で突破された。マンションのたとえでいえば、厳重な警備をかいくぐって何者かが建物の中に侵入したことになる。
サイバーセキュリティの専門企業である日本プルーフポイントの専門家は、これまでとの違いを次のように説明している。これまでは企業が単体で不正アクセスを受けて情報が漏えいするケースが多かった。今回はマンションの土台そのものが攻撃を受けた。この点が大きな違いだという。
封鎖による影響と見通し
IDCフロンティアは、被害の確認と拡大防止のためにマンションそのものをいったん封鎖し、外部とのつながりを遮断した。その結果、入居していた企業や自治体のシステムが使えなくなったり、ホームページが見られなくなったりした。同社は封鎖中に調査を進めているとしているが、復旧のめどは立っていない。
スタジオからは、利用者は高いセキュリティを信用してサービスを使っていたはずで、そこが突破されたのは想定外だったのではないかという指摘があった。小林さんは、専門家もそこを今回の大きなポイントとみていると応じた。
身代金目的の攻撃とクラウドが狙われる理由
IDCフロンティアは今回の攻撃を、身代金を要求するウイルスであるランサムウェアによるものだとしている。小林さんの解説によれば、AIの暴走などではなく、身代金を目的に攻撃を実行した人物が背後にいるとみられている。
専門家は、攻撃する側から見れば一つのクラウドを攻撃するだけで495の企業や自治体のシステムをダウンさせられ、効率よく成果を上げられると指摘する。そのため、今後も身代金目的でこうしたクラウドサービスが標的になるおそれがあるという。
突破された理由の解明が急務
専門家は、今回セキュリティが突破された理由を早急に解明する必要があるとしている。内容によっては、IDCフロンティアが持つ別のマンションも封鎖しなければならなくなる可能性がある。そうなれば、さらに多くの企業や自治体に被害が広がることも懸念されている。
IDCフロンティアへのサイバー攻撃について何が起きているのか、詳しく整理してお伝えします。ここからは小林史さんの解説です。
このIDCフロンティアはソフトバンクの子会社で、IDCFというサービスを提供しています。このクラウドとは簡単に言うと、データなどを保管するインターネット上の空間のことです。
今回のクラウドをこちらのようにマンションに例えてみました。
このIDCフロンティアはこうしたデータなどを保管できるマンションをいくつも持っているんですが、ホームページに書かれている売り文句がこちら。政府が求めるセキュリティ要求を満たしたサービス、つまり安全性については政府のお墨付きだということをうたっていたんですね。
これ、あくまでもマンションに例えて説明しているということですね。
はい、そういうことなんです。この機密情報を扱う企業や自治体にとって、このセキュリティの高さというのは最も重視するポイントで、今回攻撃を受けたマンションには食品大手ニッスイグループの日水物流や茨城県庁など、495の企業や自治体が入居していました。
しかし今回、この万全なはずだったセキュリティがサイバー攻撃によって突破されてしまいます。つまり厳重な警備をかいくぐって、何者かがこのマンションの中に侵入してきたということなんですね。
これまでのサイバー攻撃とは実は別の次元だということなんですけれども、何が違うんでしょうか?
サイバーセキュリティの専門企業、日本プルーフポイントの増田幸美さんによりますと、これまでは企業単体が不正アクセスを受けて、情報が漏えいするケースが多かったんですが、今回はこのマンションの土台そのものが攻撃を受けてしまった点、ここが大きな違いだと言います。
確認したり被害を防いだりするために、このマンション自体を一旦封鎖する対応を取って、外部とのつながりを遮断しました。これによってマンションに入居していた企業や自治体のシステムが使えなくなったり、ホームページが見られなくなったりしたということなんです。
IDCフロンティアはこの封鎖している間に調査を進めているとしているんですが、復旧のめどは立っていないとしています。
このマンションに例えましたけども、こういった企業や自治体は高いセキュリティがあるからということを信用してサービスを利用していたと思いますけれども、そこが突破されてしまうっていうのは想定外だったんじゃないでしょうかね。
はい。専門家も、そこが今回の大きなポイントだとしています。
IDCフロンティアは今回の攻撃について、ランサムウェア、身代金を要求するウイルスだとしていて、AIの暴走などではなく、背景には身代金目当てに攻撃を実行した人物がいると見られているんですね。
攻撃する側にとっては、1つのクラウドを攻撃することで495の企業や自治体のシステムをダウンさせることができて、効率よく成果を上げることができます。今後も身代金目的でこうしたクラウドサービスがターゲットにされるかもしれないと指摘しているんです。
また、今回突破された理由を早急に解明する必要があって、内容によってはIDCフロンティアの別のマンションについても封鎖する必要が出てくるかもしれないとしていて、さらに多くの企業や自治体に被害が広がることも懸念されています。
はい。小林さんの解説でした。
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