榛葉幹事長、簗前農水相の辞任に「辞めれば終わりではない」 食料品消費税減税法案の全体像の提示を要求

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概要

国民民主党の榛葉賀津也幹事長が金曜日の定例記者会見を開いた。冒頭で取り上げたのは、国会冒頭から騒動となっていた簗和生農林水産大臣の辞任と、翌週から審議に入る食料品の消費税減税法案である。質疑ではこのほかに、ロシアで北海道新聞の記者が拘束された件、ロシア・中国をめぐる国際情勢、片山さつき財務大臣の国際機関での議長就任、イラン情勢が話題になった。榛葉氏は全体を通じて、政府に説明と全体像の提示を求める姿勢をとった。

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簗前農水相の辞任は「辞めれば終わりではない」

榛葉氏はまず、簗氏が辞任を表明し、前日に武部新新大臣が誕生したことに触れた。武部氏には信頼回復に努めてほしいと述べたうえで、簗氏については「やめれば終わりではない」との考えを示した。会見の前に自民党の議員と会ったところ、その議員も相当怒っていたという。

榛葉氏が説明責任を求めた点は三つある。簗氏の発言、シャトルバスの問題、電話をかけた人々に報酬を払ったとされる問題である。報酬の件について榛葉氏は、「もし本当ならアウト」であり、大臣としてだけでなく議員の身分にも関わる問題だと述べた。

記者からは、予算の「箇所付け」の優先順位が「総合的に勘案」というあいまいな説明で済まされていると指摘があった。榛葉氏は、予算付けにはしっかりしたロジックと透明性が必要だと応じた。簗氏だけでなく国土交通省も、納税者が納得できる説明をすべきだという。

6:15

参考人招致よりも「逃げずに会見を」

NHKの記者は、参議院予算委員会で簗氏の参考人招致を求める声が出ていることを挙げ、説明責任の果たし方を尋ねた。榛葉氏は、野党が参考人として来いと言っても「多分来ないだろう」と見通しを語った。そのうえで、少なくとも自分で逃げずに会見すべきだと述べた。

榛葉氏は辞任の経緯にも言及した。官邸に行き高市総理と話した結果、事実上辞めさせられたのではないかという見方である。表向きは本人が辞意を表明した形だが、その後のぶら下がり取材は短く、議員辞職について問われると背を向けて立ち去った。榛葉氏はこの対応を「よろしくない」と批判した。

続けて榛葉氏は、農水大臣は自民党にとって「鬼門」になることが多いと語った。最近の江藤拓氏の例に加え、政権交代前の2007年ごろには松岡氏、赤城氏、若林氏、遠藤氏、再び若林氏と、短期間に農水大臣が何人も代わったことを例に挙げた。

武部新大臣には、米国産ジャガイモの輸入解禁問題で安易に妥協しないよう求めた。この問題は日本の食料自給に関わり、武部氏の地元である北海道の関係者も注目しているからだという。

高市総理の任命責任を問う声については、総理自身が任命責任を認めており、重く受け止めているはずだと答えた。

15:48

「一番怒っていたのは自民党」 菅官房長官時代との比較

月刊誌の記者は、予算委員会で質疑に立った田村氏の追及を高く評価し、官邸の対応の遅さについて意見を求めた。

榛葉氏によると、実際に田村氏と会って話したところ、田村氏は「ぐっとこらえて冷静にやった」と語ったという。榛葉氏は、この問題を野党の手柄のように報じる向きもあるとしたうえで、「一番怒っていたのは自民党、与党だ」との見方を示した。自民党内に不満のマグマがたまっており、簗氏の問題で一気に噴き出したのではないかという解釈である。

比較として榛葉氏が挙げたのは、自身が「大変ご指導いただいた」という菅義偉氏の官房長官時代だ。菅氏は問題が起きると即座に処分していたという。榛葉氏はその理由を、相手が憎いからではなく、安倍内閣を支えるには官房長官が敵を作ってでも処分する必要があったからだと説明した。

今回は2週間あまりずるずると時間が経った。榛葉氏はこれが自民党へのダメージにとどまらず、農水省にとっても「いい迷惑」だったと述べた。新大臣へのレクチャーをやり直し、水害の被災地にも改めて足を運ばなければならないからで、「本当に時間の無駄だった」という。本人が辞められないなら、誰かが決断してあげるべきだったとも語った。

一方で榛葉氏は「誤解せずに言うと」と前置きし、高市総理には頑張ってもらわないと困る、今この国は正念場だと述べた。そのときに、この手の「レベルの低い話」で国会が空転し、野党議員も実りある質問をしたいのにこの問題に触れざるを得ない状況を嘆いた。任命責任は総理にあるが、今後は簗氏自身が説明すべきで、「逃げられない」との考えを改めて示した。

13:35

食料品消費税減税法案は「重要広範議案」に

参院予算委員会での予算審議が月曜日まで続いた後、20日から食料品の消費税減税に関する法案の審議が始まる予定である。榛葉氏はこの法案について、総理の「肝いり」「悲願」なのだから重要広範議案として扱い、総理自身が審議に出るべきだと主張した。

衆議院では重要広範議案にならなかったとされることに、榛葉氏は「ちょっと信じられない」と述べた。参議院では必ず重要広範議案にしなければならないという。消費税を7%も下げることは過去に例がないため、財政金融担当の大臣だけでなく、農水大臣や経済産業大臣なども関連議論に入れる枠組みを作るべきだとも語った。

日経の記者から具体的な意味合いを問われると、榛葉氏は連合審査や合同審査が可能だと答えた。参議院ではおそらく財政金融委員会で扱うことになるが、だからといって財務大臣だけが答弁すればよいことにはならないという。農業や外食産業にも大きな影響が出るからである。

榛葉氏はまた、与党の一部議員が「衆院で重要広範議案にしなかったのだから総理は出なくていい」と言ったという話にも触れた。真偽ははっきりしないとしつつ、もしそういう理由なら残念だと述べた。

4:20

減税の「前後」が見えない 6か月の空白と2年後の増税

榛葉氏は、国民民主党は減税そのものには賛成だと繰り返した。問題にしたのは、2年間の食料品減税の「前と後」である。

前については、減税開始の来年4月までの約6か月間に何の手当てもないことを挙げた。国民は今すぐ手当てを求めているという。総理は給付には時間がかかると言うが、この消費税減税も6か月待つ話ではないか、と榛葉氏は反論した。今年度末の税収は90兆円を超えると言われており、国の懐が豊かになる一方で、国民の手取りは物価高で実質目減りしている。その中で6か月間放置するのか、と問いかけた。

後については、2年後に税率が7%戻り、実質的な増税になる点を指摘した。榛葉氏が耳にしているところでは、給付は年収300万円程度までになる可能性がある。そうであれば、それ以上の年収の中間層や現役世代には「大増税」になる。国民民主党は現役世代への増税には反対だという。

このほか、給付の対象となる年収の線引き、農家や飲食店への支援の有無も見えないと榛葉氏は述べた。政府側が線引きをあいまいにしているのは、交渉の幅を残してより多くの党から賛成を得たいからかもしれないと推測しつつ、審議入りの際には全体像をきちんと示すべきだと主張した。

31:03

豆腐の例で示した「減税感」が消える懸念

会見の終盤、法案への対応を問われた榛葉氏は、豆腐を例に懸念を説明した。

100円の豆腐は現在、8%の消費税で108円である。これが減税で101円になるかといえば、すぐには続かないと榛葉氏は見る。原料の大豆は米国から来ており、インフレが進めば値上がりする。パックはプラスチックで石油製品なので、イラン情勢の影響で高くなる。物流費も上がる。ただでさえスーパーはぎりぎりの経営をしている。そのため価格はすぐ107円、108円に戻り、減税の実感はすぐに飲み込まれてしまうのではないか、というのが榛葉氏の懸念である。

総理が値下げしない事業者に圧力をかけるような発言をしたことにも触れた。減税直後は下がるかもしれないが、インフレが続けば値上げせざるを得ないという。

制度面では、食料品だけを2年間減税すると税率が10%・8%・1%となり、インボイスの必要性がさらに増すと指摘した。8%が新聞だけになることについては「新聞を食べるのはヤギだけ」と冗談を交え、新聞を8%のままにしてよいのかという議論も出てくるかもしれないと述べた。

32:52

国民会議への不満と対案

榛葉氏は、与野党で議論してきた国民会議にも不満を示した。国民会議で中身のある議論をすると思っていたら「傾聴戦」に終わり、結局元の政策に戻ったという。浜口誠政調会長は「俺の時間返してくれ」と泣いていたと明かした。

国民民主党は党としての対案をまだ決めていない。榛葉氏によると、社会保険料や住民税の控除などを含めて検討中で、給付と減税を組み合わせた分かりやすい政策を出す方針だという。公明党も給付案を示しており、各党が「反対ありき」ではなく、より迅速で確実な、そして2年後に混乱しない制度設計を前向きに考えていると述べた。数の力で押し切れば国民が不幸になるとも語った。

「中身が見えない以上、賛成は難しいということか」と重ねて問われると、榛葉氏は「答弁させたいわけ」と返し、意図的な質問はやめようと応じた。これから議論すれば必ず中身は見えてくるはずで、見えてこなければ法案とは言えない、というのが最後の答えだった。

なお、ある会見の見出しが拡散され、党や本人の意図と違う形で伝わった件について、記者から早めに対応すべきではないかとの指摘もあった。榛葉氏はその通りだと認めたうえで、個人の動画にはミスリードする表現もあるので「フェアにやってほしい」と述べた。国民民主党は審議を拒否したり邪魔したりするつもりはないとも強調した。

北海道新聞記者のロシアでの拘束

記者からは、北海道新聞の記者がロシアで拘束された件について質問が出た。情報がほとんど出ておらず、スパイ活動の疑いもささやかれているが、政府は否定しているという。

榛葉氏は、ロシアでは日本人ジャーナリストが取材する際に登録が必要な制度になっていると説明した。そのうえで、党には具体的な情報がまったく入ってこないと述べ、政府がスパイ活動を否定するのも遅かったと指摘した。本人のプライバシーや社の方針もあり得るとし、極めてセンシティブな問題だとも認めた。

榛葉氏によると、米国人もよく拘束されており、米国は自国で拘束しているロシア人との交換で取り戻すことが多い。しかし日本はおそらくそうしたことをしたことがないのではないかという。本人の安全確保と同時に、事実関係について最低限の説明は求めていく考えを示した。

別の記者は、自民党の外交部会では平常どおりの雰囲気で、怒りを示したのは鈴木氏だけだったとの話を紹介し、政治家としてもっと熱を持つべきではないかと問うた。榛葉氏は、北朝鮮による拉致問題や中国で多くの日本人が拘束されている例も挙げ、「外交的になめられたらだめだ」と応じた。

国によっては、たとえ遺体になっていても必ず取り返す国があると述べたが、すぐに「誤解を生む」と言い直した。拘束された人は必ず生きて帰還しなければならない。遺体の例は中東の戦争などで戦地で亡くなった人の話で、それほど強い思いを国民に対して持つべきだという趣旨だと説明した。今回の件については、対応が少し遅かったとの見方を示した。

25:14

NHKの報道をめぐる質問には回答を控える

最後の質問者は、記者拘束の当日に放送されたNHK「クローズアップ現代」がモスクワ周辺から逃げる若者を扱ったことを挙げた。そのうえで、ロシアを刺激する報道を避けるよう井上樹彦会長に配慮がなかったのかと問うた。

榛葉氏は、自分はNHKを代表する議員ではないので答えられないと述べた。日曜日の討論番組に出演する予定だが、その場でもこの件は聞かないという。報道する側の判断だからというのが理由である。

一方で榛葉氏は、ロシア当局が事前にカメラを入れ、拘束の瞬間を後ろから撮影して世界に発信したことに触れ、「極めて政治的なもの」を感じると述べた。言われなき拘束の可能性が高いので、日本は毅然として早期の解放と説明を求め、相手に言い分があるならそれに打ち返すべきだと語った。

質問者が過去の農水大臣にも島村宜伸氏のような立派な人がいたと付け加えると、榛葉氏は斎藤健氏も立派だったと応じた。全員が悪いとは言っていない、大臣も記者もいろいろだと述べた。

10:30

ロシア・中国・北朝鮮の連携と米外交の「揺らぎ」

中国の経済関係のグループが択捉島に上陸したことについて問われると、榛葉氏は、ロシア・中国・北朝鮮が完全にリンクして神経戦・情報戦を仕掛けてきているとの認識を示した。

その背景として榛葉氏が挙げたのは米国の外交政策のぶれである。具体例は二つで、米国と中国は同盟国だという趣旨の軽口と、米国がロシアからエネルギー資源を輸入する方針である。後者にはウクライナのゼレンスキー大統領も猛抗議していたという。こうした揺らぎが中国やロシアに「変な自信」をつけさせてしまっていると思えてならないと述べた。ICCを含む国際機関の影響力が極めて低下していることも影響していると見る。

12:16

片山財務大臣の開発委員会議長就任を評価

話題を変えて榛葉氏が「ビッグニュース」と評価したのが、片山さつき財務大臣が世界銀行・IMF合同開発委員会の議長に就いたことだった。榛葉氏によると、1974年の発足以来、日本人の議長は初めてだという。片山氏なら堂々と渡り合えるとエールを送った。

片山氏はこの後タイのバンコクでの会合に向かう予定だという。榛葉氏は、経済・国際金融政策にとどまらず、国際機関の影響力低下を食い止めるためにも、こうした国際機関が役割を果たすことが大事だと述べた。法とルールに基づく秩序は重要だが、大国がそれを守らないのだから日本が頑張らなければならないとして、外務大臣と財務大臣に力を発揮してほしいと語った。

19:04

イラン情勢 「イランはベネズエラではない」

産経新聞の記者は、駐日イラン大使の離任をどう評価するか、今年1月のデモで多数が犠牲になったと報じられるなか、自由を求める在日イラン人団体から意見を聴く機会を設ける考えはあるかを尋ねた。

榛葉氏は、友人にもイラン人がおり、地元にもイランの人々が住んでいると述べた。イランは宗教国家で、体制やテロとの関わりを含めて自分とは相いれない部分もあるとしつつ、大使は日本・イラン関係の深化に尽力したと評価した。現在のアラグチ外相がかつて駐日大使だった頃には、イラン大使館に招かれて食事をし、日本をよく理解した聡明な人物だと感じたという。そのうえで、いかなる国家でもテロ組織との関わりは許されないと強調した。

パーレビ元国王の息子を支持する層については、さまざまな思惑があると述べた。榛葉氏が知る限りでは、元国王が不正腐敗に加担したことや、息子がすぐ米国に亡命し、イランが最も苦しい時代を国民と分かち合っていないという評価もあり、見方はさまざまだという。

現体制のままではよくないとしつつ、榛葉氏は宮家邦彦氏の「イランはベネズエラではない」という指摘を引いた。大統領を拘束すれば体制が変わる国ではなく、イランは長期戦に持ち込んでいると見る。残念だが今のところイランの方が戦い方がうまく、米国の中間選挙まで引っ張るのではないかという。「すぐ終わる」と言ったのに終わらないため、トランプ大統領へのダメージは大きいとの見方も示した。複雑な問題なので、改めて時間を取って話したいと述べ、この質問を締めくくった。