フーシ派はなぜサウジアラビアの空港を攻撃したのか 二つの海峡と原油供給をめぐる連鎖
日テレNEWSサウジアラビアで首都リヤドの空港などが攻撃を受けた。なぜこのタイミングで攻撃が激しくなっているのか。日本テレビ国際部の富田徹部長は、事情が込み入っているとして、今年前半のイランとアメリカの戦闘から順に経緯を説明した。日本や世界経済への影響と、今後の見通しにも触れている。
攻撃したのはイランが支援する武装組織フーシ派
富田部長によると、サウジアラビアの複数の空港を攻撃したのは、イエメンに拠点を置く武装組織フーシ派である。フーシ派はイランから支援を受けており、10万人規模の戦闘員を抱え、弾道ミサイルや無人機も備えた強力な軍事組織とされる。
ホルムズ海峡の封鎖から紅海ルートへ
富田部長は、フーシ派が攻撃を始めた背景に、今年前半に起きたイランとアメリカの戦闘があると説明する。この戦闘の影響で、ホルムズ海峡では今も船の航行が制限されている。そのため各国は、中東の石油をホルムズ海峡を通さずに運ぶルート、つまり紅海からバブ・エル・マンデブ海峡を通る輸送を増やし始めた。
イランはこれまで、ホルムズ海峡をアメリカとの交渉のカードとして使ってきた。別ルートで石油が運ばれると、イランにとってはそのカードの効き目が弱まる。富田部長によれば、そこでイランの仲間であるフーシ派が8月ごろからバブ・エル・マンデブ海峡付近でも攻撃を広げた。その結果、二つの海峡の両方で船の通行が難しくなった。
サウジの軍事作戦とフーシ派の反撃
二つの海峡に挟まれた形のサウジアラビアは、産油国として原油の輸出を妨げられることになる。サウジアラビアは今月に入り、フーシ派に対する本格的な軍事作戦を始めた。富田部長は、その反撃としてフーシ派が空港などに一斉攻撃をした、というのがここまでの流れだと整理した。
原油の生産地そのものに戦火が及ぶ懸念
日本や世界経済への影響について、富田部長が特に心配されると挙げたのは原油の供給である。これまでの戦闘では、原油を運ぶ海峡が塞がれることが問題になっていた。今回はそれに加えて、原油の生産地であるサウジアラビアにまで戦闘が広がってきた点が異なるという。
サウジアラビアは世界第2位の産油国で、日本は原油輸入の約4割をサウジに頼っている。富田部長は、今後サウジの石油施設などが次々に攻撃を受ければ、原油価格がさらに高騰する可能性があると指摘した。
今後の展開 戦闘拡大と仲介の動き
今後の見通しについて、富田部長は、サウジアラビアはフーシ派への攻撃を強める方針で、アメリカも攻撃に加わる可能性を示唆していると説明した。そうなれば際限なく戦闘が広がるおそれがある。一方で、イランも仲介に意欲を示しているとして、富田部長は外交的な解決に向かうことに期待を示して解説を締めくくった。
国際部の富田部長とお伝えします。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
富田さん、今回空港も攻撃を受けたということなんですけれども、なぜこのタイミングで攻撃というのがこのように激化してるんでしょうか?
これ結構、事情が込み入ってますので、順を追って説明していきますね。
はい。お願いします。
まずサウジの複数の空港に攻撃を行ったのは、こちらイエメンに拠点を置く武装組織フーシ派です。これはイランから支援を受けていまして、10万人規模の戦闘員や弾道ミサイル、無人機も備えた、強力な軍事組織とされています。
このフーシ派が攻撃を始めた背景なんですけれども、今年前半に起きたこのイランと、それからアメリカの戦闘が絡んでいます。この戦闘の影響でホルムズ海峡は、今も船の航行が制限されたままになっています。
そこで各国は、中東の石油をこのホルムズ海峡を通らない、紅海からバブ・エル・マンデブ海峡を通るルートの輸送を増やし始めました。
ただそれだと、ホルムズ海峡をアメリカとの交渉のカードとして使ってきたイランとしては面白くないということになりまして、そこでイランの仲間であるフーシ派が8月頃から、この海峡付近でも攻撃を拡大し始めたということで、この両方の海峡の船の通行が難しくなったということなんですね。
こうなるとこの内側にある産油国のサウジアラビアなんですけども、原油の輸出が妨害されてしまうので、今月に入ってこのフーシ派に対する本格的な軍事作戦を開始しました。そうするとその反撃としてフーシ派がこの空港などに一斉攻撃をしたというのが、ここまでの流れなんですね。
こうなると日本や、世界経済に対しての影響というのはどうでしょうか?
はい。これは、特に原油供給への影響が心配されるんです。というのも、これまでの戦闘ではこうした原油を運ぶ海峡が、塞がれてしまうということが問題になっていましたよね。今回はそれに加えて、このサウジという大元の原油の生産地にまで戦火が広がってきてしまうということになります。
サウジアラビアは世界第2位の産油国で、日本も原油輸入量の約4割を頼っています。なので、今後そのサウジの石油施設なども次々と攻撃を受けると、原油価格はさらに高騰する可能性があります。
富田さん、これ今後どういう展開になっていくと予想されるんですか?
はい。サウジは、としてフーシ派への攻撃を強める方針で、アメリカも攻撃に加わる可能性を示唆しています。それでは際限なく戦闘が広がってしまう恐れがありますけれども、イランも仲介に意欲を示しているということなので、外交的解決に向かうことを期待したいと思います。
はい。ここまでは国際部の富田さんに伝えてもらいました。
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