不登校の日々から着物で居場所を見つけ、16歳で起業したRENONさん 喪服を書道部の衣装に仕立て直す
日テレNEWS鹿児島実業高校書道部は、2年連続で全国大会の舞台に立った。その衣装製作に協力したのが、18歳のRENONさんである。RENONさんは通信制高校に在籍しながら、着物のリメークやレンタルを手がける「てりふりなし」の代表を務めている。小学4年生から中学校卒業まで学校に通えなかったRENONさんが、なぜ着物を仕事に選んだのか。そして書道部とどのように衣装を作り上げたのか。番組はその経緯を追った。
古民家に集めた着物と、16歳での起業
作業場は、住宅の敷地内にある古民家だ。棚の下3段にはすべて着物が詰まっており、部屋は着物であふれている。ほとんどが中古で、これまでに買い集めた数は5600着にのぼるという。
RENONさんが着物を集め始めた理由は、廃棄の多さにある。着物の廃棄量が非常に多いという話をよく耳にし、それをもったいないと感じて、何か良いことに使えないかと考えたと話す。箪笥の肥やしになった着物に、もう一度命を吹き込みたい。その思いから、RENONさんは去年4月、16歳で起業した。18歳になった今年には念願の古物商の資格を取得し、中古品のレンタルやリメーク品の販売ができるようになった。
レンタルの用途は、成人式の前撮りや親戚の結婚式などだ。RENONさんによれば、最近のレンタル振り袖は柄が多くにぎやかなものが目立つが、同社では黒や赤でまとめたシンプルなデザインのものも扱っている。
人の目を見て話せなかった中学時代
RENONさんが初めて着物に惹かれたのは中学1年の頃で、当時は不登校だった。小学4年生から中学校の最後まで、ほとんど学校に行っていなかったという。
本人は、中学時代がおそらく一番つらかったと振り返る。一時期は人の目を見て話すこともできず、外に出ることもできなかった。家の中ですら居場所ではないと感じていたという。
そうした時期にRENONさんを支えたのが、小学生の頃から続けてきたモデルの仕事、趣味のコスプレ、そして着物だった。着物は趣味の一つとして軽い気持ちで始めたものだったが、「いいね」「きれいだね」と声をかけてくれる人がとても多く、だんだん自分を出せるようになってきたと語る。好きなことをとことん追いかけるうちに、道が開けていった。
現在は着物の先生にも学んでいる。その先生に聞いても、これは何だろうと首をかしげるような着物があるという。専門家でも判断が難しいものを間近で見て、手で触れながら勉強できる。RENONさんはこの環境を非常にありがたいものと感じており、「毎日が勉強」だと話す。
一度も袖を通されなかった喪服を衣装に
そこへ、鹿児島実業高校書道部から再び衣装の依頼が届いた。RENONさんが素材に選んだのは喪服だ。
手に取った喪服には、型崩れを防ぐための仮縫い、しつけ糸が残っていた。RENONさんは、これがついているということは一度も着られていないのだろうと説明する。喪服はかつて嫁入り道具として仕立てられることが多く、一度も袖を通さないまま残っているものも少なくないという。
リメークでは、部員が書道の動きをしやすいように着物を上下に切り分け、下はベルトを通してスカートとして着られるようにした。使われなくなった喪服が、こうして衣装に生まれ変わる。
RENONさんは、着物を作る人も着る人もいなくなっていると話す。日本の文化なので、日本人が絶やすわけにはいかない。リメークしてでも、何とかして形を保ちたいという。
書道部員とともに仕上げた15着
先週、RENONさんは鹿児島実業高校の書道部を訪れ、縫い上がった15着の衣装を部員たちに披露した。部員からは「すごい」「フリフリもついてる」「超かわいい」と声が上がった。字を書くときは大きく開いて動けるようにしたというRENONさんの工夫も好評だった。
ただし、衣装はこれで完成ではない。部員たちは袖や裾に、これまでの大会で書いてきた思い入れのある字を金色で書き入れた。最初はどこかぎこちなかったRENONさんと部員たちだが、作業が進むうちに「私の着物にも書いてほしい」と頼み合うようになり、同じ高校生同士、すっかり距離が縮まっていた。RENONさんも文字入れに挑戦した。
全員の思いがこもった、世界に一つだけの衣装が出来上がった。部員たちは、オリジナリティがあって宝物になりそうだ、女子高校生らしくおしゃれに仕上がって楽しみだと話した。
RENONさんは、捨てられてしまう着物や、手をつけられないような着物に、衣装として魂を宿してもらえたことは作り手冥利に尽きると語る。同い年の人たちと衣装を作れるとは思っていなかったため、夢見心地でありがたいとも話した。
「不登校でもできることはある」
かつて居場所を見失っていたRENONさんは、同じような苦しみを抱える人の力にもなりたいと考えている。
RENONさんは、不登校でもできることはあると話す。不登校であっても、自分で勉強し、やりたいことを見つけて行動に移せば、不登校か通学しているかの隔たりはなくなるという。さらに、つらいことからしか得られない経験があり、人への思いやりや心構えも大きく変わってくるので、その経験が役に立たないということは絶対にないと語った。
卒業後は美容専門学校に進み、着物だけでなく着付けやヘアメイクまでトータルで提供できるようになりたいという。18歳のRENONさんは、「好き」を原動力に歩みを続けている。
生きさとして初めて
2年連続で全国の舞台に立った鹿児島実業高校書道部。その衣装制作に協力したのが18歳のRENONさんです。通信制の高校に在籍しながら、着物のリメイクやレンタルを手掛ける「てりふりなし」の代表を務めています。
作業場は住宅の敷地内にある古民家。お邪魔すると、溢れんばかりの着物が。
この下3段が全部着物が入ってて。着物、着物。可愛い。なかなか見ない、こんなブラウンの着物とか。
ほとんどが中古の着物で、これまで買い集めたものは5、600着に上るそう。
廃棄量がすごく多いというのを耳にするのがすごく多くて、それがもったいないから、何かいいことに使えないかなっていう。
RENONさんは、タンスの肥やしとなった着物に再び命を吹き込みたいと、去年4月、16歳で起業。18歳になった今年、念願の古物の資格を。中古品のレンタルやリメイク品の販売ができるようになりました。
これは成人式の前撮りだとか、あと結婚式、親戚の結婚式だったりとか。あと最近のレンタルの振り袖は、結構柄、柄、柄って感じですけど、結構シンプルなデザインに、黒でまとめたり、赤でまとめたりとか。
初めて着物に惹かれたのは中学1年の頃。当時、RENONさんは不登校でした。
小学校4年生から中学校、もう最後まで全然行ってなくって。中学時代が多分一番つらかったのかなと思いますね。本当に一時期は人の目を見て話すこともできなかったし、外に出ることもできなかったし、家の中ですらも居場所じゃないなって思ってた。
RENONさんの生きる力となったのが、小学生から続けてきたモデルの仕事や趣味のコスプレ、そして着物でした。
着物は趣味のうちの1つだと思って軽く手を出したようなものなんですけど、「いいね」「綺麗だね」とか、そういう声をかけてくださったりする方がすごく多くて、だんだん自分を出せるようになってきたのかなっていう。
自分の好きをとことん追うことで、道が開けていったのです。
先生がいらっしゃるんですけども、その方に聞いても「何だろうね、これ」みたいなのがあったりするので、専門家でも難しいみたいなものを、間近で見て、目で見て、手で触って勉強できるので。相当ありがたい環境に。もう毎日が勉強って感じですね。
再び鹿児島実業書道部から衣装の依頼が舞い込みました。RENONさんが手に取ったのは喪服です。
しつけ糸っていって、型崩れさせないために仮縫いがしてあるんですけど、これがついてるってことは、本当に1回も着てないような。
以前は嫁入り道具として仕立てることも多かった喪服。一度も袖を通さぬままのものも少なくないといいます。書道部員が動きやすいよう上下に切り分け、下にはベルトを通すことにしました。
こんな感じです。これでこう通したらスカートに。
使われなくなった喪服が生まれ変わります。
作る人もいないし、着る人もいないので、日本の文化だから日本人が絶やすわけにはいかないというね。リメイクしてでも、どうにかして形を保ちたいなと。
先週、RENONさんは鹿児島実業高校の書道部を訪ねました。縫い上がった15着の衣装を部員にお披露目です。
すごい。すごい。
そうだね。これ、書く時とかは、こうグイッと開いてもらって。
工夫した動きやすさも高評価です。
めっちゃフリフリもついてるし。超可愛い。
しかし衣装はこれで完成ではありません。
ここに私たちが金文字を描きたいと思います。
部員たちが袖や裾に、これまでの大会で書いてきた思い入れのある字を入れます。
初めはどこかぎこちなかったRENONさんと部員ですが。
むけど頑張って。私の着物にも書いてほしい。お願いしますって。
高校生同士、気づけばすっかり距離が縮まっていました。
部長の指導で、RENONさんも文字入れに挑戦。
さすがにこれで終わら
全員の思いがこもった、世界にまたとない衣装が出来上がりました。
ちょっと私も欲しいなと思って。文字入れてほしい。かっこいい。オリジナリティがすごいあって、宝物になりそうな感じがします。
女子高校生っぽく、おしゃれに着こなせちゃって楽しみです。
捨てられてしまう、手がつかないような着物を、こうして衣装として魂を宿していただけて、本当にもう作り手冥利に尽きます。同い年の子たちとこう衣装を作れるなんて思ってもいなかったので、本当に夢見心地でありがたい。
かつて不登校で居場所を見失っていた少女が、着物と出会い歩き出した道。同じような苦しみを抱える人の力にもなりたいと考えています。
不登校でもできることはある。不登校だとしても、やっぱり自分で勉強して、自分でやりたいことを見つけて、自分で行動に移せば、もう不登校か登校してる人か、そういう隔たりとかもない。つらいことからしか得られない経験だとか、人に持てる思いやりだとか、心構えとかがだいぶ変わってくるので、役に立たないっていうことはもう絶対にない。
卒業後は美容専門学校に進み、着付けやヘアメイクもトータルで提供できるようにしたいと夢を膨らませる18歳。好きを原動力に歩み続けます。
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