外国人旅行者の「困った」に応える観光案内所 京都・東京・日光・川越のスタッフに密着

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概要

日本テレビ「every.」の特集3本をまとめた動画である。外国人旅行者が増えるなか、各地の観光案内所のスタッフが道案内や乗り換え、買い物の相談、思わぬトラブルにどう対応しているのかを追っている。番組がとくに描いているのは、案内を終えたあとも旅行者を気にかけ、頼まれたこと以上の手助けをするスタッフの姿だ。舞台は京都・祇園四条、東京・丸の内、浅草、渋谷、栃木・日光、埼玉・川越の6か所である。

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京都・祇園四条:働き始めたばかりのまおさん

京都で連日多くの外国人旅行者が訪れるのが、京阪電車祇園四条駅の構内にある「京阪ツーリストインフォメーションセンター祇園四条」だ。外国人旅行者に対応するスタッフは16人いる。その一人、まおさん(22歳)は神奈川県川崎市出身で、この春に働き始めたばかりである。英語を話せるようになりたいと考え、高校卒業後は好きだった京都の外国語大学に進んだ。4年間、英語を学びながら京都の観光名所や文化についても学び、今年4月から案内所で働いている。本人は、好きな京都の良いところをいろいろ紹介できるのが楽しいと話す。

台湾から来た夫婦は、交通系ICカードにチャージできずに困っていた。まおさんは券売機まで一緒に行き、チャージを手伝った。フィリピンから初めて来日した女性は「嵐島屋」のような地名を口にした。やり取りを重ねるうちに、行きたいのは嵐山だと分かり、まおさんは嵐山へ向かうのに便利な別の駅までの道順を伝えた。

この女性は、夫と孫と3人で旅行していた。孫は地域の水泳大会の200m自由形リレーで銅メダルを取ったうえ、12歳の誕生日と小学校の卒業も重なった。この3つのお祝いとして、5日間の日本旅行を計画したという。孫は旅行に大満足の様子だった。旅にはもう一つ目的があり、祖母が一度着物を着てみたいと思っていたそうだ。その願いは京都で着物を着て町を歩くことでかない、本人は大喜びだったという。

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和牛バーガーを求める7人組と、43系統のバス

別の日には、フィリピン、アメリカ、カナダから来た7人のグループがある店のパンフレットを差し出した。100%和牛のパティが売りのバーガーショップである。7人は、女性の姉妹と、小学校から半世紀以上仲の良い幼なじみ5人だった。還暦のお祝いにみんなで日本へ行こうと決め、来日したという。日本を選んだのは、5人とも富士山を見たいと考えていたからだ。富士山を見たあとは奈良の東大寺を訪れてソフトクリームで一息つき、京都で見かけたこの和牛バーガーがどうしても食べたくなったそうだ。まおさんの案内で7人は無事に店に着いた。後日、和牛バーガーはとてもおいしく大満足だったという報告が届いた。

ドイツから来た夫婦は、43系統のバス停が分からず困っていた。日本に住む友人の家の近くへ向かうバスだという。まおさんはバス停の場所と発車時刻を調べて伝え、二人を送り出した。ただ、そのあともまおさんには気がかりなことがあった。案内通りにバス停で待っていればバスは来るはずだが、渋滞などで遅れたら二人がまた不安になるかもしれない、と心配していたのだ。

そこで取材班がバス停で様子を見ることにした。まおさんが伝えた時刻に43系統のバスが到着し、夫婦は無事に乗り込んだ。取材班がバスはちゃんと来たと伝えると、まおさんは「良かったです」と安心した様子を見せた。

8:51

東京・丸の内:キツネのお面を探す

東京・丸の内のJNTOツーリストインフォメーションセンターは、都内だけでなく全国の観光案内も行っている。訪れる外国人は多い日でおよそ100人、対応するスタッフは10人だ。

入社2年目のミクさん(33歳)は、高校時代にニュージーランドとアメリカへ短期留学したことをきっかけに、英語に関わる仕事に就きたいと考えるようになった。大学では英語教師を目指して勉強し、卒業後は中学・高校で英語を教えた。その後、2年前の春からこの案内所で働いている。外国の人と話せることが一番楽しいという。

ある日、フランスから来た男性が「キツネのお面はどこで買えますか」と尋ねてきた。京都の店で気になったものの買わずに帰ってしまい、今になってかなり後悔しているという。ミクさんはすぐにお面を扱っていそうな店を調べ、雑貨店に電話をかけた。1件目では扱いがなかったが、2件目で取り扱いがあると分かり、都内で売っている店を見つけた。ミクさんは店までの行き方を案内し、連絡先を書いて男性に渡した。後日、男性から写真が届き、念願のお面を手に入れたことが分かった。お面は大切な思い出として自宅に飾るそうだ。

11:42

白浜でのプロポーズと、無料の着物体験

ドイツから来たカップルは、ポストカードを送るための切手が欲しいと相談に来た。ミクさんは最寄りのコンビニを案内した。二人は初めての来日で、3週間の日程で関西を回り、富士山を見て、前日に東京に着いたところだった。

この旅で、男性には大事な目的があった。旅行を計画した段階で、日本の静かな場所で彼女にプロポーズしようと決めていたのだ。選んだのは和歌山県・南紀白浜の静かな波打ち際だった。彼女の返事は「イエス」だった。ところが、彼女が指輪をはめていたのは薬指ではなく中指だった。指輪のサイズを間違えてしまったという。

この案内所は案内だけでなく、無料の着物体験も行っている。取材の日はオランダから来た大学生3人組が体験していて、ミクさんも手際よく着付けを手伝っていた。日本文化を少し体験できるこのサービスは、なかなか人気があるという。ミクさんは「観光案内をするだけではなく、プラスアルファの情報を提供することで、お客様が120%日本旅行を楽しんでいただけるよう努力していきたい」と話している。

17:36

浅草:3か国語で案内する25歳

浅草は外国人で賑わう下町だ。雷門のすぐ近く、東武浅草駅の1階にある「東武ツーリストインフォメーションセンター浅草」には、1日に300人ほどの外国人旅行者が訪れる。外国人に対応するスタッフは26人いる。

その一人、坂本彩奈さん(25歳)は、英語で案内したかと思えば中国語でも流暢に話し、韓国語まで使う。外国語に興味を持ったのは高校2年のときだった。2歳上の姉が本格的に英語を学び始めたのを見て、自分も外国語を身につけたいと思ったという。大学で英語と中国語を学び、その語学力を生かそうと3年前にこの案内所に入った。韓国語は働きながら覚えたそうだ。外国人の気持ちに寄り添うような、親切で丁寧な案内を心がけているという。

オーストラリアから来た大学生は、浅草の地下街へ行きたいと相談した。昭和30年に造られた、日本で一番古いと言われる地下商店街である。大学の友人と3週間の日本旅行中で、以前見た映画のワンシーンにこの地下街が出てきたことから、来日したら行こうと決めていたそうだ。しかし午前中はほとんどの店が開いておらず、二人は夜にまた来ると言って浅草の町へ出かけていった。

20:45

雪を見たことがない3人と、残り12分の払い戻し

フィリピンから来た女性3人は、日光へ行きたいと相談に来た。予約したホテルの名前を聞いた坂本さんは、ホテルの場所を調べたうえで周辺の見どころも調べた。3人は姉妹とおばの組み合わせで、1週間の日本旅行の目的は冬を体験することだった。暮らしているのはサトウキビ畑が多い、1年中暖かい島で、雪を見たことがない。坂本さんが、この時期の日光なら雪が見られると思うと伝えると、3人は大いに盛り上がった。初めて雪景色を見たら何をしたいかと聞くと、答えは「スノーエンジェル」だった。雪の上に寝転んで手足を動かし、天使の羽のような跡をつける遊びである。後日届いた写真には、雪景色の日光でスノーエンジェルを楽しむ3人が写っていた。

別の日には、日光行き特急のチケットを持った男性が、買いすぎた分をキャンセルして払い戻したいと相談に来た。この案内所では日光方面の乗車券も売っている。ところが、男性たちが乗る特急の発車まで残り12分しかなかった。払い戻しの手続きとホームまでの移動を考えると、かなり厳しい時間だった。坂本さんはほかのスタッフの手も借りて手続きを急いだ。発車5分前になっても終わらず、同行者もそわそわし始める。手続きが終わったのは発車3分前を切ったころだった。坂本さんが一行を先導してホームへ急ぎ、一行はぎりぎり間に合った。列車は定刻に発車した。

24:27

渋谷:旅先で受けた恩を返す

渋谷駅の地下1階にある「WANDER COMPASS SHIBUYA」には、多い日で1日200人の外国人が訪れ、スタッフ17人が対応している。その一人、武田さんは大学を休学して南米、ヨーロッパ、東南アジアなど多くの国を旅した。その後カナダのカフェで1年間働きながら英語を身につけ、その語学力を生かそうと2年前の秋に案内所のスタッフになった。武田さんは、自分が旅をしたときに助けてくれた地元の人がたくさんいたので、その恩を返すつもりで海外のお客さんに接していると話す。

ヤンキースのキャップをかぶった男性が「Yのライン」と言うと、武田さんは山手線のことだとすぐに気づいた。乗り場を案内しながら話しかけると、この旅は妻への誕生日プレゼントだと分かった。11日間の日本旅行で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大阪を満喫したあと京都へ行き、嵐山の林にとても感動したという。夫婦はこのあと山手線で原宿へ向かった。

27:26

スタンプ、うどん、金沢でのプロポーズ

武田さんによると、今、外国人の間でスタンプ集めが人気らしい。ある日ふらりと入ってきた女性は、まっすぐスタンプ台に向かった。アメリカから来た大学生で、2度目の日本への一人旅だという。今はうどんにすっかりはまっている。四国・高松で食べた1杯に感動して以来、麺のもちもちした食感と、好みで選べるトッピングの多さに惹かれ、各地でうどんを食べ歩いているそうだ。

フランスから来た男女は、押したスタンプの横に町の名前を漢字で書き添えてほしいと頼んだ。漢字を添えれば旅の思い出がもっと良いものになるという。上機嫌の男性だったが、10日前に旅が始まったころはかなり緊張していたらしい。日本で彼女にプロポーズすると決め、2週間の滞在中のどこで伝えるかタイミングを探していたからだ。選んだのは金沢の、市内を見渡せる高台の静かな場所だった。両親に見せるためにその瞬間を動画に撮っていて、彼女の答えは「イエス」だった。

31:08

折り紙のキティちゃん

アルゼンチンから来た家族は、娘のために借りたベビーカーの返却場所が分からなくなっていた。武田さんが丁寧に案内したあと、あることを思いついた。帰り際、武田さんは娘に紙で作ったキティちゃんを手渡した。女の子の帽子を見て、その場で折ったのだという。武田さんは普段から、空いた時間に外国人旅行者へのプレゼント用として折り紙を折っている。思いがけない贈り物に、女の子はハグでお礼を伝えた。武田さんは、案内以外に優しい一言を添えるだけでもその人の旅をほんの少し素敵にできたら、と話している。

34:52

日光:雨の日の華厳の滝と、山ビル対策の塩

3本目の特集は日光と川越である。JR日光駅を出てすぐの「JR日光駅ツーリストインフォメーションセンター」には、多い日でおよそ170人の外国人が訪れる。ここで案内しているのは、市が派遣する通訳ボランティアと観光協会の職員だ。大きな笑顔がトレードマークの川田さおりさんは、日光で生まれ育った地元の人である。中学時代に洋楽にはまって英語に興味を持ち、就職後は海外旅行で知り合った外国人の友人とメールなどでやり取りしながら英語を勉強した。その語学力を生かそうと転職し、5年前にここのスタッフになった。毎日いろいろな国の人に会えるのがとても楽しく、旅行気分だと話す。

スペインから来た家族は、娘が見たがっていた華厳の滝を雨でも見られるか心配していた。その日の日光は土砂降りだった。川田さんがインターネットのライブカメラで確認すると、霧で滝はほとんど見えなかった。それでも川田さんは「日光を見ずして結構と言うなかれ」という言葉を紹介し、世界遺産を構成する見どころが日光にはいろいろあると勧めた。家族は初来日で、3週間の日程で京都や金沢を回ってから日光に来たという。金沢で念願の寿司を食べたときの写真を見せてくれた。妹は漫画が大好きで、ドラえもん、ワンピース、ドラゴンボール、NARUTOなどの名前を次々に挙げた。

ある日、案内所の外を歩き回っている外国人がいたので声をかけると、ハイキング用の地図を探しているところだった。スウェーデンから来た夫婦である。川田さんはコースを案内したあと、塩の入った小袋を手渡した。周辺のハイキングコースでは最近、山ビルの被害が増えている。そのため、吸い付かれたときに備えて、山道に入る人に塩を配っているのだという。

40:28

「ファンマンガ」はどこか、家族4人のハネムーン

フランスから来た女性は観光マップを受け取り、行きたい場所を「ファンマンガ」と伝えた。川田さんはすぐに、それが憾満ヶ淵(かんまんがふち)だと気づいた。山道に70体ものお地蔵様が並ぶ場所で、外国人に人気があるという。行き方の説明はすんだものの、名前がなかなか覚えられず、二人で何度も「カンマンガフチ」と繰り返した。

この女性は、夫と子ども2人の家族4人で初めて日本に来ていた。3週間の旅は特別なもので、結婚した当時は仕事などが忙しく新婚旅行に行けなかった。それからだいぶ時間がたったが、今回ハネムーンを兼ねた家族旅行として実現させたのだという。行き先を日本にしたのは長女の希望だった。写真には、自信作だというカレー味のおにぎりや、マッシュルームや枝豆をトッピングした味噌ラーメンが写っていた。最後に行き先を確認すると、女性は「カンマンガフチ」とちゃんと言えるようになっていた。

43:42

川越:畳の部屋での記念写真と、富士山頂でのプロポーズ

埼玉県川越は、レトロな町並みが残り、都心からのアクセスも良い町で、外国人旅行者に人気がある。番組によると、ウナギを食べたいという人も多いという。川越の観光案内所で案内スタッフを務める田口裕子さんは、大学卒業後、好きな英語をもっと学ぶためにアメリカ・シアトルの大学へ留学した。その語学力を生かそうと5年前にこの案内所に入った。気軽に安心して利用してもらえるよう、丁寧に、明るく、笑顔で接客することを心がけているという。

猛暑が続いた夏には、暑さに耐えかねて休ませてほしいという人が多かった。カナダから来た家族がやって来たとき、スタッフはすぐに涼しい奥の畳の部屋へ案内した。旅の思い出になればと、畳を背景に家族そろっての写真も撮った。

ニュージーランドから来たカップルは、おすすめの観光スポットを尋ねた。二人は17日間の予定で初めて日本を旅していて、男性にはプロポーズという大事な目的があった。舞台に選んだのは、二人とも好きな日本の、それも空に一番近い富士山の頂上だった。10日前に実行したプロポーズは成功し、そのときの驚きを彼女は笑いながら話していた。

47:27

5度目の来日夫婦、そして乗り遅れた送迎バス

オーストラリアから来た夫婦は町の情報を求めていた。田口さんは菓子屋が並ぶ菓子屋横丁など、周辺のグルメスポットを紹介した。夫婦にとって日本旅行は5度目で、川越のことは仕事で5年前から東京に住んでいる息子から聞いたという。息子に会いに来るたびに、夫婦そろって日本がどんどん好きになっているそうだ。夫が今はまっているのは焼き鳥で、お気に入りは鶏軟骨の塩。田口さんは、川越にもおいしい焼き鳥屋があると伝えた。田口さんは、川越には蔵の町並み以外にもたくさんの魅力があるので、外国の旅行者に何度でも来てもらえるような案内をしたいと話している。

最後の場面は再び日光である。フランスから来た女性が、ホテルの送迎バスに乗り遅れたと駆け込んできた。バスが出たのは5分前だった。川田さんは電話を手に案内所の外へ出て、こう考えた。JR日光駅を出たバスが次に止まるのは、200mほど離れた東武日光駅だ。今ならまだ間に合う。川田さんはすぐに東武日光駅の案内所に連絡し、そこのスタッフからバスの運転手に状況を伝えてもらった。まもなく送迎バスがJR日光駅まで戻ってきて、女性は無事にホテルへ向かった。

番組は各特集を、観光案内所のスタッフが今日もそれぞれのもてなし方で、迷う旅行者に全力で向き合っている、という言葉で締めくくっている。