外国人旅行者の「困った」に応える観光案内所 京都・東京・日光・川越のスタッフに密着
日テレNEWS日本テレビ「every.」の特集3本をまとめた動画である。外国人旅行者が増えるなか、各地の観光案内所のスタッフが道案内や乗り換え、買い物の相談、思わぬトラブルにどう対応しているのかを追っている。番組がとくに描いているのは、案内を終えたあとも旅行者を気にかけ、頼まれたこと以上の手助けをするスタッフの姿だ。舞台は京都・祇園四条、東京・丸の内、浅草、渋谷、栃木・日光、埼玉・川越の6か所である。
京都・祇園四条:働き始めたばかりのまおさん
京都で連日多くの外国人旅行者が訪れるのが、京阪電車祇園四条駅の構内にある「京阪ツーリストインフォメーションセンター祇園四条」だ。外国人旅行者に対応するスタッフは16人いる。その一人、まおさん(22歳)は神奈川県川崎市出身で、この春に働き始めたばかりである。英語を話せるようになりたいと考え、高校卒業後は好きだった京都の外国語大学に進んだ。4年間、英語を学びながら京都の観光名所や文化についても学び、今年4月から案内所で働いている。本人は、好きな京都の良いところをいろいろ紹介できるのが楽しいと話す。
台湾から来た夫婦は、交通系ICカードにチャージできずに困っていた。まおさんは券売機まで一緒に行き、チャージを手伝った。フィリピンから初めて来日した女性は「嵐島屋」のような地名を口にした。やり取りを重ねるうちに、行きたいのは嵐山だと分かり、まおさんは嵐山へ向かうのに便利な別の駅までの道順を伝えた。
この女性は、夫と孫と3人で旅行していた。孫は地域の水泳大会の200m自由形リレーで銅メダルを取ったうえ、12歳の誕生日と小学校の卒業も重なった。この3つのお祝いとして、5日間の日本旅行を計画したという。孫は旅行に大満足の様子だった。旅にはもう一つ目的があり、祖母が一度着物を着てみたいと思っていたそうだ。その願いは京都で着物を着て町を歩くことでかない、本人は大喜びだったという。
和牛バーガーを求める7人組と、43系統のバス
別の日には、フィリピン、アメリカ、カナダから来た7人のグループがある店のパンフレットを差し出した。100%和牛のパティが売りのバーガーショップである。7人は、女性の姉妹と、小学校から半世紀以上仲の良い幼なじみ5人だった。還暦のお祝いにみんなで日本へ行こうと決め、来日したという。日本を選んだのは、5人とも富士山を見たいと考えていたからだ。富士山を見たあとは奈良の東大寺を訪れてソフトクリームで一息つき、京都で見かけたこの和牛バーガーがどうしても食べたくなったそうだ。まおさんの案内で7人は無事に店に着いた。後日、和牛バーガーはとてもおいしく大満足だったという報告が届いた。
ドイツから来た夫婦は、43系統のバス停が分からず困っていた。日本に住む友人の家の近くへ向かうバスだという。まおさんはバス停の場所と発車時刻を調べて伝え、二人を送り出した。ただ、そのあともまおさんには気がかりなことがあった。案内通りにバス停で待っていればバスは来るはずだが、渋滞などで遅れたら二人がまた不安になるかもしれない、と心配していたのだ。
そこで取材班がバス停で様子を見ることにした。まおさんが伝えた時刻に43系統のバスが到着し、夫婦は無事に乗り込んだ。取材班がバスはちゃんと来たと伝えると、まおさんは「良かったです」と安心した様子を見せた。
東京・丸の内:キツネのお面を探す
東京・丸の内のJNTOツーリストインフォメーションセンターは、都内だけでなく全国の観光案内も行っている。訪れる外国人は多い日でおよそ100人、対応するスタッフは10人だ。
入社2年目のミクさん(33歳)は、高校時代にニュージーランドとアメリカへ短期留学したことをきっかけに、英語に関わる仕事に就きたいと考えるようになった。大学では英語教師を目指して勉強し、卒業後は中学・高校で英語を教えた。その後、2年前の春からこの案内所で働いている。外国の人と話せることが一番楽しいという。
ある日、フランスから来た男性が「キツネのお面はどこで買えますか」と尋ねてきた。京都の店で気になったものの買わずに帰ってしまい、今になってかなり後悔しているという。ミクさんはすぐにお面を扱っていそうな店を調べ、雑貨店に電話をかけた。1件目では扱いがなかったが、2件目で取り扱いがあると分かり、都内で売っている店を見つけた。ミクさんは店までの行き方を案内し、連絡先を書いて男性に渡した。後日、男性から写真が届き、念願のお面を手に入れたことが分かった。お面は大切な思い出として自宅に飾るそうだ。
白浜でのプロポーズと、無料の着物体験
ドイツから来たカップルは、ポストカードを送るための切手が欲しいと相談に来た。ミクさんは最寄りのコンビニを案内した。二人は初めての来日で、3週間の日程で関西を回り、富士山を見て、前日に東京に着いたところだった。
この旅で、男性には大事な目的があった。旅行を計画した段階で、日本の静かな場所で彼女にプロポーズしようと決めていたのだ。選んだのは和歌山県・南紀白浜の静かな波打ち際だった。彼女の返事は「イエス」だった。ところが、彼女が指輪をはめていたのは薬指ではなく中指だった。指輪のサイズを間違えてしまったという。
この案内所は案内だけでなく、無料の着物体験も行っている。取材の日はオランダから来た大学生3人組が体験していて、ミクさんも手際よく着付けを手伝っていた。日本文化を少し体験できるこのサービスは、なかなか人気があるという。ミクさんは「観光案内をするだけではなく、プラスアルファの情報を提供することで、お客様が120%日本旅行を楽しんでいただけるよう努力していきたい」と話している。
浅草:3か国語で案内する25歳
浅草は外国人で賑わう下町だ。雷門のすぐ近く、東武浅草駅の1階にある「東武ツーリストインフォメーションセンター浅草」には、1日に300人ほどの外国人旅行者が訪れる。外国人に対応するスタッフは26人いる。
その一人、坂本彩奈さん(25歳)は、英語で案内したかと思えば中国語でも流暢に話し、韓国語まで使う。外国語に興味を持ったのは高校2年のときだった。2歳上の姉が本格的に英語を学び始めたのを見て、自分も外国語を身につけたいと思ったという。大学で英語と中国語を学び、その語学力を生かそうと3年前にこの案内所に入った。韓国語は働きながら覚えたそうだ。外国人の気持ちに寄り添うような、親切で丁寧な案内を心がけているという。
オーストラリアから来た大学生は、浅草の地下街へ行きたいと相談した。昭和30年に造られた、日本で一番古いと言われる地下商店街である。大学の友人と3週間の日本旅行中で、以前見た映画のワンシーンにこの地下街が出てきたことから、来日したら行こうと決めていたそうだ。しかし午前中はほとんどの店が開いておらず、二人は夜にまた来ると言って浅草の町へ出かけていった。
雪を見たことがない3人と、残り12分の払い戻し
フィリピンから来た女性3人は、日光へ行きたいと相談に来た。予約したホテルの名前を聞いた坂本さんは、ホテルの場所を調べたうえで周辺の見どころも調べた。3人は姉妹とおばの組み合わせで、1週間の日本旅行の目的は冬を体験することだった。暮らしているのはサトウキビ畑が多い、1年中暖かい島で、雪を見たことがない。坂本さんが、この時期の日光なら雪が見られると思うと伝えると、3人は大いに盛り上がった。初めて雪景色を見たら何をしたいかと聞くと、答えは「スノーエンジェル」だった。雪の上に寝転んで手足を動かし、天使の羽のような跡をつける遊びである。後日届いた写真には、雪景色の日光でスノーエンジェルを楽しむ3人が写っていた。
別の日には、日光行き特急のチケットを持った男性が、買いすぎた分をキャンセルして払い戻したいと相談に来た。この案内所では日光方面の乗車券も売っている。ところが、男性たちが乗る特急の発車まで残り12分しかなかった。払い戻しの手続きとホームまでの移動を考えると、かなり厳しい時間だった。坂本さんはほかのスタッフの手も借りて手続きを急いだ。発車5分前になっても終わらず、同行者もそわそわし始める。手続きが終わったのは発車3分前を切ったころだった。坂本さんが一行を先導してホームへ急ぎ、一行はぎりぎり間に合った。列車は定刻に発車した。
渋谷:旅先で受けた恩を返す
渋谷駅の地下1階にある「WANDER COMPASS SHIBUYA」には、多い日で1日200人の外国人が訪れ、スタッフ17人が対応している。その一人、武田さんは大学を休学して南米、ヨーロッパ、東南アジアなど多くの国を旅した。その後カナダのカフェで1年間働きながら英語を身につけ、その語学力を生かそうと2年前の秋に案内所のスタッフになった。武田さんは、自分が旅をしたときに助けてくれた地元の人がたくさんいたので、その恩を返すつもりで海外のお客さんに接していると話す。
ヤンキースのキャップをかぶった男性が「Yのライン」と言うと、武田さんは山手線のことだとすぐに気づいた。乗り場を案内しながら話しかけると、この旅は妻への誕生日プレゼントだと分かった。11日間の日本旅行で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大阪を満喫したあと京都へ行き、嵐山の林にとても感動したという。夫婦はこのあと山手線で原宿へ向かった。
スタンプ、うどん、金沢でのプロポーズ
武田さんによると、今、外国人の間でスタンプ集めが人気らしい。ある日ふらりと入ってきた女性は、まっすぐスタンプ台に向かった。アメリカから来た大学生で、2度目の日本への一人旅だという。今はうどんにすっかりはまっている。四国・高松で食べた1杯に感動して以来、麺のもちもちした食感と、好みで選べるトッピングの多さに惹かれ、各地でうどんを食べ歩いているそうだ。
フランスから来た男女は、押したスタンプの横に町の名前を漢字で書き添えてほしいと頼んだ。漢字を添えれば旅の思い出がもっと良いものになるという。上機嫌の男性だったが、10日前に旅が始まったころはかなり緊張していたらしい。日本で彼女にプロポーズすると決め、2週間の滞在中のどこで伝えるかタイミングを探していたからだ。選んだのは金沢の、市内を見渡せる高台の静かな場所だった。両親に見せるためにその瞬間を動画に撮っていて、彼女の答えは「イエス」だった。
折り紙のキティちゃん
アルゼンチンから来た家族は、娘のために借りたベビーカーの返却場所が分からなくなっていた。武田さんが丁寧に案内したあと、あることを思いついた。帰り際、武田さんは娘に紙で作ったキティちゃんを手渡した。女の子の帽子を見て、その場で折ったのだという。武田さんは普段から、空いた時間に外国人旅行者へのプレゼント用として折り紙を折っている。思いがけない贈り物に、女の子はハグでお礼を伝えた。武田さんは、案内以外に優しい一言を添えるだけでもその人の旅をほんの少し素敵にできたら、と話している。
日光:雨の日の華厳の滝と、山ビル対策の塩
3本目の特集は日光と川越である。JR日光駅を出てすぐの「JR日光駅ツーリストインフォメーションセンター」には、多い日でおよそ170人の外国人が訪れる。ここで案内しているのは、市が派遣する通訳ボランティアと観光協会の職員だ。大きな笑顔がトレードマークの川田さおりさんは、日光で生まれ育った地元の人である。中学時代に洋楽にはまって英語に興味を持ち、就職後は海外旅行で知り合った外国人の友人とメールなどでやり取りしながら英語を勉強した。その語学力を生かそうと転職し、5年前にここのスタッフになった。毎日いろいろな国の人に会えるのがとても楽しく、旅行気分だと話す。
スペインから来た家族は、娘が見たがっていた華厳の滝を雨でも見られるか心配していた。その日の日光は土砂降りだった。川田さんがインターネットのライブカメラで確認すると、霧で滝はほとんど見えなかった。それでも川田さんは「日光を見ずして結構と言うなかれ」という言葉を紹介し、世界遺産を構成する見どころが日光にはいろいろあると勧めた。家族は初来日で、3週間の日程で京都や金沢を回ってから日光に来たという。金沢で念願の寿司を食べたときの写真を見せてくれた。妹は漫画が大好きで、ドラえもん、ワンピース、ドラゴンボール、NARUTOなどの名前を次々に挙げた。
ある日、案内所の外を歩き回っている外国人がいたので声をかけると、ハイキング用の地図を探しているところだった。スウェーデンから来た夫婦である。川田さんはコースを案内したあと、塩の入った小袋を手渡した。周辺のハイキングコースでは最近、山ビルの被害が増えている。そのため、吸い付かれたときに備えて、山道に入る人に塩を配っているのだという。
「ファンマンガ」はどこか、家族4人のハネムーン
フランスから来た女性は観光マップを受け取り、行きたい場所を「ファンマンガ」と伝えた。川田さんはすぐに、それが憾満ヶ淵(かんまんがふち)だと気づいた。山道に70体ものお地蔵様が並ぶ場所で、外国人に人気があるという。行き方の説明はすんだものの、名前がなかなか覚えられず、二人で何度も「カンマンガフチ」と繰り返した。
この女性は、夫と子ども2人の家族4人で初めて日本に来ていた。3週間の旅は特別なもので、結婚した当時は仕事などが忙しく新婚旅行に行けなかった。それからだいぶ時間がたったが、今回ハネムーンを兼ねた家族旅行として実現させたのだという。行き先を日本にしたのは長女の希望だった。写真には、自信作だというカレー味のおにぎりや、マッシュルームや枝豆をトッピングした味噌ラーメンが写っていた。最後に行き先を確認すると、女性は「カンマンガフチ」とちゃんと言えるようになっていた。
川越:畳の部屋での記念写真と、富士山頂でのプロポーズ
埼玉県川越は、レトロな町並みが残り、都心からのアクセスも良い町で、外国人旅行者に人気がある。番組によると、ウナギを食べたいという人も多いという。川越の観光案内所で案内スタッフを務める田口裕子さんは、大学卒業後、好きな英語をもっと学ぶためにアメリカ・シアトルの大学へ留学した。その語学力を生かそうと5年前にこの案内所に入った。気軽に安心して利用してもらえるよう、丁寧に、明るく、笑顔で接客することを心がけているという。
猛暑が続いた夏には、暑さに耐えかねて休ませてほしいという人が多かった。カナダから来た家族がやって来たとき、スタッフはすぐに涼しい奥の畳の部屋へ案内した。旅の思い出になればと、畳を背景に家族そろっての写真も撮った。
ニュージーランドから来たカップルは、おすすめの観光スポットを尋ねた。二人は17日間の予定で初めて日本を旅していて、男性にはプロポーズという大事な目的があった。舞台に選んだのは、二人とも好きな日本の、それも空に一番近い富士山の頂上だった。10日前に実行したプロポーズは成功し、そのときの驚きを彼女は笑いながら話していた。
5度目の来日夫婦、そして乗り遅れた送迎バス
オーストラリアから来た夫婦は町の情報を求めていた。田口さんは菓子屋が並ぶ菓子屋横丁など、周辺のグルメスポットを紹介した。夫婦にとって日本旅行は5度目で、川越のことは仕事で5年前から東京に住んでいる息子から聞いたという。息子に会いに来るたびに、夫婦そろって日本がどんどん好きになっているそうだ。夫が今はまっているのは焼き鳥で、お気に入りは鶏軟骨の塩。田口さんは、川越にもおいしい焼き鳥屋があると伝えた。田口さんは、川越には蔵の町並み以外にもたくさんの魅力があるので、外国の旅行者に何度でも来てもらえるような案内をしたいと話している。
最後の場面は再び日光である。フランスから来た女性が、ホテルの送迎バスに乗り遅れたと駆け込んできた。バスが出たのは5分前だった。川田さんは電話を手に案内所の外へ出て、こう考えた。JR日光駅を出たバスが次に止まるのは、200mほど離れた東武日光駅だ。今ならまだ間に合う。川田さんはすぐに東武日光駅の案内所に連絡し、そこのスタッフからバスの運転手に状況を伝えてもらった。まもなく送迎バスがJR日光駅まで戻ってきて、女性は無事にホテルへ向かった。
番組は各特集を、観光案内所のスタッフが今日もそれぞれのもてなし方で、迷う旅行者に全力で向き合っている、という言葉で締めくくっている。
特集は観光案内所のスタッフに密着。「どこでキツネのお面が買えますか?」。年々増え続ける外国からのお客様。それに伴い、観光案内所はもう大忙し。悩める外国人に対応するのは案内所のスタッフたち。外国人旅行者のよろず相談、全力でサポートします。ウェルカム・トゥ・ジャパン。観光案内所で働く女性たちに密着いたしました。
千年の都、京都に、連日大勢の外国人旅行者が訪れる場所がございます。そこは京阪電車、祇園四条駅の構内にある京阪ツーリストインフォメーションセンター祇園四条という観光案内所。では、どんな国の方がどんな相談でやってくるのか、しばしウォッチング。
台湾からのご夫婦の相談は、PASMOにチャージができず困っちゃってるとのこと。応対するのは案内スタッフの剣物まおさん、22歳。彼女はフットワークも軽く、券売機まで移動いたしまして、チャージのお手伝いを。「ありがとう」。
初来日というフィリピンからの女性は、「嵐島屋」って、もしかして……。「嵐山」。ああ、行きたかったのは嵐山ね。すると、まおさんは嵐山へ行くのに便利な別の駅への道順をご案内。
女性にお話をと思ったら、あら、お孫さんもいらっしゃいましたか。ちなみに3人はなぜ日本へ? お孫さんへのプレゼント旅行だそうで、何かおめでたいことでも? 地域で行われた水泳大会の200メートル自由形リレーで銅メダルを獲得。さらに12歳の誕生日に小学校の卒業祝いと、トリプルでハッピーなことが重なったことから、今回5日間の日本旅行を計画したといいます。初めての日本はどうかな? お孫さんは大満足。
このお祝い旅行、もう1つ目的があったそうで、おばあちゃん、一度着物が着てみたかったんだって。その夢、かないましたよ。着物を着て京都の町を歩き、大感激したんだそうです。いやいや、よかったね。嵐山観光も楽しんでくださいね。
こちらの案内所、外国人旅行者の対応に当たるスタッフは16人おりまして、神奈川県川崎市出身の剣物まおさんは、この春から働き始めた、まだ駆け出しの案内スタッフ。「私はすごい京都が好きなので、京都のいいところとかをいろいろ紹介できるっていうのが、すごい楽しいです」。
英語が話せるようになりたいと、高校卒業後は大好きな京都の外国語大学へ進学。4年間、英語の勉強に励みながら京都の観光名所や文化を学び、今年の4月にこの案内所のスタッフになりました。
まおさんがこの日応対したご婦人方は、とあるお店のパンフレットを差し出した。その店はパティが100%和牛というのが売りのバーガーショップ。ご婦人方、ビジュアルとジャパニーズビーフのワードがめちゃ刺さっちゃって、どうしても食べたくなっちゃった。まおさんは店までの行き方を丁寧にご案内。
フィリピンとアメリカ、カナダから、初来日組も含め7人のご一行。皆様はどのようなご関係でいらっしゃいます? 「My sister」。あと5人は「best friend」。幼なじみの仲良し5人組ですか。小学校から半世紀以上仲良しという5人。祝いにみんなで日本へ行ってみようと来日したそうですよ。なぜ日本へ行きたかったの?
富士山を見てみたいと5人の意見が一致したそうで、念願のマウント富士を見た後は奈良の東大寺を訪れ、ソフトクリームでほっと一息。そして京都で気になっちゃったのが、この和牛バーガー。もう気になりだしたら止まらない。7人はバーガーショップへ。
後日、写真が届きましたよ。まおさんの案内で無事店に到着。目当ての和牛バーガーはとってもデリシャスで、大満足だったそうです。還暦おめでとうございます。
ドイツからのご夫婦の相談は、43系統のバス停の場所が分からず困っているとおっしゃいます。日本で暮らす友人のうちの近くに向かうバスなんだとか。まおさん、バス停の場所と発車時刻を伝えた後、付け加えた。「ありがとうございます」。無事に案内は終わったんですが、この後まおさんは、しばしドキドキする時間を過ごすことに。それはまた後ほど。
ところ変わって東京、丸の内。この町で外国人旅行者のお助けマンとなっているのが、JNTOツーリストインフォメーションセンター。都内だけではなく、全国の観光案内も行っております。訪れる外国人は多い日でおよそ100人。この日やってきたのはフランスからの男性。
キツネのお面が欲しい。京都の店で気になったんだけど、買わずじまいで、今かなり後悔しているんだとか。この問いにお応えするのは中村さん、33歳。すぐさまキツネのお面のリサーチをスタート。ヒットした雑貨店に電話をかけます。「キツネのお面の取り扱いってございますか?」。1件目はなし。すぐさま2件目に問い合わせる。「そちらで取り扱いはありますでしょうか?」。すると「Yes」。都内で売っている店を発見。
ミクさん、ここからの行き方をご案内。店の連絡先をメモ書きして渡しました。男性は待望のキツネのお面を求めて、いざ。「さよなら」「さよなら」。
こちらの案内所、応対するスタッフは10人おりまして、ミクさんは入社2年の案内スタッフ。「やっぱりいろんな国の方とお話しできるのが、私としては一番楽しいです」。高校時代、ニュージーランドやアメリカへの短期留学をした経験から、英語に関わる仕事に就きたいと、大学では英語の教師を目指して猛勉強。卒業後は中学・高校の英語教諭を経て、2年前の春にここのスタッフになりました。
ドイツからのカップルの相談は、ポストカードを送るため切手が欲しいそうで、ミクさん、一番近いコンビニをご案内。初来日というお二人は3週間の日程で、まず関西方面をぐるりと巡り、富士山を見て昨日東京へ。実は今回の旅で、彼には重要なミッションがあったそうで。
そう、プロポーズ大作戦。旅行を計画した際、日本の静かな場所で彼女にプロポーズしようって決めていたんだとか。それを決行したのは、なかなか渋いね、和歌山県南紀白浜の静かな波打ち際。もう胸がドックンドックン打つ中、意を決して愛の告白を。彼女の答えは「Yes」。
電撃的愛の告白大作戦は大成功。その指には愛の証しの指輪が。でも、あれ、薬指じゃない。「On the middle finger, not on the ring finger」。指輪のサイズはミスっちゃったけれど、彼女のハートは見事ゲットだぜ。「バイバイ」「バイバイ」。東京でもすてきな思い出を作って、末永くお幸せにね。
そういえば、キツネのお面が欲しかった男性から写真が送られてきましたよ。おお、手に入れましたか。彼も念願のお面をしっかりとゲット。大切な思い出として自宅に飾るそうです。
この案内所、案内するだけじゃありません。体験中なのはオランダからの大学生3人組。実は無料で着物体験ができるんです。ミクさんも手際よく着付けを。初めての着物、いかがですか? 日本の文化をちょこっと体験できるこのサービス、結構人気だそうですよ。
「ただ観光案内をするだけではなくて、プラスアルファの情報を提供することで、お客様が120%日本旅行を楽しんでいただけるように、日々努力していきたいと思います」。日本の旅にプラスアルファの思い出を。ミクさんは今日も外国人旅行者のさまざまな相談に耳を傾けます。「バイバイ」。
再びの京都、祇園四条駅の観光案内所。43系統のバス停が見つからないと尋ねてきたドイツからのご夫婦に応対した、新人スタッフのまおさん。すぐさまバス停の場所を調べ、発車時刻を伝えて、最後に「ありがとうございます」と二人を送り出したものの、まおさんにはちょっと気がかりなことが。
「案内どおりにバス停で待ってたら来ると思うんです」。渋滞などで到着が遅れたら、二人がまた不安になっちゃうかもと心配な様子。ならば私たちが見守りましょう。案内されたバス停で待っていると、まおさんに聞いた時刻に1台のバスが到着。おお、確かに43系統だ。ご夫婦は無事に友人のうちへ。めでたし、めでたし。早速まおさんに報告を。
「バス、ちゃんと来てました」「あ、よかったです」。彼女もひと安心です。外国人旅行者が訪れる観光案内所。そこで働くスタッフは今日もそれぞれのもてなし方で、迷える旅行者に全力で向き合います。
特集は観光案内所のスタッフに密着。何をそんなにお急ぎで? 年々増え続ける外国からのお客様。となりますと、観光案内所がそりゃもう忙しい。ウェルカム・トゥ・ジャパン。観光案内所で働くスタッフの奮闘に密着です。
今日も今日とて、多くの外国人でにぎわう下町、浅草。雷門のほど近く、浅草駅の1階にありますのが、東武ツーリストインフォメーションセンター浅草という観光案内所。1日に300人ほどの外国人旅行者が訪れるそうですが、さて、どんな方がどんな相談でやってくるのか、しばしウォッチング。
やってきたのはオーストラリアからの大学生。浅草の地下街へ行きたいとのこと。応対に当たりますのは坂本さん、25歳。彼が行きたいのはここ、昭和30年に作られた、日本で一番古い地下街といわれる地下商店街。大学の友人と3週間の日本旅行だそうですが、またなんで地下街に興味を持ったのか。同行させてもらいますと、以前見た映画のワンシーンでこの地下街が使われており、来日したら行ってみようと思っていたそうですが、午前中はあいにくほとんどの店が開いておらず。「夜にまた来るよ」と、二人は浅草の町へ繰り出していきました。
こちらの案内所、外国人旅行者の対応に当たるスタッフは26人おりまして、そのうちの1人、坂本さんは英語で案内したかと思えば、中国語もペラペラ。おお、韓国語。すご腕スタッフ。
綾さんが語学に興味を持ったのは高校2年の頃。2歳上のお姉ちゃんが英語を本格的に勉強し始めたのを見て、私も外国語を覚えたいと、大学で英語と中国語を学びました。身に付けた語学力を生かしたいと、3年前、この案内所のスタッフとなり、働きながら韓国語を覚えたそうです。
「普段心がけていることは、外国人の気持ちに寄り添うような、親切丁寧な案内です」。心がけるのは旅行者に寄り添った丁寧なご案内。
フィリピンからの女性3人組の相談は、日光へ行きたいそうで、予約しているホテル名を綾さんに伝えます。綾さん、すかさずホテルの場所を検索すると、周辺の見どころもリサーチ。日本への女子旅は1週間の予定だそうですが、3人はどのようなご関係で? 姉妹とおばさんでしたか。なぜ日本へ?
冬が体験したいという3人が暮らすのは、フィリピンのネグロス島。サトウキビ畑がたくさんあって、1年中暖かい島なんだそうですよ。とすると、雪って見たことないですよね。雪というワードにめっちゃ前のめりになるお三方。この時期の日光なら見られると思いますよ。目の前に人生初の雪景色が広がったら、何がしたいですか? 「スノーエンジェル」。
スノーエンジェルとは、雪の上に寝転び、手足を動かして天使の羽のような模様を作る雪遊び。楽しみが1つ増え、ウキウキ度マックスの3人はいざ日光へ。後日、写真が送られてきましたよ。日光は結構な雪景色。人生初の白銀の世界にワクワクが止まらなかった。皆様、念願のスノーエンジェルにトライ。暖かい島からやってきた3人は、冬の日光ですてきな天使になっておりました。
この日やってきたのは、特急列車のチケットを手にした男性。こちらの案内所では日光へ向かう電車の乗車券も販売していまして、その買いすぎちゃった分をキャンセルして払い戻ししたいとの相談です。でも、これ、ちょっと問題ありでしてね。綾さん、腕時計をちらり。そう、男性が乗る特急の出発まで、あと12分しかないんですわ。
払い戻しの手続きやホームまでの時間を考えると、かなりしびれる残り時間。他のスタッフの手も借り、対応を急ぐ。男性ご一行は、果たして列車の発車時刻に間に合うのかな?
ところ変わって東京、渋谷。ここにも、迷える外国人旅行者の味方となる場所がございまして、渋谷駅の地下1階にあるワンダーコンパス渋谷は、多い日で1日200人の外国人が訪れる観光案内所。対応するスタッフは17人。その1人、武田大さんは、なかなか熱い方でして。
「僕が外国を旅した時とかも、助けられたローカルの人とかがいっぱいいたので、その恩を返すつもりで海外のお客様に日々接しています」。
この日やってきたのは、ヤンキースのキャップをかぶった男性。Yの路線? と、武田さん、ビビッとひらめいた。「山手線」。ああ、山手線のYね。乗り場への案内をしつつ、こんな問いかけを。今回の旅は妻へのバースデープレゼントだそうで、ちょっとした話から二人の会話が弾んじゃいまして。
11日間の日本旅行をプレゼントしてくれた夫に、当のハニー、すてきな思い出はばっちり記録していましたよ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大阪をめいっぱい楽しんだ後、京都へ。嵐山の竹林にめっちゃ感動したそうです。さあ、この後はYの路線に乗り原宿へ。東京も楽しんでくださいね。
案内スタッフの武田さんは、大学を休学して南米やヨーロッパ、東南アジアなど多くの国を旅した行動派。その後、カナダのカフェで1年間働きながら英語を学んだ。その語学力を生かしたいと、2年前の秋にこの案内所のスタッフになりました。
この日、ぶらっと入ってきた女性は、一直線にスタンプ台のある場所へ。今、外国人にスタンプ集めが人気らしい。これを見ていた武田さんは問いかけ、女性は興味津々なご様子。彼女、アメリカからの大学生だそうで。おお、一人旅ですか。2度目の日本は、あるものにドはまり中なんだとか。うどん。
四国・高松で食べた1杯が、そりゃもうアメイジングで、沼落ちしちゃったんだとか。麺のもちもち感や、お好みでカスタマイズできるトッピングの豊富さが乙女の胃袋にぶっ刺さり、店のうどんを食べまくり中とのこと。おいしいうどんとスタンプを求めて、彼女の旅は続きます。
フランスからの男女お二人の相談は、こちらもスタンプ関係だ。スタンプを押した町の名前を漢字で書き加えてもらえますか? 武田さん、お安い御用と早速ペンを取る。漢字を添えることで、旅の思い出をよりパワーアップしたいんだそうです。
ご機嫌な男性ですが、10日前にスタートした旅の当初はかなり緊張していたらしい。そう、彼が緊張していたわけは、日本で彼女にプロポーズしようと心に決め、そのタイミングを探っていたからなんです。滞在は2週間。さて、どこで彼女に伝えるか。彼が運命の場所に選んだのは、「金沢」。
金沢ですか。そこは市内が見渡せる高台の静かな場所。実は彼、プロポーズ大作戦の瞬間をご両親に見せるため、動画を撮っていたんですよ。彼女の答えは、いただきました。愛の告白大作戦イン金沢は大成功。末永くお幸せにね。おめでとうございます。
アルゼンチンからのファミリーの相談は、お嬢ちゃん用に借りていたベビーカーの返却場所が分からなくなっちゃった。武田さんの丁寧な案内に、お嬢ちゃんは「ありがとう」「ありがとう」「どういたしまして」。この時、武田さん、あることを思いついちゃった。
ファミリーの帰り際に、お嬢ちゃんへ紙で作ったキティちゃんをプレゼント。武田さん、空き時間に外国人旅行者へのプレゼント用に折り紙を折っているのです。彼女の帽子を見て、マッハでキティちゃんを作っていたんです。サプライズのプレゼントに彼女はハグでお礼を。「ありがとう」「ありがとう」。いい思い出ができたね。残りの旅もお気をつけて。
「案内以外の優しい一言を添えてあげるだけで、その人の旅とかを、本当に一かけらだけでもすてきにさせてあげられればな」。日本ですてきな思い出を作ってもらいたい。それが武田さんの願いです。
再びの浅草、東武浅草駅にあります観光案内所。買いすぎた分の列車のチケットをキャンセルしてほしいという外国人旅行者ご一行。案内スタッフの綾さんが大急ぎで手続きをするも、彼らが乗る特急の発車まであと5分。同行者もそわそわだ。発車まであと3分を切ったところで手続き完了。綾さん、ご一行様を先導しホームへと急ぐ。ご一行は発車時刻にぎりぎりセーフ。列車は定時に出発いたしました。
「間に合ってよかったです」。一件落着でございました。外国人旅行者が訪れる観光案内所。そこで働くスタッフは今日もそれぞれのもてなし方で、迷える旅行者に全力で向き合います。
今日の特集は、外国人旅行者の強い味方、観光案内所の女性たち。グルメなスポットを教えてとの相談から、摩訶不思議な問い合わせも。「I want to go to the……ファンマンガ」。ファンマンガって一体どこだ? 迷える外国人旅行者のよろず相談、フルパワーで承ります。この後は、おもてなしの舞台裏。ウェルカム・トゥ・ジャパン。観光案内所で働く女性たちに密着いたしました。
「日本大好き」。栃木県の日光。日本の方のみならず、外国人旅行者もわんさかと訪れる日本有数の観光地。その玄関口の1つ、JR日光駅を降りてすぐにあるのが、JR日光駅ツーリストインフォメーションセンター。訪れる外国の方は、多い日でおよそ170人。では、どんな方がどんな情報が欲しくてやってくるのか、しばしウォッチング。
スペインからのファミリーの相談は、お嬢ちゃんが見たかったのは日光の人気スポット、華厳の滝。ところが、この日の日光はざあざあ降りの雨。雨でも滝が見られるか心配になっちゃったの。案内スタッフの川田さおりさんが、すぐさまインターネットのライブカメラで確認しますと、あら残念、せっかく行っても霧で見えない。でも、見どころは他にもありますよと、川田さんがお勧めいたしましたのは。
「日光を見ずして結構と言うなかれ」の言葉もあるように、ここ日光は世界遺産を構成する見どころがいろいろと。「ありがとうございます」「サンキュー」。初めての日本というご家族。3週間の日程で京都や金沢を巡り、この日光へやってきたといいます。
見せてくれたのは、金沢で念願のお寿司を食べた時の写真。日本のお寿司、いかがでしたかな? なかなか舌が肥えていらっしゃる。妹さんは? 例えばどんな漫画がお好きですか? 「ドラえもん。ワンピース。ドラゴンボール。ナルト」。随分いっぱいあるのね。語りだしたら止まらない。「ありがとうございます」「バイ」。雨もやんできたようですが、足元に気をつけて日光観光も楽しんでくださいね。
こちらの案内所で対応に当たるスタッフは、市が派遣する通訳ボランティアと観光協会の職員さんなんです。ビッグスマイルがトレードマークの川田さんは、日光で生まれ育った、ばりばりの地元っ子なんですよ。
「やっぱり毎日いろんな国の方とお会いできるっていうのは、とても楽しいですね。旅行気分で」。中学時代、洋楽にはまり、英語に興味を持ったという彼女。就職後は海外旅行で知り合った外国人の友達と、メールなどを通じ英語を勉強。学んだ語学力を生かしたいと転職し、5年前にここのスタッフになりました。
この日、案内所の外をうろうろする外国人を発見。声をかけると、ハイキング用の地図を探していたらしい。スウェーデンからのご夫婦だそうで、川田さん、コースの案内を終えると、塩が入った小袋を渡した。これってどういうことなのかな?
周辺のハイキングコースで最近ヤマビルの被害が増えていることから、吸い付かれた場合に備え、山道へ入る人には配布しているそうですよ。備えあれば憂いなしのサービスに、ご夫婦は。ヤマビルには気をつけてちょうだい。ハイキング、楽しんでくださいね。
こちら、フランスからの女性は、日光の観光マップをゲット。どうやら行きたい場所があるようで。「ファンマンガ」。ファンマンガ? 川田さん、すぐにピンときた。ああ、憾満ヶ淵。ファンマンガが憾満ヶ淵と読み解いた川田さん。エリアの中で、山道に70ものお地蔵様が並ぶスポットが、外国人に人気なの。
憾満ヶ淵までの行き方は解決。でも、どうにもその名前が覚えづらいようで。「カマンガ」「うん」「カマガ、カマガ、カマンガ」「イエス」「すみません」「大丈夫です。大丈夫」。なんとも陽気なこの方は、夫と子供2人、家族4人で初来日というお母さん。3週間の日本旅行は特別な旅なんだとか。
ハネムーンでしたか。結婚当時は、やれ仕事だ、なんだと忙しく、新婚旅行へは行けずじまい。それからだいぶたっちゃいましたが、今回ハネムーンを兼ね、家族旅行を実行したといいます。行き先を日本にしたのは長女の希望だそうでございまして。
自信作というカレー味のおにぎりは、味はもちろんビジュアルも重視。ラーメンは味噌味にトライし、マッシュルームや枝豆などをトッピング。ところでママさん、今から行く場所ってどこでしたっけ? 「カヌマンガチ、カヌマンガチ」。しっかりと覚えたようで。「バイバイ」「サンキュー」。子供たちとのハネムーン、憾満ヶ淵、楽しんでくださいね。
こちらの方は、ああ大変、フランスからの女性はホテルの送迎バスに乗り遅れちゃった。それを聞くや川田さん、にわかに案内所を飛び出した。さあ、このピンチをどう解決するのか。彼女が導き出した作戦は、また後ほど。
ところ変わって埼玉県の川越。レトロな町並みを今も残す川越は、外国人旅行者に人気の町なんでございます。ウナギが食べたいって方も多いようで、連日海外の方でにぎわっております。都心からのアクセスもいいこの町で、外国人旅行者のお助けマンとなるのが、ここ、川越市仲町観光案内所。スタッフが日々、ヘルプミーな旅行者と向き合っております。
猛暑が続いたこの夏、こんな人たちも多かった。あまりの暑さに涼ませてとやってきたのは、カナダからのファミリー。スタッフがすかさず涼しい奥の畳の間へご案内すると、旅の思い出に加わればと、畳をバックに家族そろっての写真をパチリ。そんなおもてなしで旅行者を迎えるのは、案内スタッフの田口裕子さん。
大学卒業後、好きな英語をもっと学びたいと、アメリカ・シアトルの大学へ留学。身に付けた語学力を生かそうと、5年前、この案内所のスタッフとなりました。「気軽に安心して案内所をご利用いただきたいので、丁寧に明るく、笑顔で接客をするようにしていますね」。心がけるのは、旅行者に寄り添ったおもてなし。
「こんにちは」「こんにちは」「こんにちは」。何やらにこにこ顔でやってきたのは、ニュージーランドからのカップル。おすすめの観光スポットを教えて。そこで田口さんはご案内。すると女性からこんな質問が。
二人は17日間の予定で初めての日本へ。今回の旅行中、彼には心に決めた重要なミッションがあったそうで。その計画とは、彼女にプロポーズすること。二人が好きな日本の、それも一番空に近いマウント富士のてっぺんで、10日前に決行された劇的愛の告白大作戦。そのサプライズに彼女は、「I was like, what are you doing? And then I was like……」。
富士プロポーズは大成功。そりゃ、にこにこ顔になりますわね。ここ川越でもすてきな思い出を作ってくださいね。末永くお幸せに。
この日やってきたのは、町の情報が欲しいというオーストラリアからのご夫婦。田口さんは、駄菓子屋が軒を連ねる菓子屋横丁など、周辺のグルメスポットをご案内いたしました。日本旅行は5度目というベテラン夫婦。この日、川越を訪れたわけを伺うと、仕事で5年前から東京で暮らす息子さんからの情報といいます。彼に会いに来るたびに、ご夫婦ともどんどん日本が好きになっているそうなんです。
ご主人が絶賛はまり中なのは焼き鳥。お気に入りは鶏軟骨の塩。お父さん、なかなかの通だ。塩か。「バイ」。川越にもおいしい焼き鳥屋さん、ありますよ。
そしてまた外国人旅行者が田口さんの元へ。「川越はたくさん魅力がございますので、外国の旅行者の皆さんに何度でもお越しいただけるような、そんな案内をしていきたいと思っております」。蔵の町だけではない川越の魅力を、多くの外国人に伝えたい。その思いを胸に、彼女は今日もさまざまな相談に耳を傾けます。
再びの日光、JR日光駅の構内にある観光案内所。案内スタッフの川田さんの元へやってきたのは、ホテルの送迎バスに乗り遅れちゃったと駆け込んできたフランスからの女性。バスの出発時刻を聞くと、今から5分前。すると川田さん、電話片手に案内所の外へ。こんな推理を働かせたんです。
JR日光駅を出発したバスが次に止まるのは、200メートルほど離れた東武日光駅。まだ間に合う。すぐさま東武日光駅の案内所へ連絡。そのスタッフからバスの運転手へ状況を伝えてもらうことに。なるほど。「2時半で待ってたお客さんがいるんですけど、見当たらなかったみたいで」。すると、「あ、本当ですか。来てくれます? 分かりました。じゃあ、そのように伝えます」。
間もなくして、ホテルの送迎バスが戻ってきてくれました。川田さんの素早い判断で、フランスからの旅行者は無事ホテルへと向かいました。よかった、よかった。「よかったです」。無事間に合ったようで。
外国人旅行者が訪れる観光案内所。そこで働くスタッフは今日もそれぞれのもてなし方で、迷える旅行者に全力で向き合います。
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