役所広司、23年ぶりの舞台と400年前の英語でのシェイクスピア劇に挑む:Netflixシリーズ『俺のこと、なんか言ってた?』完成報告会

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概要

Netflixシリーズ『俺のこと、なんか言ってた?』の完成報告会で、主演の役所広司は出演を決めた経緯と撮影中の苦労を語った。作中ではシェイクスピア劇を英語で演じ、実際の劇場で舞台公演も行っている。司会の質問に役所本人、金子文紀監督、共演者が答える形で、役所の役づくりが紹介された。

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打ち上げでの約束から何年も経って来たオファー

司会はまず、本作では「今まで見たことがない役所広司」が見られると述べ、オファーを受けた決め手を尋ねた。役所はもともと脚本家(字幕では「宮藤さん」)の作品世界が好きで、その人物の描き方に強い関心があったという。以前その脚本家の作品に一度出演したことがあり、打ち上げの席で「またやりましょうね」と声をかけられた。すぐ次の話が来ると思っていたが、実際に声がかかったのは何年も後だったと振り返った。

脚本を初めて読んだ感想は「セリフ長いな」で、同時に面白いとも感じたという。ただ、読んでいるだけで面白い脚本を人間が演じて面白くなくなったらどうしよう、と弱気になりかけたとも明かした。現場に入ると、監督が「俳優は褒めておけば良くなる、機嫌がよくなるだろう」という調子でよく褒めてくれたので、それに乗って演じたと笑いを交えて話した。

監督は、褒めたというより、役所の演技がどんどん勢いを増していくので「そんなにやって大丈夫ですか」と逆に心配になったほどだと応じた。もう少し抑えてくるかと思っても、さらに踏み込んでくる演技だったという。

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下北沢ザ・スズナリで実際に5回の舞台公演

作中には舞台公演がエピソードの一つとして登場する。司会によれば、この場面のために下北沢のザ・スズナリで実際に5回の公演を行った。役所にとっては23年ぶりの舞台出演になる。

感想を聞かれた役所はまず「必死でした」と答えた。実際の公演を行うことになったきっかけは役所自身の一言だったという。脚本家と初めて会ったとき、物語の最後に舞台公演があると聞き、軽い気持ちで「せっかくだからちゃんと芝居としてやってしまったらどうですか」と提案した。すると本当にやることになっていた、と会場の笑いを誘った。

最後に芝居の稽古が始まったときは、共演者と共に「セリフを覚えられるかな」という恐怖感があったという。撮影用の演技ではなく、一般のお客さんの前で本番を演じるからだ。それでも23年ぶりに舞台に立ち、観客の反応を受けることで演じ続ける勇気が湧いてくるという感覚を改めて思い出した、と役所は語った。

舞台で共演した俳優は、稽古期間を含めて「こんなことがあるんだ」という夢のような時間だったと振り返った。役所は立ち稽古の段階から台本を一切持たずにセリフが入っており、とにかくエネルギッシュだったという。この共演者は、毎日が終わっていくのがどこか寂しく感じられるほど濃密で貴重な時間を過ごせたと話した。

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ロンドン・グローブ座でリア王を英語で演じる

撮影で特に大変だった場面を問われ、監督は第1話の冒頭を挙げた。ロンドンのグローブ座で役所がリア王を演じる場面である。監督は、話してよい内容かを確認しながら説明した。

監督によれば、海外で多数のエキストラを集め、由緒あるグローブ座を押さえて何日間も撮影したこと自体が大変だった。それ以上に驚いたのが役所の準備だったという。役所は、イギリス人でも聞き取りにくい400年前の特殊な英語を完璧に身につけたうえで、長い台詞を演じた。準備は1年以上前から始めていた。監督は3カ月ほど稽古を見た時点ですでに完璧だと感じていたが、役所本人は「まだダメだ」と言い続けた。最終的には、グローブ座で演出を手がける人たちも「すごい」と認める水準に達し、監督はこれが一番すごいことだったと述べた。

役所は、イギリス人の前で英語の芝居をするのに「この人は何語を喋っているんだろう」と思われるのは嫌だったので必死だった、と準備の理由を語った。

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現地スタッフからの大きな拍手

この撮影を会場で見ていた吉田羊も、当時の様子を話した。吉田によれば、イギリスの人々は幼いころからシェイクスピアに親しんでいる。そのため、フィクションの長いドラマの一場面であっても、シェイクスピアの台詞を覚えて舞台で語るだけで敬意が払われるという。最初のリハーサルで役所がこの場面を演じ、カットがかかると、会場から大きな拍手が起きた。吉田は、あれには感動したと振り返った。

会見は、司会が本作を「素晴らしい作品」と紹介し、配信を楽しみにしてほしいと呼びかけて締めくくられた。