武蔵小山の町中華「正来軒」 寡黙な店主と毒舌の妻が続ける夫婦の店
日テレNEWS東京・目黒区の武蔵小山に、昭和55年から続く中華料理店「正来軒(せいらいけん)」がある。カウンター席だけの店だが、地元の常連客が集まる人気店だ。2018年6月に「news every.」で放送された特集は、この店を切り盛りする夫婦の一日を追い、正反対に見える二人がどう店を続けてきたのかを描いている。
駅から5分の昭和の店と看板の「鳥ミソ丼」
武蔵小山駅を出て、生活感のある街並みを抜けて歩くこと5分ほどで、昭和の雰囲気が漂う正来軒に着く。店内はいかにも町の中華屋といった趣で、カウンター席だけが並ぶ。
看板メニューは「鳥ミソ丼」だ。大きな鶏肉がたっぷり入り、ニンニクを効かせた濃いめのピリ辛味噌だれがご飯によく合う。番組はこれを、常連客の胃袋を満たす一品として紹介している。
マイペースな店主・正治さんと、しっかり者の妻・睦代さん
店を切り盛りするのは店主の正治さんと妻の睦代さんである。正治さんの担当は調理と出前だ。のんびりしたマイペースな人柄で、睦代さんは正治さんについて、使った物を元の場所に戻すといった基本的なことが全くできないと話す。画面の中でも正治さんは「あれ、これどこやったっけ?」と物を探している。一方で出前に出る前には「左見て、前見て、右見て。後方よし」と確認を欠かさず、安全第一の一面も見せる。
接客を一手に引き受けるのは睦代さんだ。常連客と軽口を叩き合い、店を盛り上げる。
44年前に覚えた野菜たっぷりの餃子
ある日曜日の開店前、店では餃子の仕込みが進んでいた。この餃子は44年前、初めて勤めた店で覚えたという歴史ある品で、野菜をたっぷり使ったヘルシーな味だ。自分がうまいと思った味だからこそ今も続けているのだという。
家で料理をするのかと正治さんに尋ねると、横から睦代さんが「全くやってない」「家のことは縦のものを横にもしない」と厳しく答える。正治さんは反論せず、黙々と餃子を包み続ける。番組はこの光景を正来軒の日常として映している。
開店前から入ってくる常連客
開店10分前、準備が落ち着いたところで話を聞いていると、11時の開店を待たずに客が入ってきた。開店時刻より早いが、客が来たからには暖簾を出さないわけにはいかず、そのまま店を開ける。
続いて入ってきた常連客は、席に着くなり酒の冷蔵庫へ直行した。飲み物はセルフサービスなのだという。テレビのチャンネルも客が自由に変えてしまう。番組はその様子を「まるで自宅のよう」と表現している。
昼の厨房と夫婦の連携
昼が近づくにつれて厨房は慌ただしくなる。鳥ミソ丼の注文が入ると、たっぷりの鶏肉を特製のピリ辛だれで手早く炒めて仕上げる。人気はラーメンにもある。チャーシュー、ほうれん草、麺、そして黄金色の澄んだスープという昔ながらの一杯で、番組は正治さんの人柄のような温かな味と評している。出前の注文も多い。
忙しい時間帯の二人の動きは息がぴったりだ。正治さんが麺を丼に入れると、すかさず睦代さんが具を乗せる。正治さんが鍋を使い終わるとすぐに睦代さんが洗う。番組はこれを、長年連れ添った夫婦だからこそできる技として紹介している。
夫の留守中の「悪口三昧」
正治さんが出前に出ている間、睦代さんは店番をする。昼のピークが過ぎた頃にやって来た常連客を相手に、睦代さんは「物の見方や考えることがずれている」「気がちっぽけで小さい」と、正治さんの悪口を次々と口にする。
「妻がいないと店はできない」という正治さんの感謝
二人が結婚したのは37年前、正来軒が開店した翌年のことだ。睦代さんは正治さんに辛口だが、正治さんは睦代さんをなくてはならない存在だと話す。いい人と一緒になったと振り返り、自分一人で店をやっていたら店は駄目になっていた、睦代さんがやってくれるから続けられている、一人ではできない、と語った。
口下手でうまく伝えられないという正治さんに代わり、取材者が睦代さんに「お母さんがいてよかったって言ってましたよ。お母さんがいなかったらできなかったって」と伝えた。睦代さんの返事は「大いに感謝してほしい」というもので、周囲から笑いが起きた。
「気に食わないけど」感謝する睦代さんの本音
いつもの調子で応じた睦代さんだが、会社員時代を振り返る言葉もあった。当時は事務員だったが、事務の仕事よりこうした仕事のほうが好きだと思うという。そして、この仕事に巡り合わせてくれたのは「気に食わない」正治さんなのだから、その点ではやはり感謝している、と語った。
番組は、睦代さんらしい言い回しの中に正治さんへの感謝があるとして、夜の営業に向かう二人の姿で締めくくっている。はたから見ただけでは分からない夫婦の結びつきが、この店の温かさを支えているというのが番組の結びである。なお、メニューや価格は取材当時のもので、店は現在も営業中と紹介されている。
ああ、お腹空いた。あ、ここにしよう。
はい、いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。
常連さんが集まる昔ながらの中華料理店。そこには店を守り、味を守る家族の温かい絆がありました。
人情家族の幸せ繁盛店。目黒区、武蔵小山。駅を出ると高校。そして生活感溢れる街並みを抜けて徒歩5分。昭和の香り漂うこちらの店が正来軒。懐かしいのれんをくぐると。
いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。
店内はまさしく町の中華屋さん。昭和55年から続く、カウンター席だけのこの店は、常連客が集まる地元の人気店なんです。
店の看板メニューは。「鳥ミソ丼、参ります」。その名も鳥ミソ丼。大きな鶏肉がたっぷり。ニンニクを効かせた濃いめのピリ辛味噌だれがご飯によく合う、常連さんの胃袋を満足させる一品です。
そんな店を切り盛りするのがこの夫婦。
基本的部分はね、全然できないんですよ。あったものをあったところに返す。それができないんです。「あれ、これどこやったっけ?」
のんびりマイペースな店主、正治さん。担当は調理と出前。「左見て、前見て、右見て。後方よし」。出発前の確認をしっかり行う、安全第一な正治さん。一方、店では。
積み方。そんなに言うてできないだろ。の昼どさん、揃うんだから大丈夫や。
常連さんの相手をして盛り上げるのが、しっかり者の妻、睦代さん。接客は睦代さんが一手に引き受けています。「注文、参ります」。
ある日曜日、開店前の店にお邪魔すると、餃子の仕込みの真っ最中でした。この餃子、正治さんが44年前、初めて勤めた店で覚えたという歴史ある一品。野菜たっぷりのヘルシー餃子。自分がうまいと思った味を今も続けているんだとか。
ちなみに正治さんは家で料理をしたりするのでしょうか?「全くやってないわ。こういうの、てんでダメよ。家のことは縦のものも横にもしないから」。
睦代さんからきついお言葉。でも正治さんは反論せずに黙々と餃子の仕込み。これが正来軒の日常なんです。「仕方ない。どうやってい……」
開店10分前。準備も落ち着き、正治さんの話を伺っていると。「あ、来てるの?」「あれ」「いいよ」。なんと11時の開店を前にお客さんが来店。「はい、いらっしゃいませ」。
さすが地元の人気店。開店時間には早いですが、お客さんが来たらのれんを出さないわけにはいきません。では、正来軒、開店します。
すると早速。「いらっしゃいませ」。またまた常連さん。しかもいきなりお酒の冷蔵庫に直行。飲み物はセルフ。さすが通い慣れた常連さんです。
ちなみにテレビだって勝手に変えちゃうんです。まるで自宅のよう。「先輩」。
お昼が近づくにつれ、厨房は慌ただしさを増します。「ライスと鳥ミソ丼」「はいよ」。
看板メニューの鳥ミソ丼が入りました。たっぷりの鶏肉を特製ピリ辛のタレで素早く炒めて、鳥ミソ丼の出来上がり。「鳥ミソ、参ります」。
人気メニューはこれだけではないんです。中華といえばラーメン。チャーシュー、ほうれん草に麺、そして黄金色の綺麗なスープ。昔ながらのラーメンは、正治さんの人柄のような温かな一杯です。通いたくなるのも納得です。
出前の注文も多いんです。「はい」。早速、2人は息もぴったり。正治さんが麺をどんぶりに入れると、すかさず睦代さんが具を乗せる見事なコンビネーション。正治さんが鍋を使い終わると、すぐさま睦代さんが洗います。これぞ熟年夫婦のなせる技。
正治さんが出前に出ている間は、睦代さんは店番。「これダメだ」。お昼のピークも過ぎた頃、常連さんがやってきました。
だから、あれはずれてるって言ったろ。物を見る目、考えることがずれてるんだ。気がとってもちっぽけ。小さいんです。
気がつけばお父さんの悪口三昧。常連さん相手に睦代さんの毒舌です。
37年前、正来軒の開店の翌年、結婚した2人。正治さんには辛口な睦代さんですが、なくてはならない存在だと正治さんは言います。
よくね、みんな言って、いい人と一緒になったね。自分で店をやったんだったら、店はパーになります。ダメです。あいつがいて、やってくれるから。私1人では、やっぱできません。
口下手でうまく伝えられないけど、感謝しているんです。ちょっとおせっかいして、正治さんの気持ちを伝えてみると。
お母さんがいてよかったって言ってましたよ。お母さんがいなかったら、できなかったって。「大いに感謝してほしい」。
いつもの調子で話す睦代さんですが。「会社員時代は事務員なんだけど、事務の仕事よりはこういう仕事の方が好きだなと思う」「うん、うん」「そう、そう。これに巡り合わせてくれたのは、気に食わない旦那だから、その点でもやっぱり感謝しますね」「なるほどね」。
睦代さんならではの言い回しですが、正治さんへの感謝を胸に、夜の営業も頑張ります。はたから見ただけじゃ分からない。深い絆でつながる夫婦の思いが温かい店でした。
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