サイバー攻撃はなぜ日本を狙うのか:相次ぐ情報流出と専門家が挙げた3つの理由
日テレNEWS日本テレビ「news every.」の解説コーナー「みんなのギモン」は、連日報じられているサイバー攻撃の被害を取り上げ、「なぜ日本が標的になっているのか」を専門家への取材をもとに解説した。番組は、被害の広がりを確認したうえで、攻撃増加の背景にあるAIの進化と、日本が特に狙われやすい3つの理由を紹介している。
放送当日に明らかになった新たな被害
番組は、放送当日にも新たな被害が判明したことから話を始めた。旅行予約サイトなどを運営するアドベンチャーは、「スカイチケット」のシステムが不正アクセスを受け、会員情報およそ1464万件が外部に流出したと発表した。パスポート番号やクレジットカード情報は流出していないが、氏名、生年月日、住所、電話番号などが流出したという。
ブックオフも、氏名や住所、電話番号などの会員データが最大でおよそ643万件漏洩した可能性があると発表した。こちらもクレジットカード情報は含まれていないとしている。
JR東日本は、すでに判明していたIDCフロンティアへのサイバー攻撃の影響を発表した。えきねっと会員と大人の休日倶楽部会員を合わせて206万件のメールアドレスなどの個人情報が漏洩した可能性があるという。
クラウド事業者への攻撃が広げた影響
番組は、IDCフロンティアへの攻撃が特に影響の大きい事案だと説明した。IDCフロンティアは、データを保存するインターネット上の空間、つまりクラウドシステムを法人向けに提供している。この会社が攻撃を受けたことで、契約している495の企業や自治体にまで影響が広がった。放送当日には、攻撃を受けた保存データについて、取り出しや復元が困難な見通しであることも明らかになった。
スタジオでは、クラウドには膨大な情報が預けられており、そこからデータを取り出せなくなれば影響はかなり大きくなる、という指摘があった。
先月下旬から相次ぐ公表と「15億件以上」の攻撃
番組が把握している範囲だけでも、サイバー攻撃を受けたと公表した企業などは先月下旬から多数にのぼる。大学で大規模なシステム障害が発生し、全学部で休講になったケースがあった。宅配業者やコンビニエンスストアなど、生活に身近な企業も被害を受けている。
サイバーセキュリティ企業によると、去年10月から先月までに、日本の企業などに対して15億件以上のサイバー攻撃が行われていたという。コメンテーターの山崎さんは、連日個別の被害を伝えてきたが、総数で見ると攻撃の幅の広さと数の多さを実感すると述べた。
攻撃増加の背景にあるAIの進化
なぜ今サイバー攻撃がこれほど多いのか。番組が取材した日本プルーフポイントの専門家は、最大の要因としてAIの進化を挙げた。攻撃する側がAIを使うことで、以前よりも速く、広い範囲にサイバー攻撃を仕掛けられるようになったという。さらに、高度な知識を持たない人でも、AIを使えばサイバー攻撃ができるようになったと指摘している。
スタジオでは、AIが身近になったからこそ犯罪までも身近になってしまった怖さがある、という感想が出た。
世界的に増えるなかで、なぜ日本が多いのか
専門家によると、攻撃は世界的に増えているが、最近はとりわけ日本が多いという。その理由として、専門家は3つを挙げた。
1つ目:日本語の壁が崩れた
1つ目は、AIの進化とも重なるが、日本語の壁を突破されやすくなったことである。英語以外の言語でもAIを使った詐欺メールが増えている。日本語は特に難しい言語だったため、日本はこれまである程度被害を免れてきた。しかしAIの進化で詐欺メールなども自然な日本語で作れるようになり、気づかれにくくなったことで被害が増えているという。キャスターも、詐欺メールなのかと迷うほど巧妙化している実感があると話した。
2つ目:セキュリティ対策の遅れ
2つ目は、日本のセキュリティの甘さである。専門家によると、企業などでDXが進み、さまざまな業務がインターネット上で行えるようになったにもかかわらず、対策が不十分だという。対策が追いついていない一方で、サイバー攻撃で狙える領域は広がっており、日本は格好の標的になっている状態だと説明した。山崎さんは、IT分野の強化が叫ばれるが、何かを便利にするだけでなく、何かから守るための進化も必要になるのかもしれないと述べた。
3つ目:日本の個人情報は高く売れる
3つ目は、日本の個人情報が高値で売れることである。専門家によると、クレジットカード情報やパスポートなどは信頼性が高いため、詐欺などに悪用されやすい。なかでも日本のものは使える国が多く、偽造も少ないため、高値で取引されるという。番組は、日本という国の信頼性の高さが、かえってサイバー攻撃の標的になりやすい理由になっていると整理した。
闇サイトで売られる運転免許証の画像
盗まれた情報は、闇サイトなどで売買されるという。番組は、匿名性が高く一般的な検索では出てこない闇サイトを取材した。中国語で書かれた過去の投稿には運転免許証の画像がずらりと並び、その横に「日本の免許証」と書かれていた。本物か偽造かは分かっていないが、大量の免許証の画像が1000枚でおよそ2万円で出品されていたという。
スタジオでは、こうした情報がなりすましなどの二次被害につながることが心配されると指摘があった。企業のセキュリティ対策の強化とあわせて、一人ひとりが自分の情報に対する感度を上げ、知ることが大事だという意見も出た。
個人でできる対策
番組は最後に、専門家が勧める個人でできる対策を紹介した。1つは、必要のないところで個人情報を登録しないこと。もう1つは、メールや電話、郵便はすべて詐欺の可能性があると、まず疑ってかかることだという。
今日の疑問はこちら。サイバー攻撃、なぜ日本が標的に? ということで、このところ連日、サイバー攻撃による被害のニュースをお伝えしていますが、今日もまた新たな事案が明らかになりました。
旅行予約サイトなどを運営するアドベンチャーは今日、スカイチケットのシステムが不正アクセスを受け、会員の情報およそ1464万件が外部に流出したことを明らかにしました。パスポート番号やクレジットカードの情報は流出していないということなんですが、氏名、生年月日、住所、電話番号などが流出したということです。
また、ブックオフは氏名や住所、電話番号などの会員データが最大でおよそ643万件漏洩した可能性があると発表しました。クレジットカードの情報は含まれていないということです。
さらには、JR東日本です。すでに判明しているIDCフロンティアへのサイバー攻撃の影響で、えきねっと会員と大人の休日倶楽部会員、合わせて206万件のメールアドレスなどの個人情報が漏洩した可能性があると発表しました。
このIDCフロンティアは、データを保存するインターネット上の空間、つまりクラウドシステムを法人向けに提供しているんですが、サイバー攻撃を受け、契約している495の企業や自治体にまで影響が広がっているんです。今日、新たに攻撃された保存データについて、取り出しや復元が困難な見通しだということが明らかになりました。
クラウドには様々な膨大な情報を預けているわけですけれども、そこから取り出しができないとなりますと、その影響というのはかなり大きなものになりますよね。
にとっては大問題ですよね。
はい。このサイバー攻撃を公表している企業などは、私たちが分かったものだけで、先月下旬からこれだけあるんですね。大学で大規模なシステム障害が発生し、全学部で休講になったケースもありましたし、他にも宅配業者やコンビニエンスストアなど、生活に身近な企業も被害に遭っています。
サイバーセキュリティを行う企業によりますと、去年10月から先月までに、15億件以上のサイバー攻撃が日本の企業などに対して行われていたということです。山崎さん。
そうですね。連日お伝えはしていましたけれども、この総数で見ると15億件以上ということで、その幅、広さ、数の多さっていうのを感じますね。
本当にそうですよね。なぜ今、サイバー攻撃がこんなに多いのか、専門家に伺いました。日本プルーフポイントの増田幸美さんによりますと、AIの進化が挙げられるといいます。攻撃する側がAIを使うことで、以前よりもサイバー攻撃を早く、広範囲に行うことが可能になったといいます。さらに、高度な知識を持たない人でもAIを使えばサイバー攻撃ができるようになったということなんです。
AIって私たちにとっても身近になったからこそ、犯罪までも身近になってしまっているっていう怖さがありますよね。
そうですね。こういったことが増えているのは、日本だけのことなんですか?
一番気になりますよね。攻撃は今、世界的に増えていまして、韓国や……なんですが、最近はとりわけ日本が多いということなんです。
その理由を増田さんは3つ挙げています。まず1つ目は、AIの進化とも通じるのですが、日本語の壁を突破されやすくなったことなんです。英語以外でAIを使った詐欺メールが増えている中でも、日本語は特に難しい言語だったので、ある程度は被害を免れていましたが、AIの進化により、詐欺メールなどもより自然な日本語で作成できるようになったことで気づかれにくくなり、被害も増えているということです。
私もヒヤッとするんですが、これ詐欺メールなのかなっていうぐらい、巧妙化している感があります。
本当にナチュラルなものが多いですよね。
そうですね。そして2つ目は、日本のセキュリティの甘さなんです。企業などでデジタル技術を活用するなどDXが進み、様々なシステムがインターネット上で行えるようになったのに、対策が不十分なのだといいます。対策が追いついていないのに、サイバー攻撃で狙える領域は広がっていて、今、格好の餌食となっている状態なんです。
よくIT分野の強化って言われますけれども、何かを豊かにするだけではなくて、何かから守るためのそうした進化っていうのも必要になってくるのかもしれませんね。
そうですね。そして3つ目がこちらです。日本の個人情報は高値で売れるということなんです。増田さんによりますと、クレジットカード情報やパスポートなどは信頼性が高いので、詐欺などで悪用されやすいそうなんですが、中でも日本のものは使える国が多く、偽造も少ないため、高値で取引されるそうなんです。つまり、日本という国の信頼性が高いので、サイバー攻撃の標的になりやすいということなんです。
その結果、情報が盗まれ、闇サイトなどで売買されるといいます。匿名性が高く、一般的な検索では出てこない闇サイトを取材しますと、中国語で書かれた過去の投稿に……。
免許証の画像がありますね。
へえ。
そうなんです。このように運転免許証の画像がずらりと並び、その横には「日本の免許証」と書かれていました。こちら、本物か偽造かは分かっていないんですが、大量の免許証の画像が1000枚でおよそ2万円で出品されていましたね。
こういったものを使って、なりすましなどがないかとか、二次被害が本当に心配されるわけですが、企業などのそういったセキュリティ対策を強化していくとともに、やはり一人一人、こういった情報に対しての感度も上げていかないといけないですね。
知るということが大事ですよね。
はい。私たちが個人でできる対策としては、不必要なところで個人情報を登録しないこと。それからメールや電話、郵便は、全て詐欺の可能性があるとまず疑うことが大切だといいます。
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