「懲らしめ」から「立ち直り」へ 拘禁刑導入から1年、福井刑務所の取り組み

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概要

懲役と禁錮が廃止され、刑罰が「拘禁刑」に一本化されてから1年あまりが経った。拘禁刑の特徴は、罰を与えるだけでなく、受刑者の更生と立ち直りに向けたプログラムを行う点にある。福井放送の取材をもとに、福井刑務所が受刑者に何をさせているのか、刑務所側はそのねらいをどう説明しているのかをたどる。

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福井刑務所という場所

福井市にある福井刑務所には、26歳以上で犯罪傾向の進んでいない初犯の男性受刑者を中心に、およそ370人が収容されている。定員6人の共同室では、受刑者1人あたり90リットルまで日用品を持つことが許されている。番組によると、部屋の本棚には旅行に関する本が目につき、外の世界へのあこがれの表れではないかと伝えている。

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118年ぶりの転換

塀に閉ざされたこの世界は、去年、118年ぶりに大きな転換点を迎えた。刑務所の職員は、昨年6月1日付で懲役と禁錮が廃止され、拘禁刑に一本化されたと説明する。番組は拘禁刑の特徴を、単なる懲らしめではなく、更生と立ち直りに向けたプログラムにあるとまとめている。

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個々の特性に応じた作業

受刑者は入所直後に知能テストや性格検査を受け、必要に応じて医師の診察も受ける。刑務所はその結果をもとに、一人ひとりの特性に応じた作業内容を割り当てている。職員によると、高齢者に特化した課程や、知的障害・精神障害といった障害特性に特化した課程が設けられ、矯正処遇の課程は全部で24になった。取材の日は、しめ縄作りや洗濯ばさみの作業が行われていた。

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英会話の授業と「会話の経験」

受刑者が行うのは刑務作業だけではない。教室では、外部講師などを招いた簡単な英会話の指導が始まった。週3回、1回あたり1時間ほど続けられており、ねらいは出所後の円滑な社会復帰だという。

刑務作業や食事の時間は私語が禁止されている。一方、このプログラムの間は、受刑者同士が顔を合わせて会話することが認められている。担当者はその意図を次のように説明する。分からないことを質問したり、隣の人に安心して話しかけたりする経験を中で積み重ねれば、出所後の円滑な社会復帰につながるのではないか。英語の習得そのものに加えて、人と言葉を交わす経験を積むことも目的にしているという考えだ。

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再犯防止のグループワーク

もう一つ欠かせないのが、再犯防止に向けた指導である。番組は、受刑者の半分以上が出所後に再び犯罪に走ることが課題になっていると伝える。福井刑務所では、グループワークを通じて、受刑者に取るべき行動を考えさせている。

取材の日に示された場面はこうだ。仕事帰りに、過去に一緒に犯罪をした昔の友人に偶然声をかけられる。友人は「久しぶり」と言い、簡単に稼げるいいバイトがあるが人手が足りないので手伝ってほしい、と誘ってくる。受刑者たちは、このとき自分ならどう行動するかを話し合う。

参加した受刑者は、まず自分自身について考えたいと語った。そのうえで、配慮のある人間関係を築き、社会の中でうまく生活していきたい、二度と犯罪を犯さずにこれから生きていきたいと話している。

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問われるのはこれから

拘禁刑の導入をきっかけに、刑務所は懲らしめから立ち直りへとかじを切った。番組は、新たな刑罰の形が受刑者の心にどのような変化をもたらすのかという問いを残している。その答えはまだ出ておらず、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、塀の中の挑戦は続いている。