「老後2000万円」はあくまで試算 50代が自分で老後資金を計算するための考え方
日テレNEWS日本テレビ経済部長の大野伸氏が、50代の視点から経済を語る新シリーズ「大野部長のオトナ経済論」の初回である。聞き手は、3人の子どもを育てながら経済部で記者をしている山田舞子氏が務める。テーマは、かつて話題になった「老後2000万円問題」が今も目安になるのかという点だ。大野氏の答えは、役所の試算はあくまで試算であり、必要な老後資金は自分のライフプランから自分で計算するしかない、というものである。
団塊ジュニア世代の「お金の三重苦」
大野氏は53歳で、自身をいわゆる団塊ジュニア世代と位置づける。人口が多いので受験は競争が激しく、就職活動は超氷河期と呼ばれた時代だった。会社に入ってからも、さまざまな改革や成果主義の中を生きてきた世代だと振り返る。経済部の現場記者、デスク、解説、部長と歩んできたが、それ以外の部署も含めると、会社人生30年のうち26年ほどはお金に関わる仕事をしてきたという。
その大野氏によれば、50代男性は「不安しかない」。よく言われる「お金の三重苦」として、自分や親の介護・老後の費用、子どもの教育費、住宅ローンの三つを挙げ、これを同時に抱えている人が多いと見る。残りの会社人生も見えてくる年代で、まだ先だと思っていてもあっという間に迫ってくる、というのが大野氏の実感である。
父親にエンディングノートを頼んで怒られた話
家族の間でもお金の話がしにくいことを示す例として、大野氏は自分の体験を話した。すでに引退している父親の貯金がどこにどれだけあるのか、保険はどこに入っているのか、大野氏は何も知らなかった。そこで父親に「そろそろエンディングノートを書いておいてくれないか」と頼んだところ、父親は怒り、「俺に早く死んでほしいのか」と言われた。そうではない、先のことは分からないからだと説明すると、今度は「なぜ俺の遺産を気にしているのか」と言われたという。
大野氏はこの経験から、家族でもお金のことは口に出しにくく、人に言えないがどうしたらいいか分からないという悩みを抱えているのが50代なのではないかと述べた。山田氏は、親の世代は特にそうかもしれないと応じている。
2000万円は試算の前提ごと読む必要がある
山田氏は、2000万円を貯めておけばよいのかと尋ねた。大野氏はこれをはっきり否定する。この数字は金融庁が2019年にまとめた金融審議会市場ワーキング・グループの報告書に出てくるもので、高齢社会での資産形成・管理の課題を整理した分厚いリポートの中の一つの試算にすぎない、と大野氏は説明する。山田氏は、コロナ以前のかなり前の資料だと付け加えた。
試算の前提は、夫婦2人で暮らし、年金収入が月20万9000円、生活費が月26万3000円というものだ。毎月5万4000円が足りず、老後が30年あると合計で約2000万円不足する、という計算である。さらに、持ち家でローンを完済していること、健康であること、物価がそれほど上がっていない時代であることも前提になっていると大野氏は指摘する。
物価が上がり続け、健康でいられる保証もない今、この前提は「もう破綻している」と山田氏は言う。持ち家でローンを完済して健康でいるという条件については、2人は冗談まじりに「前世でだいぶ徳を積んだ方」の話だと評し、これ以上ない願いだと述べている。
前提に当てはまらない人が増えている
大野氏は、自分の世代そのものがこのモデルから外れやすいと見る。団塊ジュニアの時代は不景気で正規雇用に就けなかった人が多く、正規雇用でも退職金のない会社がある。山田氏は、自分も含めて周りで高齢出産が増えていると話し、子どもが自立している前提も崩れつつあると述べた。単身者の存在や、働き方が多様になって退職金の有無が変わってくる点も挙げている。大野氏も、自分の周りに独身の男性が何人もいるといい、そうした人たちが試算どおりになるとは思えないと語った。
ここで大野氏が「地上波ではなかなか言えないこと」として語ったのは、役所の試算はあくまで試算であり、数字が一人歩きしてはいけないということだ。テレビや新聞も、どういう前提の、どういう家庭の試算かはきちんと伝えている。それでも見出しだけが目立ってしまい、なかなか伝わらないことがあると大野氏は認める。
ほかにも、地方に住むか都市部に住むかで、同じ年齢で住宅ローンのない夫婦2人でもかかるお金は違う。何歳まで生きるかも予測できない。大野氏は、老後のお金が心配なのは「見えないから」だと言い、見えないものを無理に見ようとするのは難しいと述べる。
まず「出ていくお金」をライフプランとして書き出す
では、どうすればよいのか。大野氏が勧めるのは、今後の人生のライフプランを考えることである。
例として、大野氏は山田氏に、いいお酒を飲み続けたいかと尋ねた。山田氏は飲み続けたいと答え、大野氏も同じだと言う。こうした望みには大きな個人差がある。ただし、飲み続けるつもりでも肝臓を悪くすれば別のお金がかかるかもしれない。分からないことばかりだが、とりあえずやりたいことを書き出すことが大事だというのが大野氏の考えだ。
車も例に挙がった。いらない人もいれば、地方では手放すのが現実的でない人もいる。買い替えは高いが、カーシェアにすれば車検代はかからなくなる。こうしたことを今の段階で書き出してみると、意外とお金はかかるものだと大野氏は言う。仕事だけでなく趣味やプライベートも含めて書き出し、そうして初めて自分に必要なお金の試算になる、というのが大野氏の主張である。
自分だけで決められない支出:子ども、親、お墓
出ていくお金は自分の分だけでは済まない、と大野氏は続ける。子どもが結婚すれば親としてご祝儀を出さないわけにはいかない。豊かな時代の先輩には子どもに車を買ってあげる人もいたが、今はさすがに難しい金銭感覚の世代になっていると大野氏は見る。それでも、子どもが突然留学したいと言い出したらどうするか、といった子ども世代のことも一度考えておくべきだという。親が倒れたり介護が必要になったりした場合にいくらかかるかも同じである。
大野氏が実際に家族と議論したことがある話として挙げたのが、お墓の問題だ。高齢の世代には自宅のそばにお墓を持ちたがる人が多いが、子ども世代にとってはお墓参りが現実的に大変なこともある。納骨堂でよいのではないか、永代供養でよいのではないか。こうしたことは自分だけでは決められないと気づいた、と大野氏は語る。周りを巻き込んで考える必要があり、老後のお金が不安だと思い始めたときがすぐ動くときだという。
山田氏が「つまり、自分に必要なお金は自分で計算するしかない。若干身も蓋もない」とまとめると、大野氏はそれを認めた。自分のお金をどう使いたいかは自分にしか分からない。趣味に大金をかけないと生きがいがない人もいるし、年金生活になったからといって急に趣味をやめることはできない。大野氏は、お金はある意味で人間の欲望そのものだと言い、人生の価値観を試算することになるのだろうと述べた。
「入ってくるお金」を確かめる:ねんきん定期便、退職金、3階建て
出ていくお金と並んで大事なのは、自分にどれだけ収入が入ってくるかだ。大野氏は、これが見えていない人は若い人だけでなく自分の世代にも意外と多いと見ている。
まず確認するものとして挙げたのが、誕生月に届く「ねんきん定期便」である。はがきのようなもので届くが、山田氏は「来たような、来てないような」と笑う。大野氏によれば、ねんきん定期便は50歳未満と50歳以上で見込み額の前提が違い、50歳以上ではより現実味のある見込み額が示される。これで、仕事をやめた後の基礎的な収入がおおよそ分かる。
次に大きいのが、会社からどれだけ受け取れるかである。最近は転職する人が多く、勤続年数で退職金が決まる会社では金額が少なくなることもあるので、個人で確認する必要があると大野氏は言う。企業独自の年金や401Kのように自分で管理する制度がある会社もある。大野氏は、国民年金という基礎部分の上に厚生年金などがあり、さらにその上に企業独自のものや積み立てがある「3階建て」の構造だと説明した。
これに加えて、個人で入っている年金保険、貯金、株や有価証券などの投資、さらには家賃収入まで丁寧に洗い出すと、老後に入ってくるお金が見えてくる。そうすれば、金融庁の2000万円のモデルケースに当てはまるのか、それ以上にかかるのかを計算できるようになる。逆に、地方で親の家に住むなどお金のかからない暮らし方をする人なら、今のお金で大丈夫だと分かるかもしれない、と大野氏は付け加えた。
足りない場合:長く働く、年金の受け取り時期を考える
計算しても足りない場合はどうするか。大野氏はこれを「一番大変なケース」としたうえで、健康であることが前提だが、働き続けるのが一つの生き方になると述べた。高齢でも働き続けられる人は非常に増えている。
働き続けることを否定的に受け止める人が多いが、働き方はいろいろあると大野氏は言う。たとえば足りない5万円を補うために、マンションの清掃などで何日か働く。それが生きがいになったり、若さや健康の秘訣になったりする人もいる。来年定年なのにお金が足りないという場合に考えられる方法だという。
年金の受け取り時期についても触れた。大野氏の説明は言い直しを含んで混乱している部分があるが、要点は、年金は受け取り時期を選べるということ、そして70歳まで繰り下げると本来の額の4割ほど増額されるということだ。山田氏が長生きを前提にした選択だと補足すると、大野氏は、70歳までなら元気に仕事ができるだろうし、その後は増えた年金で不足分を補うという選択肢もあり得るのではないかと述べた。
今すぐできること:固定費を削って積み立て投資へ
とはいえ、どこまで働けるかに保証はない。今50代がやるべきことは何か。大野氏は「身も蓋もない」と前置きしつつ、固定費の見直しを挙げた。何となく払い続けているサブスク、払い続けるタイプの保険かどうか、光熱費のプランなどを地道に削れば、月5000円ほどは浮かせられるのではないかと大野氏は見積もる。年間で6万円になる。
浮いたお金の使い道として大野氏が挙げたのが投資だ。リスクはあると断ったうえで、iDeCoについては掛金が所得控除になって節税効果があるので、働いているうちに掛けることで今の時点でも恩恵があると説明した。新NISAでは非課税で保有できるものがある。こうしたコツコツとした積み立ては一つの方法だと大野氏は言う。
さらに、現状では株価がかなり上がってきているので、こういう時期には少しアグレッシブな投資をしてみる考え方もあると述べた。ただしリスクがあるので、分散することや、リスクの少しでも小さいものを選ぶことなど、考え方次第で自分で調べる必要があるとも付け加えている。50代が能動的に動かないと、足りない場合に困ることになるのではないか、というのが大野氏の見方である。
最初の一歩の不安とプロへの相談、そして「黙り込まない」
山田氏は、投資や運用は最初の一歩を踏み出すのが難しいのではないかと尋ねた。大野氏は、金融知識に自信がない人ほどそこが不安になると認める。番組でもiDeCoなどの具体策を取り上げていくとしたうえで、証券会社の窓口やファイナンシャルプランナーなどプロに相談するのも大事だと述べた。ただし悪い人もいるので、だまされないようにきちんとした相手に相談し、シミュレーションしてもらうことが必要だという。
大野氏が何よりよくないと強調したのは、お金のことで「黙り込む」ことだ。家族にも言わないことがある。日本人はお金の話を下世話なものと考える人が多いという印象があり、そこは変えていかなければならないと大野氏は言う。若い人には投資教育が盛んに行われ始めており、山田氏も中高生からの取り組みがあると応じた。高齢化が進み、インフレの社会になる中で、お金を自分で増やして大切に考えていくことが必要になると大野氏は述べた。
最後に健康:飲み代の節約という「痛いところ」
締めくくりに山田氏が「最後に身も蓋もないことを言うと、健康が一番」と言うと、大野氏も同意した。飲み食いを減らす、いいお酒を飲みすぎない、運動するといった話になり、山田氏は飲み代の節約は大事な課題で、浮いた分を投資に回せばよいと突っ込む。大野氏は、飲んで話してすっきりするというメンタルの健康も大事だと「言い訳」して笑いを誘いつつ、50代は健康あってのマネーライフだと認めた。
今後のテーマ:為替、新しい消費、AI
番組は手作りで本音を話していく方針だと大野氏は語り、視聴者にコメントで聞きたいことを寄せてほしいと呼びかけた。今後のテーマとして大野氏が挙げたのは、iDeCo、NISA、株価、為替である。為替についてはドル円ばかりがニュースになりやすいが、たとえば日本人に人気の旅行先の通貨が今どうなっているか、円安の中でどこなら比較的円が強いか、といった掘り下げ方があるという。山田氏は、老後の話はどうしても後ろ向きになりがちなので、旅行のような前向きな話題はいいと応じた。
大野氏自身の関心としては、タイムシェア型の別荘のような新しい消費のトレンド、海外不動産などの投資分野の仕組みも挙げた。さらに、自分たちの世代は正直AIに弱く、パソコンも分からないと認めたうえで、ゲストを呼んで、AIは危ないと言われるが実際どうなのか、50代がどう使いこなすのかといった話もしたいと述べ、初回を終えた。
さて、今回が初回となります。「大野部長のオトナ経済論、地上波では放送できない経済」をお送りいたします。司会は私、経済部、山田と申します。3人の幼子を育てながら、経済部の端っこで記者をしております。
私が全国のおじさん代表、経済部長をしています大野と言います。私、53歳。いわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代なんですよね。なかなか団塊ジュニア、大変なんですよ。受験は人口的に多いじゃないですか。就活は超氷河期と言われた時代で、会社、給与改革だ、なんだ、いろんな改革の中で、成果主義の中で、今に至ってきたというわけですね。
こんな団塊ジュニア、大変だなという思いをして生きていらっしゃる視聴者、リスナーの方、いらっしゃると思うんですけど、賢くお金とは付き合っていかないと、残りの人生、おじさん大変なんで、そういうヒントになるような話とか、先ほどありましたけれども、テレビではなかなか言えない、地上波では言えないことを、どれだけ本音に迫って、皆さんに経済の魅力や生きる術を伝えていけるのかなと。そんなことを頑張りたいと思っています。
大野部長も経済部が長いということで。
そうですね。経済部の現場の記者、デスク、解説、副次長、そして部長と来てるわけですけど、実はこの会社人生30年のうち、経済部以外にもお金に関わる、IR部長だったりとか、そういういろんなお金を使う側だったり、稼ぐ側だったり、はたまた投資家だったり、様々な面で30年のうち多分26年ぐらいはお金に関わる仕事をしてきたなというふうに思っています。
日本テレビで金が絡むところはありと。そんな大野さん世代のお金の悩みっていうと、どんなものがありますか?
もうね、50代おじさん、大変ですよ。不安しか正直言ってないですよ。お金の三重苦って言われる言葉がありましてね。この介護、老後の費用。これ自分自身もそうだし、親のことも関わってくる方いるじゃないですか。一方で教育費がかかるわけですよ。さらに住宅ローンですね。本当にこの3つが重なってる人が多いと思うんですね。
でももう50代、残りの会社人生だったり、どんどんお尻も見えてくるわけですよね。自分、まだ少し先だなと思ってらっしゃる方もいるかもしれないんですが、本当にあっという間に迫ってくるものがあるということを思いますね。
例えば私なんかもそうなんですけど、親はもう、とっくに仕事を引退してるわけじゃないですか。そういう中で、ある時、親父にエンディングノートを書いてくれって言ったわけですよ。
この先、亡くなった時にどうするかという。
そうですね。もう貯金のありかも知らない。金額も知らない。保険、どこに入ってるのかも知らない。それで親父に、そろそろエンディングノート書いといてくれないかって頼んだら、親父が怒りましたね。
怒る。
ええ。「お前はなんだ、俺に早く死んでほしいのか」と。
ああ、そう取っちゃったんですね。なるほど。
言うわけです。いや、そうじゃないと。この先わかんないから、みたいな話をしたわけですよ。ただ、次に言われたのは、「お前、なんだ、俺の遺産、当てにしてんのか」って言われましてね。これ、なかなか険悪になった経験があるんですよね。でも本当に、そのぐらいお金のことって、多分家族でもあんまり言えないことっていうのはあるんでしょうし。
お父様世代は特にそうかもしれないですね。
なんでしょうね。でも、それ、人に言えないけどどうしたらいいんだろう、みたいな、こういう悩みを抱えている。それも50代かな、なんていうことを思ってますね。
そうですね。ひとまずは老後に、金融庁が以前、足りないというふうに発表しました、2000万円問題というのがありましたけれども、これ2000万円、とりあえず貯めとけばいいって、そういうことなんですか?
いや、全くそうではなくて、実はここに分厚いリポートが出ていて、これ金融庁が2019年に行ったものでしてね。金融審議会市場ワーキング報告書というところの中で、高齢社会における資産形成・管理、どうすればいいんだ、どういう課題があるんだということを、色分けして書いているんですが、その中に出てくる試算に、2000万円という数字が出てくるんですよ。
19年、だいぶ前ですね。コロナの前ですね。
そうです。しかも、あくまでも試算なので、そこをしっかり読み解く必要があるだろうと思ってますね。
この試算の前提としては、夫婦2人で生活をして、年金収入が20万9000円。それに対して生活費が26万3000円ですよという試算なんですね。だから毎月5万4000円足りないでしょうと。それが30年、老後があるとして、合計すると2000万円不足しますよという試算なんですね。もっと言えば、持ち家があって、完済してる前提。しかも健康である前提。さらに物価もそう上がっていない時代だったわけですよ。
なんと、もう破綻してますね。
もう今、物価どんどん上がってるじゃないですか。
誰か止めてくれっていう。
本当にそうなんですよ。その上、自分が健康でいるっていう前提なんて見えないじゃないですか。
前世でだいぶ徳を積んだ方の。持ち家で、完済して、健康である。これ以上ない願いですね。
そうですね。だからもうそこの段階で、あくまでも試算は試算。もっと言えば、私の団塊ジュニアなんていうのは、正規雇用に就けない人も、不景気だったんで非常に多かったですよ。正規雇用に就いたとしても、退職金がない会社とか、そういう会社もあるわけです。もっと言えば、高齢出産の方も増えてますし。
そうですね。これ、夫婦2人で生活しているという前提ですけれども、今、私も子育てしている中で、周りも、私も含めて高齢出産の人間も増えてきてますし、この世代、大野さんの世代でいらしても、子供が自立してる前提というのも、もはや破綻をしてきているかなというふうに思ってますし。また単身者の方だったりとか、働き方も今、多様化していて、退職金のありなしみたいなところも変わってくるかなと思うんですが。
そうですね。私の周りだって独身っていう男性は何人かやっぱりいますよ。そうなると、もうこの試算どおりなんかとてもいかないと思うんですね。つまり、なかなかこれ、地上波では言えないことだと思うんですけど、役所の試算というのは、あくまでも試算であるということですね。数字が一人歩きしちゃいけない。じゃあ自分がどうなんだっていうことを、ちゃんと確認する。
そこが生きる上で、私は必要なことだと思っていて、どうしても地上波のニュースとか、新聞もそうかもしれないですけど、見出しだけが踊ってしまうことっていうのがあって、丁寧に、もちろん試算ですよとか、こういう仮定ですよってことはきちんと書いたり言ったりしているんですが、やはりなかなか伝わらないっていうことはあるんだろうと思うわけですよね。
あとは、やはり地方に住んでるのか、都市部に住んでるのか。そこによっても、かかるお金っていうのは、同じ年齢で仮に夫婦2人で住宅ローンがないとしても、また違う。こういうことがあると思うんですね。
物価もありますしね。
そうですね。あとは、何歳まで生きるかとかいうことも予測がつかない。老後っていうのは、なんでお金が心配なのか、見えないからなんですよね。その見えないものを無理やり見るようにすることって、なかなか難しい。どうすればいいんだろうっていう話になると思うんですよね。これ私、お勧めしているのは、ぜひライフプランを考えてほしいなと思うんですよ。
今後の人生の、ということですかね。
はい。例えばですよ、山田さんが、いいお酒をたくさん飲み続けたいのか、それとも。
飲み続けたいです。
飲み続けたいじゃないですか。
そういうのって、すごい個人差ありますよね。
私もそうですよ。やっぱり好きなお酒を飲み続けたい。でもそれ、飲もう飲もうと思っても、突然、肝臓が故障してしまうかもしれない。そしたら違うお金がかかっちゃうかもしれない。やっぱりわかんないことばっかですけど、とりあえずやりたいことを何か書き出すって大事で。
車なんかもそうじゃないですか。いらない人もいれば、でも逆に、地方の人だと車を手放すってことは現実的じゃないかもしれないですよね。でも、車を買い換えるお金は高い。じゃあそれを、例えばカーシェアとか今ありますよね。カーシェアにすることによって、車検代はかからなくなるじゃないですか。こういうことっていうのを、今思ってる段階で書き出してみると、意外とお金ってかかるなと思いますよ。
それ、お仕事だけではなく、趣味であったりプライベートも含めてということですよね。
そう。それをして初めて、自分の必要なお金の試算になると思うんです。だから、まず出ていくものっていうのを、きちんと考えるっていうことなんでしょうね。そこが第一段階になると思いますし、出ていくものっていう前提で言えばですよ、自分だけで済まなくなるんですよ。
そうですね。ご家族のこと、親のこと。
そうです。山田さんの場合だって、お子さんが例えば結婚する。そしたら、親としてご祝儀出さないわけにもいかなかったりするでしょうし、私の諸先輩なんか、まだ豊かな時代の人であれば、お子さんに車買ってあげるなんていう年代の方もいましたよね。さすがにこれ、もう無理なんだろうなと思う金銭感覚の世代になってると思うんですけど。でも、とはいえ、子供が突然留学したいって言ったらどうなるんだろうとか、やっぱりそういう子供世代のことも含めて、お金を1回考えてみる。
親もそうですね。万が一、倒れたり介護になったりするようなことがあれば、どれだけお金がかかるんだろうとか。あと、これも私、実際に議論したことがある話なんですが、お墓代。なぜかわかんないですけど、結構、高齢世代の方って、自分の家のそばにお墓を持ちたがる方、多いんですよね。
そうですね。世代的に。
でも子供世代って、やっぱりなかなか、お墓参り、現実的に大変だよ、みたいなのもあるじゃないですか。
そうですね。お墓もいろんな形が出てきてますし、変わってきましたし。
じゃあ納骨堂でいいんじゃないのとか、もっと言えば、永代供養みたいなものでいいんじゃないかとか。そういうことって、自分だけで意外と決められないこともあるなと思ったわけですよ。
そうですね。
周りを巻き込んで考えていくとかね。こういうことを、老後にお金が不安だなと思い始めた時が、すぐ動く時だと思いますね。ぜひライフイベント試算というのを、ここでやってみると。
つまり言ってしまえば、ご自身が必要だと思うお金は、自分で計算するしかないと。なるほど。若干、身も蓋もない。
そうです。そうなんですが、やっぱり自分のお金は自分しかわかんないですよ。
そうですね。
どういうふうに使いたいのか。趣味だってそうじゃないですか。すんごい趣味にお金をかけなきゃ生きがいがない人だっているし。じゃあ急に、もう年金生活になりました、趣味やめますとか、やっぱり人間できないと思うんですよ。
なるほど。
これも経済の面白いところで、お金っていうのは人間の欲望そのものだと、ある意味思いますよ。だからその欲望とか、欲望って言うと言い方が悪いのかな、価値観ですよね。人生の価値観っていうのを、きちんと試算するということになるんでしょうね。
なるほど。具体的に、どういうふうに計算をすればいいのか、ちょっと教えていただき。
そうですね。先ほどお伝えしたような、出ていくものの試算とともに大事なのは、自分にどれだけ収入が入ってくるんだろうかということだと思いますね。そこがなかなか、多分若い人、私世代でも見えていない方っていうのは、意外と多いんじゃないかなと思うんですね。
なんとなく皆さん見てらっしゃるのかもしれませんが、誕生月に、ねんきん定期便っていうのが来ます。
ねんきん定期便。
ペラッとした、はがきみたいなので来たりするんですけど。
来たような、来てないような。
そうですよね。これがまた50歳以下と50歳以上で、実は見込みの前提っていうのが違うんですよ。
なるほど。
そこもちょっと大事なんですけど、50歳以上になると、もうその先がだいぶ見えてくるじゃないですか。だからやっぱり、より現実感のある年金見込額というのになってると思うんですね。そこで、大体年金が自分はどのぐらいもらえるんだろうかというのが、1つわかりますね。それは仕事を辞めた後の基礎的な収入ということが言えると思うんですね。
あと、やはり大きいのは、ご自身が会社でどのぐらいもらえるのかというようなこと。これなんか、最近、転職される方も多いじゃないですか。転職してたりすると、退職金は年数による会社の場合は少なかったりとかいうこともあるわけですね。だから、これもやっぱり個人で確認しなければいけないことだと思いますね。さらに、企業が独自に行ってる年金がある会社もあります。
401kとか、こういう自分で管理しなさいよという制度のもとに、その、よく3階建て部分と言うんですけど、国民年金という基本的な部分があって、そのさらに上に厚生年金とか、そういうものがあって、その上に企業独自だったり、積み立てていたりするようなものがあるというような制度で。個人自身で、会社ではなくて年金保険に入っていたりとか、貯金もそうですね。あとは投資、株とか有価証券とか、そういうものを持ってるのかどうか。
はたまた家賃収入があるなんていう、私からすれば羨ましい方もいらっしゃるかもしれませんし。こういったものを、かなり丁寧に読み解いていくと、やはり自分の老後のお金っていう、入ってくるものが見えてくるだろうと思いますね。そうすると出入りが計算できるようになるわけですよ。
それで、いわゆる金融庁が一時、試算を出した2000万円と言われるようなモデルケースに当てはまるのか、それとももっとたくさんお金がかかるのか。でも考え方によっては、地方で元々あった親御さんの家で暮らすとか、お金がかからないライフスタイルを実現される方もいると思いますね。そうしたら、今のお金で大丈夫だなということになるかもしれませんしね。
なるほど。一生懸命計算した結果、どうにもこうにもこれ足りないなというふうになった場合は。
これね、一番大変なケースになるわけですが、1つは、これも健康あってですけど、今、高齢者で働き続けることができる方というのは非常に増えてますね。
そうですね。課題にもなってますね。
だからやはり、働き続けるということは、1つの生き方になってくるんだろうと思いますね。でもそれって、すごくネガティブに捉える方が多いんですけど、働き方があるじゃないですか。足りない部分の、例えば5万円を、例えばマンションのお掃除をするとか、そういうことによって何日か出て、補おうという発想。それがまた生きがいになったり、若さの秘訣みたいな、健康の秘訣みたいなことになる方もいらっしゃいますからね。
こうやって自分で稼いでいくということも1つ、本当にもう来年、例えば定年だ、でもお金こんな足りないっていう場合には、考えるっていう手法はあるんだろうと思いますね。
なるほど。そうすると年金とかはどうなるんですか、働いてる場合。
これも働き方によったり、年金をすぐ受給するのか、繰り延べと言ってですね、先にもらいますよということを選択することもできるわけですね。この年金をもらう時期を先にすると、結構な割り増しがあるんですよね。今、実は年金を70歳まで繰り下げすると。
もらう時期ってことですね。
そうですね。4割ほど割り増しをして、本来もらえる額の4割ぐらい割り増しをしてもらえることになるわけですね。
長生き前提っていうことですね。
そうですね。でも70歳までだったら、元気に仕事できるだろう。そこから先は割り増ししてもらえば、そのさっきの話、足し算が補えるとかね。こういう選択肢っていうのもあり得るんじゃないかと思いますね。
なるほど。そういうことなんですね。とはいえ、どこまで働けるのか不安だという、保証がないっていう前提で言うと、今50代の方々、今しなくてはいけないことというと、どんなことが。
そうですね。これも身も蓋もないと言われるかもしれませんが、やっぱり固定費ね。固定費って大きいんですよ。なんとなく無駄に払い続けているサブスクとか、あるんじゃないかなと思うんですよ。逆に保険もそうですね。ずっと払い続ける保険なのか、そうじゃないのかとか。あとは光熱費のプランとか、いろいろ地道にお金を削っていくと、多分月に5000円ぐらいは。
5000円って大きいですよね。
捻出できるんじゃないか。
そう、5000円って大きいんですもん。年間6万円ですからね。
そうなんですよね。そういうものをうまく作り出して、投資っていうのはもちろんリスクもあるんですが、iDeCoという運用の仕方があります。これはいろんなメリットがあって、掛金が所得控除になったり、節税効果があったりするわけですよ。そうすると働いてるうちにかけることによって、今の優遇もあるということになりますね。新NISAでは非課税で保有できるものもあったりします。こうしたコツコツ投資をしていくということは、1つの方法だと思いますね。
なるほど。月5000円浮かせるだけじゃなくて、その5000円をさらに運用だったり投資に回していくっていうことですね。
そうですね。現状で言えば、株価は結構上がってきているわけですよ。そういう時期には、ちょっとアグレッシブな投資をしてみるという手もあると思いますね。もちろんリスクはありますから、分散するとか、そこも非常に考え方によるとは思いますね。なんていうんですかね、保証されたもので、リスクが少しでもいいものを選んでいくとか。ちょっと自分で調べなければいけないんですが、今そうやって50代が能動的に動いていかないと、備えとして足りない場合には困ってしまうということになるんじゃないか。そんなことを思いますね。
ぼーっとしてちゃいけないってことですね。
そうですね。
最初の一歩を踏み出す。投資だったり運用だったりっていうのも、最初の一歩を踏み出すのが結構難しいかなっていうふうに私は思うんですけれども。
そうなんです。金融知識に自信がない人っていうのは、そこが逆に不安だということを言われると思うんですが。なので、そのためにちゃんとした。
この番組が。
もちろんそうですよね。この番組でもいろいろな解決策、具体的なこと、例えばさっきiDeCoなんて言いましたけど、iDeCoだけでも喋ればかなりの分数になると思うんで、そういった道しるべもどんどん出していきたいと思いますが、プロにぜひ相談されるっていうのも大事なことで。証券会社とか、そういう窓口がありますから、ファイナンシャルプランナーみたいな人がいたりもします。
ただ、もちろん悪い人もいますからね。騙されないように、きちんとした方に相談をしたり、シミュレーションをしてもらう。こういうことも必要にはなってくるんだろうと思いますね。何よりもお金のことって、本当、黙り込んでいくのが一番良くなくて。
黙り込む。
そうなんです。家族にも言わないとかあるじゃないですか。日本人って、お金の話をするって、なんか下世話なことのように思ってらっしゃる方が多いなという印象があって。でもそこはだんだん変えていかなきゃいけないと思うんです。だから若い人にとっては、今、投資教育とか、そういうことも盛んにしようとしていて。
そうですね。中高生からとかっていうのありますね、今。
そうですね。やっぱりお金をきちんと自分で増やして、大切に考えていくっていうことは、高齢化社会、まして今、インフレ社会になる中で必要になってくるんだろうと。そんなようなことは思うところでありますね。
なるほど。本当に最後にもう1回、身も蓋もないこと言っちゃうんですけども、やっぱり健康が一番っていう。
本当です。健康、大事です。
ですね。健康になる。飲み食いを減らす。
なかなか痛いところを突かれますけどね。本当。
あまり飲みすぎない。
そうですよね。運動する。
運動するね。
そうですね。飲み代の節約は大事な課題かもしれません。
そうですね。そこが一番ですね。それを投資に回すと。でも、飲んでさっぱり喋って、このメンタルの健康も大事ですからね。なんていう言い訳をしていますけれども。
すごい守ってきますね。
いや、本当に。でも50代、健康あってのマネーライフっていうのは、もちろんそのとおりだと思いますね。これ本当の大人経済学っていうのはね。大人経済学って、オトナ経済論。今、ディレクターからのツッコミが入りましたけど、結構手作りで本音で喋ってますから。
なかなか、まだ至らないところたくさんあると思うんですけど、結構あけすけにどんどん話していきたいと思いますし、だからこそ、この地上波で言えない価値、こんなものが生み出していければなと思ってますので。まだまだこの番組、続いていきますからね。ぜひどんどん聞いていただきたいなと思っております。
そうですね。今後なんですけど、今日初回ということで、今後、もちろん皆さんからも、どんなことを部長に聞いていきたいのか、地上波で流せないようなこと、いろんなこと、聞いていきたいことをぜひコメントの方でいただけましたら、こちらの方でお答えできていければなというふうに思うんですけども。大野部長的には、どういった展望で、どういったテーマが。
そうですね。今後、おじさんがお金に困らず、豊かな老後につながるようなヒントとは思ってますが、テーマ、たくさんあると思うんです。例えばiDeCoもありましたし、NISAもありましたよね。株価、為替なんてことも気になるでしょう。その時に話題になってることを1つ、できるだけ深掘りをして。
為替であれば、どうしてもニュースになりやすいのはドル円だったりすると思うんですけど、例えば、日本人の人気旅行先の今、通貨どうなってるとかね。円安、円安、大変ですけど、その中でどこに行けば比較的、円の力が強いのかとかね。為替をとっても掘り方ってたくさんあると思いますね。そういうことはなかなか、本当地上波で話せないことだと思うので、そういうテーマを掘り下げていきたいと思います。
旅行いいですね。前向きでいいです。これ、老後の話だとなんとなくちょっと後ろ向きになっちゃうんで、なるべく前向きな明るい話題をいただけると。
そうですね。そういう話もしたいと思いますしね。あとは私の関心で言えば、やっぱり今、タイムシェアみたいな別荘だったり、そういうものも増えていたりしますし、ちょっと新しいトレンドの消費みたいなこともあると思いますよ。そういう話題も、どういう仕組みになってるのかとか、わかりにくいこと多いと思いますし、投資1つとっても、海外不動産なんてことを言う人もいますよね。そういう分野、どうなってるんだろうとかね。
あとはゲストを呼んで、AIとか。正直おじさん、AI弱いじゃないですか。本当パソコンもわかんないんですけど。そういったことを何か、AI危ないとかいろいろ言われてますけど、どうなんですか、みたいな話をしても面白いと思います。
AI。
そうなんです。おじさんがどう使いこなすのか、そんなこともテーマになっていくのかなとか、本当に話したいことがたくさんあるんですけど、寄せられたご意見に基づいたこともどんどんやっていくつもりでおります。
なのでコメントの方に、どういったことを聞きたいか、ぜひ書いていただければと思います。
じゃあ初回、こんなところでありますが、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
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