井林国交相会見:海保の石垣視察、トラック「適正原価制度」への業界要望、簗農水相の問い合わせ記録をめぐる質疑

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概要

閣議後の記者会見で、井林国土交通大臣は、海上保安庁の石垣の拠点を視察した報告を冒頭に行った。質疑では、新聞・出版業界から要望が出ている「適正原価制度」の扱いと、簗農林水産大臣が国交省側と面談した際の記録の有無が取り上げられた。とくに後者では、記録が「作成されていない」という説明の意味をめぐって、記者と大臣のやり取りが続いた。

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尖閣周辺の警備現場と石垣の拠点を視察

井林大臣はまず、本日の閣議案件で自身から特に報告するものはないと述べた。そのうえで、尖閣諸島周辺海域をはじめ、領海警備の最前線である石垣海上保安部と石垣航空基地を視察したことを報告した。

視察の目的について大臣は、海上保安庁を所管する国土交通大臣として、就任以来、一刻も早く領海警備の現場を確認し、最前線で任務にあたる職員を激励したいと考えていたと説明した。現地では巡視船の乗組員から領海警備の現状について説明を受け、職員が高い緊張感を持って日本の領土・領海を守っていることを確認したという。

大臣は、海上保安庁が人材確保などの新たな課題に直面していると指摘した。人材の確保と育成だけでなく、職場環境の改善や処遇の向上が不可欠だという。今回は職員と家族の生活を支える基盤である宿舎も視察し、老朽化した宿舎の整備を計画的に進める必要があると強く認識したと述べた。

海上保安庁は、巡視船などの増強・更新、職場環境の改善、処遇の向上を進め、強靱で持続的な体制を確立しようとしている。大臣は、今回の視察を通じて、国民の安全・安心の確保に向けてこれらの取り組みを確実に進める必要があると改めて実感したと語った。詳細は事務方に問い合わせてほしいとした。

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新聞・出版業界からの要望と適正原価制度

最初の質問は、トラック運送の「適正原価制度」についてだった。記者は、新聞・出版の業界団体が制度の導入をめぐって要望する予定があったことに触れ、その状況を尋ねた。

大臣によると、8日木曜日に新聞・出版関係の業界団体から、大臣宛てに制度設計や運用に関する要望を受けた。大臣は制度の位置づけを次のように説明した。適正原価制度は、いわゆるトラック適正化二法に基づいて導入される。目的は、国民生活や経済活動の基盤である物流の持続可能性を確保し、トラックドライバーの処遇改善などを図ることにある。新聞・出版関係の業界団体からも、この目的には賛同を得ているという。

そのうえで大臣は、この制度が議員立法で制定され、令和10年6月までに施行することになっている点を挙げた。そのため、法律上の猶予期間を設けるのは難しいとの考えを示した。一方で、制度の施行まで約2年あり、さらにトラック事業者がこの制度を前提とした事業許可の更新申請を始めるまでに2年あるとも説明した。大臣は、この期間を有効に使って運賃交渉など制度への対応を進めてほしいと求めた。

国交省としても、当該分野での制度の段階的な導入を検討していると大臣は述べた。いずれにしても、荷主を含む幅広い関係者の意見を丁寧に聞き、関係省庁と連携しながら適切に制度設計を進めていくとした。

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簗農水相の問い合わせをめぐる記録の有無

次の記者は、簗農水相の件を取り上げた。2月中旬、簗氏と国交省側の当時の担当者(字幕では「当時の長さん」と聞こえる)が2回面談した。その際の記録について、事務方による記者向けの説明では「細かなメモは作っていない」という趣旨の発言が3回ほど繰り返されていた。記者は、この言い方を裏返せば、大まかな内容や道路の名前などについて何らかのメモが残っている、または作られていたということなのか、それとも1枚も1文字も作っていないのかと質した。

大臣はまず前提として、議員からの各種問い合わせについては、内閣の「行政文書の管理に関するガイドライン」を踏まえて記録が必要かどうかを判断し、必要に応じて記録を作成していると説明した。本件は記録の作成を要しない場合にあたるため、記録は作成されていない。担当部局が「細かいメモはない」と説明したのはこのことを指しており、記録自体が作成されていないことを述べたもので、何らかの記録が作られていたという意味ではないと報告を受けている、と大臣は述べた。今後も関係法令に沿って、記録の作成などを適切に判断していくとした。

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「公式・非公式を問わずメモはないのか」という追及

記者はさらに確認を求めた。公式の文書としては残していなくても、忘れないように道路の名前を書き留めるといった非公式のメモはありえるのではないか、という問いである。大臣は「繰り返しになりますが、記録自体が作成されていないということ」と答えた。記者が公式・非公式に関わらず実際にメモも取っていないのかと重ねて聞いても、大臣は記録自体が作成されていないと繰り返した。

記者は、細かい道路の名前などは覚えきれないはずだとして、どの議員からの問い合わせか、何年度の予算についてかといったことも一切メモせず、すべて頭の中で覚えて対応したということでよいのかと尋ねた。これに対し大臣は、問い合わせの対象は道路の名称ではなく市であり、その自治体の名前は忘れないように覚えて帰ってきたと報告を受けていると答えた。

記者が「つまり記録はないということか」と確かめると、大臣は改めて記録自体は作成されていないと述べた。記者は、この件について開示請求をしていると伝え、文書の存在については請求の手続きを通じて確認していく姿勢を示して質疑を終えた。