芦田愛菜と高橋文哉が語る『南田南弁護士は天才肌』の役づくりと、互いに贈った「努力の天才肌」という言葉
oriconカンテレ・フジテレビ系ドラマ『南田南弁護士は天才肌』の制作発表会で、主人公・南田南を演じる芦田愛菜と、南をそばで支える港を演じる高橋文哉が、撮影開始から約2か月の手応えを語った。話題の中心は、感情を表に出すのが苦手な弁護士・南をどう表現するか、港の「優しさ」をどう形にするかという役づくりである。後半では、初共演の2人が互いを「努力の天才肌」と評し合い、共演の細田佳央太も芦田の仕事ぶりへの思いを明かした。
現場の空気と、法廷シーンで感じた成長
芦田は冒頭のあいさつで、キャストが毎日温かく迎えてくれるおかげで「幸せで穏やかで楽しい現場」になっていると話し、その雰囲気も含めて作品の魅力を届けたいと述べた。
撮影開始から2か月がたった現在の心境を問われると、芦田は、クランクイン前から考えてきた「南の根底にあるもの」は変わらずに保てていると答えた。そのうえで手応えを感じているのが法廷シーンだという。芦田によれば、この作品はほぼ毎回のように法廷シーンがある。第1話の法廷シーンでは芦田自身も南も緊張していたが、回を重ねるうちに、意識したわけではないのに南が堂々と振る舞えるようになってきた。芦田はこれを、役として成長できた部分なのかもしれないと捉えている。
硬いセリフの中にどう感情を通わせるか
南はこれまで芦田が演じてきた役とは違う一面を持つキャラクターだと司会者に指摘され、芦田は最も悩んだ点として、南の魅力をどこで見せるか、特に話し方の節回しを挙げた。法律用語や訴訟に関するセリフは事実を述べる内容のため、文字で読むと硬く、感情を乗せにくい。しかし南の中には感情がしっかりあり、ただそれを伝えるのが苦手な人物である。その感情の機微をどう表すかに悩んでいた。
手がかりになったのが、第1話で父親(角田晃広)が口にする「南には南の世界がちゃんとあるんだと思った」という趣旨のセリフだった。芦田はこの言葉から、南の世界をまず自分の中で確立し、それが周囲の人々の世界と交わっていくように考えればよいと気づいたという。現在はその考え方で演じていると話した。
弁護士役は芦田にとって初めてである。長いセリフについて聞かれると、法廷セットに入ると強い緊張感があると認めたうえで、その緊張感は生かしつつ、ほかのセリフ以上に何度も繰り返し口にして硬さを和らげ、南として法廷に立てるよう準備していると説明した。
高橋文哉が見た南の「いい意味での隙」
港は南の力になり、優しさをもって南と向き合っていく人物である。高橋は、「優しさ」は大きな枠組みであり、港が持つ優しさとは具体的に何なのかをずっと考えていたという。クランクインして芦田の演じる南に初めて接したとき、高橋は南に「いい意味で隙がある」と感じた。
高橋はその隙を、役柄やキャラクター性から来るものだとしたうえで、芦田が「南ならこうするのか」「南の中にはこういうものがあるのか」と探求しながら作り上げたものだと受け止めている。芦田が直前に語った「南には南の世界がある」という話を聞き、自分の中で腑に落ちたとも話した。高橋によれば、現場で芦田の南と向き合うと、港としての感情が自然に引き出される経験を撮影中に何度もしている。港を作っているのは自分だが、その自分を一番近くで支えてくれているのは芦田だ、と高橋は述べた。
港の優しさを「言葉遣い」で表す
港を演じるうえで大切にしていることを問われ、高橋は改めて「優しさとは何か」を挙げた。港は気配りや目配りができ、相手を思いやる気持ちを強く持った人物で、そこが一番の魅力だという。その優しさを、南に対してはどう向けるのが南のためになるのか、南以外の弁護士たちに対してはどう向き合うのがよいのか。港自身が考えているのと同じように、高橋も台本を読みながら考えている。そうして見つけたポイントを、「必殺技」や「隠し技」のように少しずつ出していくのが楽しいと話した。
高橋が特に重点を置いているのが言葉遣いである。本作はリメイク作品であり、高橋は日本語を「世界で一番難しいといわれる言語」と表現したうえで、その日本語を使って作品の魅力を引き出したいと語った。接続詞や語尾などを、誰とのシーンでも、どう言えば相手への敬意が伝わるか、あるいは親しみが出るかを自分なりに考えている。言葉によって港を表現できているのではないか、というのが高橋自身の見立てである。
芦田から見た高橋——南を「待ってくれる」相手
芦田は、南が港から受け取るものは多いと話した。高橋はいつも南を待ち、よく見たうえでアクションを起こしてくれるため、南として安心感を覚えるという。そのやり取りの中で南が形作られていく部分もある、と芦田は述べた。
さらに芦田は、高橋が一つひとつのシーンを大切にしている点にも触れた。慌ただしい撮影の中で流されそうになる瞬間があっても、高橋がプロデューサーや監督と役やシーンについて話し合う姿を見ると、大事なことを忘れずにやらなければと引き止めてもらえる感覚になる。そのことに感謝していると話した。
高橋文哉「我らが芦田愛菜は努力の天才肌」
話題が締めくくられかけたところで、高橋が「1個だけいいですか」と割って入り、「我らが芦田愛菜は努力の天才肌なんですよ」と語り始めた。
高橋によれば、芦田ならこの南田南も演じてくれるだろう、できるだろうというイメージと信頼を持って共演している。そのうえで、一番近くで見ていると、芦田がとてつもない努力と計算を重ね、自分の中にあるものを形にして南を生かしていることを日々感じるという。それでいて努力を見せない。高橋は、この数か月で芦田が現場で台本を開いているのを見たのは数回ほどだと明かした。長ゼリフがある日でも、周囲の会話を盛り上げて笑っているので、どれほど努力しているのか自分たちには分からない。それが「もはや悔しいくらい」だと高橋は語った。
これを受けて芦田は、高橋も「努力の天才肌」だと返した。台本のセリフを見て相手の反応をなんとなく想像しても、実際に演じると「港さんはそう反応するよね」という驚きをもらうことが多い。どれだけシーンのことを考えたら港としてそれがパッと出てくるのか、と感じており、それは高橋が台本や役と深く向き合っているからだと芦田は述べた。自分だけ褒められっぱなしなのは、と芦田が笑うと、会場は主演2人がそろって「努力の天才肌」だということで落ち着いた。
細田佳央太が明かした「半分は自分の嫉妬」
続いて、南に嫉妬する感情を抱く役を演じる細田佳央太に、その嫉妬は役としてのものか、芦田という俳優への嫉妬も混ざっているのかという質問が向けられた。細田は、ちょうど今その嫉妬が強く出る場面を撮影していると明かしたうえで、言われてみればそうかもしれないと答えた。
細田は本読みの時点で「感服」したという。芦田が作り上げてきた南田を見て、本読みの段階でここまで仕上げてくるのかと、そのクオリティの高さに純粋に驚いた。法廷シーンをはじめセリフ量の多い役でありながら、それを崩さずにこなす芦田に対し、合間に入る自分たちのほうが「失敗できない」と緊張するほどだったという。それでいて現場を常に明るくしてくれる点も「本当にすごい」と話した。
そのうえで細田は、役としての嫉妬の中に細田自身の嫉妬も混ざっているのかもしれないと、この質問を受けて気づいたと述べた。その割合は「半分ずつぐらい」だという。最初は役としての嫉妬だったものに、細田自身の嫉妬がじわじわと入り込んできている、という言い方で、会場の笑いを誘った。
南田南役の芦田です。今日こうやって皆さんと一緒にここに立たせていただいて、毎日本当にキャストの皆さんが温かく迎えてくださるおかげで、本当に幸せで穏やかで楽しい現場になっているので、ぜひその雰囲気も含めて、今日は『南田南弁護士は天才肌』という作品の魅力をたくさんお届けできたらいいなと思います。よろしくお願いします。
撮影から2ヶ月経って、だいぶ撮影は進んでいるとお伺いしております。芦田さん。
はい。
2ヶ月間、南とまず向き合ってこられた中で、今、率直に演じていてどうですか。楽しいですか。いかがでしょうか。
そうですね。本当にインする前からいろいろ考えていた、南の根底にあるものっていうのは、ずっと変わらずに来れているかなという気がするんですけど、特に法廷シーンで。この作品は法廷シーンがほぼ毎話あるので、法廷シーンで南として、役として成長できたなと感じる瞬間がたまにあるというか。1話の法廷シーンでは、やっぱりすごく私自身緊張してましたし、南も緊張していたのが、だんだん回を重ねるにつれて、意識せずになんですけど、堂々といられるようになってきたなという気がしていて。そこは役として成長できたのかななんて思う毎日です。
なるほど。勝手に拝察して、きっと芦田さんのことだから、この南を演じるのにものすごい準備をされたんじゃないかなと勝手に思っているところではあるんですが、これまで芦田さんが演じてこられた役柄とはちょっと異なる一面を持つキャラクターが、南という少女だと思うんですね。初めてこの役と向き合った時、難しさみたいなのは感じられましたか。もしくは、その難しさを乗り越えるためにどんなことをされましたでしょうか。
やっぱり、そうですね。一番難しかったのは、南田南という人物の魅力をどこに出していくかというか、南の話し方の節回しみたいなところをどうしようかなっていうのは、結構悩んだところで。やっぱりセリフで法律用語だったりとか、裁判の話って結構、文字にすると、本当に事実を述べているので、ちょっと硬いというか、感情が乗りにくいように感じるんですけど。でも南の中にはしっかり感情があって、ただそれを伝えたりするのが苦手だったりという役どころなんですけど、その機微みたいなものをどうしようかなって悩んでた時に、1話で角田さん演じるお父さんが、『南には南の世界がちゃんとあるんだって思った』っていうようなセリフがあって。それがすごくヒントになって、南には南の世界があって、それを私はちゃんと確立して、皆さんの世界と交わっていくように考えていけばいいんだなっていうふうに思って演じてます。
ありがとうございます。弁護士役というのも芦田さんは初めてということなんですが、その難しさっていうのはありますか。法廷、先ほどもちょっとありましたけれど、かなりセリフも長いですよね。
そうですね。法廷セットは入るとすごく緊張感があって、すごく緊張するなとは思っているんですけど。その緊張感は生かしつつ、やっぱり他のセリフよりも何度も繰り返して言ったりして、なるべくそれを和らげて、南として法廷セットに入れるようにっていうのは準備したりしますね。
でも、その難しいセリフの中でも、やっぱり芦田さんが確立された南っていうのが本当に愛らしくて。見てると、みんなが守ってあげたいなっていう気持ちにさせる主人公だなと思うんですけど。その南をすぐそばで見守っておられる役の港はどうですか。芦田さんと共演されてみてのご感想から、まず伺いたいです。
本当に初めて芦田さんが演じる南を見させていただいた時に、やっぱり港としては南の力になったりとか、支えたりとか、優しさを持って南と向き合っていくんですけど。その中で、僕の中で優しさってすごく大きな枠組みの中で、何がこの港が持つ優しさなんだろうっていうのをずっと考えてた中で、芦田さんが演じる南にクランクインで会った時に、すごくいい意味で隙があるなと思ったんですね。
ああ。
それはやっぱり役柄だったりとか、キャラクター性の部分だと思うんですけど。その隙すらも芦田さんが作られていく中で、役の探求心だったりとか、南だったらこうするのかなとか、南の中にはこういうものがあるのかなっていう、今おっしゃってた『南の世界が』っていうところが、今お話を聞いてすごく自分の中に腑に落ちたような感覚があって。すごく役の解像度が本当に高くて。港として現場に行かずとも、現場に行って芦田さん演じる南に対峙すれば、必然的に僕の持つ港としての感情を引き出されるような感覚を、何度も撮影の中で体験させていただいてるので。本当に魅力を引き出していただいて。港を作ってるのは僕ですけど、逆に、その作る僕を一番近くで支えてくださってるなと思ってます。
なるほど。南の人生を大きく変えていく重要な存在でもある港ですけれども、演じる上でどうですか。どんなことを大切にされてますか。
さっきとちょっと重複しちゃうんですけど、その優しさとは何なのかっていう。本当に今さっきご紹介でも言っていただいたように、すごく優しさを持ってる人なので。気配りができたりとか、目配りができたりとか、そういうふうに相手を思いやる気持ちっていうのをすごく持ってるキャラクターだなと思って、そこが本当に一番の魅力なんです。
じゃあそれが、南に対してどういうふうに向き合うのが南のためであり、逆に南以外の弁護士の先生方と向き合う時には、どのように向き合っていくのがいいのかっていうのを、港自身も考えてるように、僕自身もすごく本を読んでる中で考えていて。それを少しずつ自分のポイントとして、必殺技のように、隠し技のように出していくのがすごく楽しくて。やっぱりリメイクという形で、日本語という僕らがずっと培ってきた、世界で一番難しいという言語を使う中で、この魅力を引き出したいと思って。港はすごく言葉遣いに重点を置いて、接続詞だったりとか、言葉尻とかを、誰とやるシーンの時も、自分なりにこういうふうに言った方がこの人への敬意が伝わるなとか、逆に親しみがあるなとか。そういうふうに、言葉ですごく港を表現できているのかなと思ってます。
なるほど。やっぱり視聴者として見させていただくと、本当に天使のような笑顔で南を見守ってくださるというか、お二人が美しくて美しくて、尊いっていう映像に仕上がってるように思うんですけど。芦田さんから見て、一緒に演技されてみて、高橋さんの印象っていかがなんでしょうか。
本当に私自身もというか、南もすごく港さんから受けるものが多いなと思っていて。一緒にお芝居させていただく中で、やっぱり高橋さんはいつも南のことを待っていてくれるというか、すごく南のことを見てくれて、それを受けて何かアクションを起こしてくれたりするので。その安心感というものは、南として感じるものがあって、私も南が作られていく部分もありますし。本当に一つ一つのシーンをすごく大切にしてくださるので、せわしない撮影の中で、私自身ちょっと流されそうになってしまうような瞬間があった時に、高橋さんがプロデューサーさんだったりとか監督さんと、役についてだったりシーンについて話し合われてる姿を見ると、『ちゃんと忘れずにやらなきゃ』って、引き止めてもらえるような感覚になるので、すごくありがたいなと思います。
お二人、初共演ということで、ここからどんな化学反応が後半に向けてもできていくのか、楽しみにしております。
一個だけいいですか。
どうしました。
やっぱり我らが芦田愛菜はっていうので、僕が一つ言いたい。
はい。ありがたいです。ありがとう。
我らが芦田愛菜は、努力の天才肌なんですよ。
ああ、そうです。
ありがとうございます。
やっぱり一番近くで現場を見てて、一番近くで支える港を演じてるとして、すごく感じるのは、やっぱり芦田さんだから、この南田南もこうやってくれるだろうとか、できるだろうとか、そういうイメージがやっぱりあるし、すごく信頼のもと、一緒にこの作品をやらせていただいてるんですけど。本当にとてつもない努力で、とてつもない計算、とてつもない自分の中のものを形にして、この南をこのように息として、生かしてくれてるんだなっていうのを現場で本当に日々感じてて。その努力を見せないっていうのが、やっぱり現場では台本を開いてるのを見たことがあるのが、本当に数回で、ここ数ヶ月で。
あのセリフで。あのセリフでそれをしてるっていうのもそうですし。でも、どんなに自分が長ゼリフあっても、さっき皆さんがおっしゃってた、みんなが話してたら会を盛り上げたりとか、笑っていらっしゃるので、努力をしてるのか僕らが知れないっていうのが、もはや悔しいくらい、努力の天才肌だなと思いますね。
ありがとうございます。でも、それで言うと、私は高橋さんも努力の天才だと思います。
でも、ちょっと高橋さんが照れて、耳赤くなってます。
本当に全く同じで、どれだけこのシーンのことを考えてくださったら、港さんとしてこれがぱっと出てくるんだろうとか。やっぱりお芝居させていただく中で、セリフを見て、なんとなく想像していくじゃないですか。でも、『そうだよね、港さんってその反応するよね』っていう驚きをいただくことがすごく多くて。それはやっぱり、すごく台本と役と向き合ってらっしゃるからだと思うので、高橋さんもやっぱり努力の天才肌だなと思っております。
ありがとうございます。
はい。なんか私だけ言われっぱなしはちょっと。
いやいやいや、ありがとうございます。
はい。では、このドラマの主演のお二人は天才肌だと、努力の天才肌だということで、ありがとうございます。さすが高橋さん、本当にちゃんと俯瞰で見ていて、最後にばしっと締める言葉をくださってありがたいです。細田さん、ご自身演じてみて、その南に嫉妬してるのか、芦田さんという俳優の才に嫉妬するのかとか、そういう経験っていうのはありますか。
そうですね。絶賛今撮影してるところが、そういった嫉妬がすごく出てくるようなところも撮ってはいますけれど、今言われて、そうかもしれないと思いますね。本読みの時は、もう眼福だったんですよ、僕。芦田さんが作ってこられた南田先生を見た時に、なんかにやけちゃって。そのすごさというか、クオリティの高さというか、本読みでここまで仕上げてこられるんだっていうことに対して、純粋にすごいなっていうふうに思いましたし。
さっきもおっしゃってましたけど、法廷のシーンのセリフ量とか、法廷じゃなくても結構大量にある中で、全然NGを出さない。逆に間に挟む我々の方がちょっと緊張するみたいな感じ。失敗できないっていう。でも現場は常に明るくしてくださるっていうところが、本当にすごいなというふうに思うので。もしかしたら、その嫉妬の中に細田の嫉妬が混ざってんのかなっていうのは、今聞いて思いましたね。
なるほど。
ちょっとずつ、じわじわと。はい。
半分、半分ずつぐらいには。
結構割合多め。
100だったのがね、ちょっと細田が占めてきてる、侵食してきてるという。ありがとうございます。
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