簗農水相が就任1か月足らずで辞表提出、事実上の更迭 高市首相の「仕事で返せ」から一転した経緯と「遅すぎた」との批判

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概要

簗農林水産大臣が14日夕方、高市首相に辞表を提出した。きっかけは、自身を応援しなかった首長がいる自治体の道路予算をカットしたとする発言の報道で、報道からおよそ2週間後の辞任だった。事実上の更迭である。農水大臣への就任からは1か月も経っていない。高市首相は当初、簗氏の続投を表明していた。それが辞任に至るまでの経緯と、首相の対応を「遅すぎた」とする批判をこのニュースは伝えている。

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首相「任命責任を重く受け止める」

14日夜7時半頃、高市首相は簗大臣の辞任について記者団に語った。首相によると、この日の夕方に本人から辞表の提出があり、それを受け取ったという。首相は「大臣が辞任する事態に至ったことについて任命責任を重く受け止めております」と述べた。

辞表を提出した簗大臣は、国会審議にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないとして「自ら決断をいたしました」と説明した。記者から就任4週間での辞任について問われると、謝罪の言葉を交えながら、今伝えた通りであり、こうした形で伝えさせてもらいたいと答えた。記者はさらに呼びかけたが、簗大臣はそれ以上答えずにその場を離れた。

高市首相は以前、簗氏を「私の大事なやなちゃん、私の知恵袋のやなちゃん」と親しげに呼び、いなかったら「本当に大変です」と語っていた。それほど信頼していた人物が、高市内閣を早々に去ることになった。

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問われていた疑惑

簗大臣をめぐっては、主に二つの問題が指摘されてきた。一つは、今年の衆院選で自身を応援しなかった首長がいる自治体の道路予算を大幅にカットしたとする発言である。もう一つは、選挙活動中にシャトルバスで支持者を無料で送迎したことで、公職選挙法違反の疑いがあると指摘されている。

これらについて簗大臣の説明は十分か。そう問われた高市首相は、自身も含めて十分に理解を得られた内容だとは思っていないと答えた。そのうえで、今後は一国会議員として説明責任を果たしてほしいと述べた。

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辞任当日の予算委員会

簗大臣は14日も午前中から予算委員会に出席していた。高市首相が入室した際、一瞬簗大臣に目を向けたようにも見えたと番組は伝えている。

野党側は、政策の議論に入る前から辞任を予見していた。ある議員は、今日この大臣に聞いていいのか、予算委員会が終わったら辞めてしまうのではないか、と発言した。別の議員は、米国関連の会見について簗大臣に質問するつもりだったが難しいと考えている、と述べた。そのため農水関係の質問には農水省側に答えてもらいたいとして、官僚に答弁を求める場面もあった。

一方で簗大臣自身には、新たな疑惑についての質問が向けられた。文春オンラインが報じた、選挙の運動員、具体的には電話かけをした人に金銭を支払ったとされる問題である。事実であれば公職選挙法違反に当たる可能性がある。野党議員は「買収の疑惑」だとして見解を求めた。簗大臣は、真摯に受け止めて説明を尽くしていくと答えた。

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「仕事で返せ」から「ダサい」へ

高市政権の発足以来、不祥事による閣僚の辞任は今回が初めてとなる。番組は報道からの経緯を次のようにたどった。

簗大臣の予算発言が報じられたのは先月30日だった。その週末、高市首相は周辺に「仕事で返してもらいます」と話し、続投させる方針を示していた。翌週に簗大臣が発言を認めると、首相は初めてカメラの前で簗氏の進退に言及した。しっかり説明したうえで襟を正し、職責を全うしてほしい。「とにかく働いて仕事で返せ」と言っている。首相はそう述べ、正式に続投を表明した。その翌日にも、人一倍働いてほしいと発言している。

ところが3連休明けの13日、国会での首相の答弁が変わった。首相は、発言が事実であれば本当に不適切で「本当にダサい」と述べた。さらに、そういう人物が行政の運営をしてよいのかどうかも含めてしっかり考えさせてもらう、と答弁した。番組はこれを、首相が更迭も辞さない考えを示し始めたものと伝えている。

その翌日の14日、簗大臣は辞表を提出した。辞任を促したかどうかを問われた首相は、「全くなかった」と答えている。

「ダサい」という表現について、首相は14日、良くなかったと述べた。ニュアンスとして良くなかったかもしれないとしたうえで、自分の使い方としては「政治家としてみっともない」ことだという意味だったと言い換えた。

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地元住民と野党の反応

簗大臣が予算をカットしたと名指しした栃木県那珂川町の住民からは、さまざまな声が上がった。辞任は「当然の判断かな」という声のほか、もう少し慎重に任命した方が良かったのではないかという声も聞かれた。応援していたので「すごく残念」だったと話す住民もいた。

国民民主党の玉木代表は、高市首相の対応を批判した。当初「仕事で返せ」と言っていたことについて、危機感が乏しかったのではないかと言わざるを得ないと指摘した。そのうえで、対応が遅すぎたことは否めないと述べた。

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後任人事は調整中

後任の農水大臣について、高市首相は「これからでございます」と述べ、調整中だと説明した。明日には伝えたいとしている。