ハッピーターンと博多通りもん ロングセラー菓子の製造現場で見えた工夫

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概要

日本テレビ「news every.」の特集「ロングセラー商品ヒットの秘密」は、系列局のテレビ新潟(TeNY)と福岡放送(FBS)による企画である。今回は、誕生から50年を迎えた新潟の亀田製菓「ハッピーターン」と、福岡の土産菓子として知られる明月堂「博多通りもん」の工場を取材した。どちらも関係者以外立ち入り禁止のエリアにカメラが入り、長く売れ続ける理由を製造工程から探っている。

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年間15億本、地球2.6周分のハッピーターン

最初に取り上げたのは新潟県のハッピーターンである。街頭インタビューでは「あの粉じゃないですか」「粉の味が独特でめっちゃはまってます」など、まず粉の味を挙げる声が多かった。番組によると、出荷量は年間15億本で、並べると地球2.6周分になるという。

取材したのはテレビ新潟の諸橋碧アナウンサーである。番組では「グルメ番長」と紹介され、試食は「最低3回」と意気込んでいた。製造元の亀田製菓は1957年設立で、柿の種やぽたぽた焼などのヒット商品も手がけている。番組は、新潟県が米菓の出荷量で全国のおよそ50%を占めると紹介した。

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生地づくりから焼き上げまで

工場で最初に映ったのは、機械から団子が押し出されてくる場面だった。担当者は団子を作る機械だと説明した。これはハッピーターンの生地づくりの工程である。原料のうるち米を製粉し、何度もふるいにかけることで、練ったときになめらかな生地になるという。諸橋アナは出来たての生地を特別に試食し、「優しい甘さがあります」「ハッピーターンは生地から美味しい」と話した。

生地はおなじみの小判型に切り抜いて乾燥させる。表面には溝があり、番組はこれが美味しさの秘密だと予告した。乾燥させた生地をガスの火で焼いて膨らませ、その後、企業秘密の鉄板を使うことでサクサクした食感と香ばしさが出るという。味付け前の素焼きを試食した諸橋アナは、焼き色によるほのかな香ばしさが甘みを引き立てていると感想を述べた。

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中身は明かされない「ハッピーパウダー」

味付けで使うのが、いくら食べても飽きない秘密とされる「ハッピーパウダー」である。諸橋アナはパウダーを口にして中身を当てようとした。まず「お砂糖、お塩」と答え、続けて「お醤油っぽい」と推測した。

工場側が明かしたのは、砂糖と塩とアミノ酸が入っていることまでだった。しかも砂糖も塩も1種類とは限らないという。工場によると、パウダーは工場内のどこかでひっそりと作られている。レシピを知るのはほんの数名で、社長も知らない。担当者は、選び抜かれた口の固い人が秘密を徹底して守っていると話した。

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溝「パウダーポケット」とキャンディ包み

完成品を前にした4回目の試食で、番組は先ほどの溝の役割を説明した。溝の名前は「パウダーポケット」で、パウダーをしっかり受け止める。そこにオイルをかけて、パウダーが離れないようにしている。2015年には溝を深く大きくしてパウダーの付着量を増やし、これによって味も売上も上がったという。

パウダーをこぼさないための工夫は包装にもある。米菓では珍しいキャンディのようなひねり包みは、食べるときに手が汚れないようにするためだという。包装機は1分間に270個のペースで包んでいき、番組は「0.2秒に1個」と紹介した。こうして大量生産されたハッピーターンは、世界27か国に届けられている。

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1976年、不況感の中で生まれた洋風の味

ハッピーターンが誕生したのは1976年である。第1次オイルショックの影響で、世の中にはまだ不況感が強く残っていた。番組によると、亀田製菓はそうした時代に、それまでのせんべいにはなかった洋風の味にあえて挑んだ。名前には、幸せがまた戻ってくるようにとの願いが込められている。

新潟駅にあるハッピーターンのアンテナショップでは、ハッピーパウダーを使った特別メニューを出している。「ハッピーサンデー」(594円)は、オレンジとチョコのソースをかけたソフトクリームにパウダーを追いがけしたものだ。パウダーの甘じょっぱさがソフトクリームのミルク感を引き立てるという。5回目の試食となった諸橋アナは、ハッピーターンをスプーン代わりにして食べ、「これまた新しい出会い」と話した。今年5月には誕生50周年を記念して東京駅にも出店している。

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博多通りもん:1日約28万個の製造現場

続いて福岡県の博多通りもんである。1993年の発売以来、32年にわたり売上を伸ばしてきた人気商品だと番組は紹介した。ミルクの香りがする薄い皮で、とろける舌触りのあんを包んだ饅頭である。取材したのは福岡放送の八木菜月アナウンサーで、東京に行くときの手土産はいつもこれだという。

製造元の明月堂は1929年創業。工場の外まで甘い香りが漂っていた。博多通りもんは1日におよそ28万個製造されている。

工場で最初に目に入ったのは大きな釜で、中身となるあんを作る工程だった。いんげん豆で作った白あんに、たっぷりの練乳と国産バターをブレンドすることで、あのミルキーな風味が生まれるという。じっくり練り上げた出来たてのあんを試食した八木アナは、「ミルクの風味とバターの香りが強い」「口どけがめちゃくちゃ滑らか」と話した。

生地にも練乳や国産バターを使い、あんの風味をより引き立てている。あんを包んだ生地は、まず雫型に成形される。これは博多通りもんの輪郭を生み出すためだというが、詳しくは企業秘密とされた。その後、通りもんカラーの巨大なオーブンでじっくり焼き上げる。熱が加わると中のあんがとろけて広がり、雫型から見慣れた通りもんの形へと変わっていく。

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17年、饅頭を測り続ける手仕事

焼き上がった饅頭を一つずつ手に取って測っている人がいた。規定のサイズに合うかを確かめているという。いつも同じ食感で味わってもらうため、小さすぎるものや大きすぎるものを取り除いている。この作業を続けて今年で17年になるそうで、番組は受け継がれてきたこだわりの手仕事として紹介した。

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完成は焼き上がりから4日後

八木アナが焼き上がりを試食すると、外側の生地はサクサクで、中のあんはとろっとしていた。ただし担当者は「まだ完成ではない」と話す。焼き上がったあと、倉庫でさらに4日間寝かせるのだという。倉庫には通りもんがぎっしり並んでいた。

担当者の説明はこうである。焼き上がった直後の通りもんは皮とあんがなじんでおらず、あんの水分が生きている状態にある。水分の移行が落ち着くまで寝かせることで、皮とあんがしっとりなじみ、よく知られたあの食感になって完成する。

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饅頭離れの時代に洋菓子の手法で開発

博多通りもんが誕生した1993年は、現在の天皇皇后両陛下がご成婚された年で、日本はお祝いムードに包まれていた。明月堂はもともとカステラやクッキーなどを作ってきた会社である。客から「今までにない饅頭」を求める声が上がり、西洋菓子の要素を取り入れることにしたという。

担当者は当時について、饅頭そのものが若い人から敬遠されつつある時代だったと振り返る。そこでバターやミルクといった洋菓子の原料を使い、若い人にも受け入れられる商品を目指して約3年半、試行錯誤を重ねた。発売するとたちまち人気の土産となり、2018年の売上はおよそ75億9000万円に達した。翌年には、最も売れている餡入り饅頭ブランドとしてギネス世界記録に認定された。

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電子レンジと冷凍、2通りの食べ方

最後に明月堂が勧める食べ方が2つ紹介された。1つは電子レンジで温める方法で、バターの香りが立ち、あんもとろとろに柔らかくなるという。もう1つは冷凍する方法である。八木アナは凍らせた通りもんを食べ、「凍らせたはずなのに中のあんが柔らかい」「濃厚なアイスクリームのような新食感」と驚いていた。冷凍室に2日間入れても硬くなりにくいといい、その理由は糖分と油分がバランスよく含まれているためだと説明された。