7年越しのリメイク『RYUJI 竜二』 柳楽優弥らが語った「今この時代に竜二を撮る意義」

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概要

映画『RYUJI 竜二』のジャパンプレミアが都内で開かれ、竜二役の柳楽優弥、川栄李奈、萩原利久、JUNON(BE:FIRST)、三宅健、RYUKI(MAZZEL)、伊藤英明、水田伸生監督が上映後の舞台に登壇した。司会によれば、観客は約65倍の倍率を通って来場している。

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本作は43年前に公開された『竜二』のリメイクで、公開は10月30日。トークでは、なぜ今この作品を作るのか、オリジナルの時代感をどう扱ったのかが繰り返し話題になった。撮影現場での関係づくりや役作りについても、登壇者それぞれが具体的に語っている。

3:20

7年前のオファーと、29歳では「できなかった」という実感

柳楽は、最初にオファーを受けたのが7年前だったと明かした。自分でも忘れてしまうほど長い年月が経ち、ようやく観客に見てもらえることを喜んだ。

7年前の柳楽は29歳ほどだった。本人は、当時の自分には演じられなかったと振り返る。一方で、時間がかかった分、監督やプロデューサーと対話を重ねられたという。柳楽の見方では、43年前の『竜二』はその時代が生み出した作品であり、ある種の奇跡的な巡り合わせで誕生した。だからこそ、今回自分が参加する意義はどこにあるのかを考え、見つけるための年数になった。柳楽は「今できて良かった」と語っている。

撮影は2025年秋に行われた。川栄は撮影から約1年で公開を迎えられることを喜んだうえで、作品の届き方について話した。ヤクザ映画は特に若い女性にはなじみが薄いだろう。それでも、登場人物の気持ちや、今の時代にも通じる愛情、人情、義といったものが観客に届けばいい、というのが川栄の願いである。

7:02

4本の脚本を経て、オリジナルの時代設定に戻った

水田監督はオリジナルを劇場でリアルタイムに見ている。「小学生でした」と冗談を言ってから「嘘です。25歳でした」と訂正した。この日は10月4日に誕生日を迎えたばかりのRYUKIを祝う一幕もあった。

監督によると、7年前に柳楽と会った時点で、リメイク用の脚本がすでに1冊あった。その後、脚本は4パターン作られている。最初は舞台を現代に置き換えた。2作目は地方都市に移した。3作目では、プロデューサーの発案で韓国人の脚本家に書かせ、日本語に翻訳した。どれも腕のある脚本家が書いたので面白かったが、「どうも味わいが違う」と悩み続けたという。最終的に監督は、オリジナルの金子さんが作った時代感があってこその『竜二』だと考え、元の時代に戻すと決めた。

その後も柳楽との話し合いは続いた。柳楽から出てきたのは、脚本をこう直そうというアイデアではなかった。この作品をやる意義は何か、今の時代に『竜二』が世に出たとき観客にどう受け止めてもらうべきか、という問いだった。監督はこの対話を本当に有益な時間だったと振り返る。会場近くの歌舞伎町やゴールデン街も撮影地になった。

9:46

モノクロ・1対1の画角で撮った「過去パート」

撮影は、柳楽、川栄、萩原、JUNONの4人によるアパートの場面から始まった。舞台は昭和59年から平成2年にかけての部屋である。

柳楽は、キャラクターの設定に合わせて「それっぽい雰囲気」を作るよりも、これはヒューマンドラマだと感じたという。夫婦や兄弟の絆を作れたらいいと考えて臨んだ。過去パートがモノクロで撮られたことも、すごく好きだったと話している。

川栄は画角について語った。過去パートは1対1のサイズで撮影されたが、川栄はそのことを現場で初めて知った。萩原と横に並ぶと画面に収まらず、もっと近くに寄るよう求められた。実際の画面を見せてもらい、現代と昔の場面を画角で分けている点が素晴らしいと感じたという。司会が撮影へのこだわりに触れると、監督は「こだわらない監督いないでしょ」と返した。

萩原は、アパートの過去パートから順に撮影できたことを挙げた。時系列に沿って撮る順撮りに近い形で、その経験を経て先のパートへ進めたのは、演じるうえでありがたかったという。JUNONは家のセットを体験するのが初めてだった。住めると思うほどリアルで、キッチンからリビングへの間取りが幼い頃に住んでいた家に似ており、懐かしい気持ちになったと話した。

監督によれば、映画の物語が始まる時代よりも、モノクロ・1対1で撮った過去の時代こそが、竜二たちにとって実は輝かしい時代だった。そこに青春感を出そうとしたが、自分の青春はとうに過ぎているので、そこが一番難しかったという。真面目に受け止める司会に対し、監督は「そこは司会者は笑うべきとこ」と付け加えた。

12:57

4度目の共演、2度目の夫婦役

柳楽と川栄の共演は今回で4度目、夫婦役は2度目になる。柳楽は、4作も共演してきた関係性は役作りではなかなか作れないものなので、それを生かせたらと思って現場に入ったという。

川栄は、柳楽が出る作品には全部出ると決めていると明かした。今回も柳楽の出演を聞いてすぐに出ると答えたほどで、絶大な信頼を置き、芝居の素晴らしさを近くで見られる機会をうれしく思ったという。監督はこのことを知らなかった。「そんな自動的に決めるんだったら、あんなに一生懸命お願いしなくてよかったじゃないか」と言って会場を笑わせた。川栄は、監督の存在も大きな決め手だったと応じた。

試写の段階から反響が出ていた柳楽・萩原・JUNONの兄貴分と舎弟の関係について、3人は「自然と」できたと答えた。柳楽は相性がいいのかもしれないと話した。萩原は、監督の配慮で家での穏やかなシーンから撮影が始まり、仲を深められたことが大きかったと付け加えた。

16:17

三宅健、薬物依存の役のために元売人に取材

三宅が演じたのは、竜二とは10代の頃から一緒にいる馴染みの兄弟分である。劇中ではそうした過去の場面は描かれない。三宅は、2人が長く過ごしてきた時間がにじめばいいと思って柳楽と芝居で向き合ったという。

物語の途中で、三宅の役は大きく変わっていく。三宅は薬物を当然やったことがなく、映画やドラマでしか見たことがなかったため、どう演じればいいか悩んだ。そこで、もともとヤクザで麻薬の売人だった人物に取材した。薬物依存も経験し、現在は弁護士をしているという人物で、どういう状態になるのかなどさまざまな話を聞いたという。司会によれば、三宅は実際に体も絞って撮影に臨んだ。

18:16

伊藤英明が見た柳楽の「静かなすごみ」

伊藤は水田監督と30年来の付き合いがある。伊藤の撮影初日は、竜二が指を噛み切って破門に向かう場面だった。カロリーのあるシーンだったという。

伊藤は柳楽について、普段は「言葉を選ばず言うと」近所にいるあんちゃんのような雰囲気だと話した。ところが本番が始まると、役が乗り移ったような集中力を見せる。リアリズムと即興性があり、ものすごく静かなすごみを間近で見て学ばせてもらったという。芝居に見入りすぎて、自分のセリフが何だったか忘れそうになる瞬間もあったと明かした。監督が演じやすい環境を作ってくれたおかげで、心地よい緊張感の中で過ごしやすい現場だったとも話している。柳楽は真剣にやろうという一心だったと答え、伊藤との共演を「光栄です」と述べた。

20:28

萩原利久は「半分以上、顔に傷」

上映後だから言える話として、司会は萩原の役が「ボコボコ」だったことに触れた。萩原は、冷静に振り返ると全編の半分以上で顔に何らかの傷がある状態だったのではないかと話す。特殊メイクを何度も施され、ボートのシーンなどではかなり視界が悪かった。

萩原はその不自由さを前向きにとらえている。自分では作り出せない不自由さが加わることで、ああいうシーンでは緊張感が増し、より没頭できる気がした。だから、ちょっとした不自由さもありがたく受け取りながら演じていたという。

21:24

JUNONとRYUKI、それぞれの立ち位置

JUNONの役は、竜二の背中を誰よりも追う人物である。JUNONは、現実でも役者として未熟な自分が柳楽の背中を追い、多くを吸収させてもらう立場だったと話す。だからこそ良い関係性で演じられた。役作りというより、環境が役作りをさせてくれたという。

RYUKIは本作でスクリーンデビューした。人生でそんな日が来るとは思っていなかったうえ、人として大切なものを教えてくれる映画に携われてうれしいと語った。初めての現場に向けて、監督に勧められた映画を見て勉強したという。特に大切にしたのは、内に秘めた悪のようなものだった。普段のプライベートでは出ない感情を、この作品では作り上げなければならないと考えた。MAZZELでは最年少のため、メンバーには「RYUKI演技できんの」と言われ、心配のほうが多かった。それでも、みんな映画館に見に行くと言ってくれているという。

柳楽・萩原・JUNON・RYUKIの4人による喧嘩のシーンは、リハーサルを経て撮影された。萩原は相手役を務めたRYUKIの身体能力の高さに触れ、きれいに飛んでくれたのでスムーズだったと話した。アクションは受け身側のリアクションが重要だと聞いており、すごいと思ったという。RYUKIはアクション映画を見て勉強した。もともとアクション映画が大好きなので、うれしかったと話している。撮影時期は寒く、4人でストーブを囲んで話した。RYUKIはその時間を「最高のクリスマス」と表現した。

25:23

「究極の選択」をフリップで

本作のコピー「仁義か愛か 竜二は最後に何を守るのか」にちなみ、キャストは人生で究極の選択だった出来事をフリップに書いて披露した。

柳楽は「事務所に応募した時」。母親に相談して自分で応募した。もともとは歌って踊りたかったが、審査結果が1年ほど遅れ、その間に映画を撮るなどして俳優の道に進んだという。今では選んで良かった選択だと思っている。川栄は「俳優人生」。アイドルを続けるか役者をやるかという大きな決断で俳優を選び、そのおかげで今ここにいられると話した。

萩原は「最前列」と書いた。バスケットボール観戦が大好きで、アメリカで試合を見た際、最前列の席が1試合90万円ほどだった。悩んだ末に購入し、それを境に体験にお金を使えるようになりたいと思うようになった。値段以上の経験ができたという。JUNONは「オーディション」。BE:FIRSTのオーディションを受けていた当時、就職先が決まっており、内定式にも出ていた。なかなか言い出せないまま、引き返せない段階まで進んだところで内定を辞退したという。

三宅は「変わらないために変わる」と書いた。これまでも大きな決断をする機会が多々あった。その際に大切にしているのは、自分が守りたいものを守るために環境を選ぶことだという。自分の中にあるものを変えずにいるためには、外側の環境を変えなければならないこともある、という意味だと説明した。RYUKIは、マネージャーに内緒で眉毛にスリットを入れるか迷った時のことを挙げた。怒られる方を選んで実行したが、言われたのは「気をつけてね」だったという。伊藤は「JUNON」と書いた。舎弟にするなら萩原かJUNONか、と冗談を言ったあと、30年前に出たジュノン・スーパーボーイ・コンテストで人生が大きく変わったと明かした。監督はすべてを聞き、「RYUKI以外は素晴らしい」と講評した。

31:45

最後のメッセージ

最後に一人ずつ観客へメッセージを送った。

水田監督は、本当は一人ひとりに感想を聞きたいと話し、正直まだ不安でいっぱいだと打ち明けた。よかったらもう一度見てほしいと呼びかけた。川栄は、自分が選んだ選択はどれも正解であり、決断した人を見守るのも愛だと語った。この作品を通じて、さまざまな愛の形を感じてほしいという。萩原は、ヤクザ映画ではあるが決して共感できない作品ではなく、人が悩みながら進んでいく物語だと話した。JUNONは挿入歌と主題歌も担当しており、それが作品を彩れていればうれしいと述べた。三宅は、作品と向き合う中で普通に生きることの難しさを痛感したという。それぞれの正しさの中で不器用に生きる登場人物の感情を感じてほしいと話し、口コミも呼びかけた。RYUKIは、人は見た目が大事と言われるが、人情や愛こそ人として大事だと思うと述べた。

伊藤は、入場者特典のキャラクターカードに自分だけなっていないことを「寂しい」とこぼし、第3弾ではぜひ自分をと訴えて笑いを誘った。登壇前に三宅から「おじさんは出しゃばらず静かに行こう」と言われていたと明かしつつ、50歳で初めて向き合った大切な作品だと語った。

柳楽は、前作とのつながりから今回の作品を語った。前作の時代はバブル前で、柳楽はオリジナルを見たとき、竜二が追いつけない時代のスピードに乗り切れず、そこで戦っていたのではないかと感じたという。今はまさにAI革命のような変化の真っただ中にいて、柳楽自身もこれまでとは違うと感じることがある。その中でも竜二はひたむきに自分を探し、自分を見失わず、さらに背骨を強くしようと模索している。柳楽にはその姿が見えたという。年齢にかかわらず岐路に立たされている人の背中を押せる作品、寄り添える作品になっていればいい。そう語って柳楽はトークを締めくくった。