「西」が付く街の名店を訪ねる:西荻窪の中華、西葛西のインド料理、西八王子の釜めしとうなぎ

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概要

日本テレビ「news every.」の特集「ゴーウェスト」は、駅名や地名に「西」が付くエリアには地元で長く愛される店がある、という切り口で3つの街を訪ねている。取り上げたのは、西荻窪の中華料理店、西葛西のインド料理店、西八王子の和食店である。番組は各店の看板料理に加え、店主がなぜその街で店を続けているのかを追っている。

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西荻窪:個人店が多い街

最初に訪れたのは、荻窪の一駅隣にある東京都杉並区の西荻窪だ。街の人は、隣の吉祥寺と比べて西荻窪には個人経営の良い店が多く、人気店が増えていると話す。

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調味料を自家製にする中華料理店「仙ノ孫」

ここ数年、地元以外でも評判になっているのが中華料理店「仙ノ孫」である。メニューは約70種類あり、四川、上海、北京など各地の本格的な料理を出している。

一番人気は四川料理の代表格である麻婆豆腐だ。味の決め手は、豆板醤やラー油などの手作り調味料にある。辛さに加えて山椒のしびれもある一皿で、客は「油が全然しつこくない」「香りに透明感がある」と評している。茹でた少し固めの木綿豆腐もこの料理に合っているという。常連客は、辛いだけでなくコクがあるので、つい通ってしまうと話す。

常連客によれば、よだれ鶏も必ず頼むべき一品だという。低温調理した国産の鶏胸肉に、醤油や酢などで仕上げたタレをかける。炒りごまと揚げたエシャロットもよく合うそうだ。

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料理人歴28年、店主の中華への愛着

料理を作るのは、料理人歴28年の早田さんである。中華の料理人を目指して調理学校を卒業し、中華の名店で修業して腕を磨いた。中華についてはバリエーションの多さや奥深さを挙げ、「大好き」だと語る。

そのため、必要な調味料や調味油はできる限り自分で作るのが早田さんの方針だ。豆板醤は生の唐辛子と乾燥させたそら豆などから作る。白っぽい甘酒のような調味料も自家製で、砂糖の甘みだけでは甘ったるくなるエビチリなどに、まろやかな甘みを加えるために使う。今も年に4回は中国へ行き、本場の味を学んでいるという。

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閉店後の勉強会:レシピを同業者と共有する

閉店時間を過ぎたある日、店では関東近郊から集まった料理人たちが真剣な顔で紙をめくっていた。早田さんが主催する勉強会である。この日の題材は、中国・山東省に伝わる料理を早田さんが再現したもので、紙にはそのレシピが書かれていた。自分が学んだレシピを同業者に披露し、意見を交わす会を月1回開いている。

参加した料理人は「こういうやり方もあるんだなと、勉強しかない」と感謝を口にした。早田さんは、技術を惜しみなく教え合って互いを高め、みんなで中華料理界を盛り上げたいと考えている。その理由を「自分だけのレシピを持ってても広がらない」と説明する。

締めの一品として人気なのはエビチャーハンだ。自家製のネギ油を少し加えて深みを出し、プリプリのエビと干しエビの2種類を楽しめるようにしている。

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なぜ西荻窪だったのか

店は地元で17年続いている。西荻窪を選んだ理由について、早田さんは妻の祖父がここで八百屋を営んでいたからだと答えた。店がある場所は、妻の祖父・仙太郎さんが長年八百屋を営んだ思い出の地だという。店名には、敬愛する仙太郎さんの孫の店という意味が込められている。西荻窪に店を出して良かったかと聞かれると、早田さんは良かったと答えた。小さな店がたくさんあり、どこも美味しい街だというのがその理由だ。

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西葛西:インド出身者が多く暮らす街

次の目的地は、東京メトロ東西線で葛西の一駅隣にある江戸川区の西葛西である。街の人は、西葛西には美味しい店が多く、特にインド料理店が多いと話す。番組によると、西葛西周辺にはインド出身の人がおよそ4500人暮らしている。インド食材を扱うスーパーやインド料理店も10軒以上あり、本場の味を楽しめる街になっている。

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30年続く「スパイスマジック カルカッタ」

この街で30年にわたって愛されているのが、インド料理店「スパイスマジック カルカッタ」である。客は、スパイスは効いているがそれほど辛くなく、とても美味しかったと話す。インド出身の料理人が、およそ70種類の本格的な料理を作っている。

たっぷりのほうれん草で仕上げるカレーは、色鮮やかで少し甘みのある味わいが特徴で、固定ファンが多いという。一番人気のチキンバターマサラは、酸味の効いたトマトベースにバターと生クリームでコクを加えている。スパイスはインドから仕入れたクミンやコリアンダーなど約10種類を使い、辛さは7段階から選べる。大きめの鶏肉には、もも肉と胸肉の2種類が入っている。

オーナーのチャンドラニさんは、美味しさの秘密について「あんまり秘密出したくない」と笑う。そのうえで、こだわりはたくさんあると話し、口に入れたときの香りとまったり感を挙げた。

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タンドールで焼くナンとビリヤニ

カレーに欠かせないナンは、タンドールという壺型の窯で焼く本場式である。チャンドラニさんの説明では、窯の内側は土壁で、温度が上がると遠赤外線が出て、ふっくらと中まで火が通るという。甘さは控えめで、もっちりした食感が魅力だそうだ。

3種類のチーズがとろけるチーズナンも人気で、たっぷりの蜂蜜とシナモンを添えて食べる。客の一人は、チーズの風味が強く、カレーの辛さとよく合うと話した。

人気が高まっているのがビリヤニだ。番組はこれを「スパイスが効いた炊き込みご飯」と紹介している。細長くパラパラした食感のバスマティライスを数種類のスパイスで炊き込み、具はチキン、マトン、エビ、野菜から選べる。

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2000年問題がきっかけだった

西葛西にインド出身の人が多く暮らすようになった理由について、チャンドラニさんは2000年問題を挙げた。1999年から2000年に切り替わるとき、コンピューターが誤作動する可能性があるとされた。その対応のため、インドのITエンジニアが日本の企業に大勢呼ばれた。チャンドラニさんによれば、銀行、証券会社、保険会社などでインド人の数が一気に増えたという。彼らが西葛西に住み始めたのは、通勤に便利で、都心より家賃が安く、公園が多くて住みやすいからだったそうだ。

当時、チャンドラニさんは貿易の仕事で日本に住んでいた。店はもともと、そうしたインド人のために開いたものだ。チャンドラニさんの話では、最初はいわゆる「まかない食堂」として、仕事帰りのインド人に料理を出していた。その後、口コミで評判が少しずつ広がり、日本人客も来るようになったという。西葛西が好きかと聞かれると、好きでなければここで店はやらないと答えた。

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西八王子:駅前より静かな街の和食店「こじま」

最後に訪れたのは、八王子駅の一駅西にある西八王子である。街の人は、八王子駅の周りの方が賑やかだが、こちらは静かで、値段もそれほど高くない良い店が多いと話す。店を営んでいるのも地元の人なので安心して食べられる、という声もあった。

この街で40年以上愛されているのが、うなぎの看板が目を引く和食店「こじま」だ。駅から約3分の場所にあり、釜めしとうなぎを二枚看板にしている。

釜めしは、かつお、さば、いわし、昆布などからとった出汁で、しっかりめに味付けする。客は、釜のまま炊くので出汁がよく染みていて、おこげも楽しいと話す。種類は鶏釜、鯛釜、かき釜などがあり、一番人気の五目釜めしには、エビ、鶏肉、にんじん、たけのこ、しいたけなどが入る。番組は「実際は七目」と紹介していた。

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関東風のうなぎと継ぎ足しのタレ

もう一つの看板であるうなぎは、愛知県一色産を使っている。白焼きにした後、蒸してから焼く関東風だ。タレは父親の代から40年以上継ぎ足してきたもので、水飴を少し加えているため甘めである。客は、甘めでも甘ったるすぎず、夜にお酒を飲んだ後の締めにもぴったりだと話す。うなぎと日本酒の組み合わせを最高だと言う客もいた。

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3代目が増やした100種類超のメニュー

こじまは二枚看板以外のメニューも多く、全部で100種類を超える。増やしたのは3代目店主のこじま衛さんで、「あれもやりたい、これもやりたい」と思ううちに増えていったと振り返る。

こじまさんは西八王子で生まれ育った。店を開いたのは父の正さんで、競輪選手を引退した後、42年前に釜めしとうなぎを二枚看板にして始めた。その後、長男のシゲルさんが2代目、次男の衛さんが3代目を継ぎ、衛さんの代からメニューが一気に増えた。衛さんが始めた天ぷらは、衣が少なめでサクサクした食感が好評だという。だし巻き卵も人気で、釜めし用の出汁を使い、片栗粉を少し加えることで、ふわっととろける口当たりにしている。

16:00

生まれてから亡くなるまで使われる店

40年以上続く店は、古くから住む人々の集まりの場にもなっている。ある客は、30年近く前にお宮参りの際にこの店を利用したと話した。

店は4年前まで、今の場所から歩いて10分ほど離れた所にあった。こじまさんによると、移転後も地元の人たちの支持は変わらないという。出産祝い、入学祝い、卒業祝い、就職祝い、そして最後は法事まで、生まれてから亡くなるまでずっと使ってくれる客が多く、本当にありがたいと話す。八王子の街が好きかと聞かれると、こじまさんは「大好き」と答え、これからも絶対に西八王子で商売を続けたいと語った。番組は、メニューが増え続けるこの店が、これからも地元に寄り添う場所であり続けると締めくくっている。