住民税を安くする5つの方法と、6月の決定通知書で確認すべき項目(2026年版)
家計の味方6月に届く住民税決定通知書を見て「住民税が高い」と感じる人は多い。動画の話者によれば、独身で年収500万円程度なら住民税は20万〜25万円ほどになる。この動画では、住民税の仕組みと計算式を確認したうえで、計算式のどこに働きかければ税額が下がるのかを整理し、具体的な方法を5つ紹介している。最後に、決定通知書で控除の反映漏れがないかを確認する手順も扱う。話者は、これらの対策で年間数万円から数十万円規模の節税が見込めるとしている。
住民税の基本:所得割10%と均等割5000円
住民税は、毎年1月1日時点で住民登録している自治体が課税する地方税である。市町村民税と道府県民税(東京都は都民税)から成り、自治体の公共サービスの運営や公務員の給与などに使われる。
税額は「所得割」と「均等割」の合計で決まる。所得割は課税所得の10%、均等割は全員一律で年5000円である。5000円のうち1000円は森林環境税として国に納める分だ。地域によって数千円が上乗せされる場合もあるが、全国でほぼ同じ内容になっている。
所得税は累進課税で、課税所得に応じて税率が5%から45%まで変わる。一方、住民税の所得割は一律10%である。このため話者は、多くの人にとって所得税より住民税のほうが負担感が強くなると説明する。自営業や個人事業主はまとめて支払うので、金額の大きさをより強く感じやすいという。
納付方法と「後払い」の注意点
納付方法には特別徴収と普通徴収がある。特別徴収は会社員向けで、給料から天引きされる。普通徴収は自営業・個人事業主・無職の人向けで、自宅に届く納付書を使い、コンビニやクレジットカード、スマホ決済などで自分で支払う。
どちらも前年の所得をもとに計算される。会社員は翌年6月から翌々年5月まで12回に分けて天引きされるため、前年の所得にかかる税を1年半後まで払い続けることになる。新入社員は前年の所得がないので1年目は天引きがないが、2年目の6月から始まるため、急に手取りが減ったように感じることがある。普通徴収の場合は、一括か4回(6月・8月・10月・翌年1月)に分けて払う。
話者が最も強調する注意点は、住民税が後払いであることだ。前年に高収入だった人や、退職・失業した人は、今の収入が少なくても前年の所得に応じた住民税を払わなければならない。滞納すると翌月から延滞金が発生する。ただし、会社都合で失業した場合や前年より収入が大幅に減った場合は、減免を受けられる可能性がある。
もう1つの論点は、住民税の計算に使う所得が、国民健康保険料の算定や住民税非課税世帯の判定にも使われることだ。非課税世帯に該当すると、国民健康保険料の均等割が最大7割軽減され、介護保険料が4割程度安くなり、高額療養費の自己負担上限額も下がる。そのため話者は、住民税を下げる工夫は社会保障制度の判定にも影響すると述べる。特に自営業・個人事業主、退職して国民健康保険に加入している人、年金生活に入る前後の人には、家計全体の改善につながる視点だとしている。
計算式から見た「下げられる場所」
均等割の5000円は減らせないので、話者は所得割に注目する。計算の流れは次のとおりである。
- 収入から経費を引いて所得を出す(会社員は経費の代わりに給与所得控除が引かれる)
- 所得から所得控除を引いて課税所得を出す
- 課税所得に10%をかけて算出税額を出す
- 算出税額から税額控除を引き、所得割の額を確定させる
- 所得割に均等割5000円を足すと住民税の総額になる
この流れは所得税の計算とほぼ同じである。そのため話者は、所得税の節税がそのまま住民税の節税にもつながると指摘する。また、所得控除は課税される所得を減らすものだが、税額控除は税額そのものから差し引くものなので、節税効果がより高いと説明する。結論として、差し引ける項目である「経費」「所得控除」「税額控除」を増やせば住民税は下がる。
動画では、この3つに加えて、特定の状況にある人向けの「減免」と、支払い方法の工夫で実質負担を下げる方法を合わせて5つの方法を紹介している。
なお、給与所得控除の最低保障額は2026年度の住民税から55万円から65万円に引き上げられた。給与収入190万円以下の人は控除が10万円増えるので、パートやアルバイトの人を中心に住民税が下がるケースが増えていると話者は言う。本人が対象外でも、扶養に入っている配偶者や子どものパート収入には影響するため、家族の働き方を見直すきっかけになるとしている。
方法1:経費を増やす(主に自営業・個人事業主)
会社員は基本的に経費を計上できない。その代わり、スーツ代や交際費など会社員の経費にあたる額が、給与所得控除としてあらかじめおおまかに引かれている。2025年分以降の給与所得控除は最低65万円、最高195万円である。
自営業・個人事業主にとって大事なのは、必要な経費を漏れなく計上することだ。話者は水増しを明確に否定している。経費を10万円使っても戻る住民税は1万円程度で、手元のお金は9万円減るだけだからである。
計上を忘れやすい経費として、話者は次のものを挙げる。自宅を仕事場にしている場合の家賃・電気代・火災保険料・通信費・ネット代・減価償却費の事業使用分。打ち合わせのカフェ代や会食費。電車やタクシーの交通費。仕事関連の書籍代やセミナー参加費。業務用の有料サブスク。そして事業税や消費税である。
経費として認められるには、いつ、いくら、何のために、誰に払ったかが分かる証拠が必要だ。最も確実なのはレシートや領収書の保存である。2024年1月から電子帳簿保存法が完全義務化されたため、メールやウェブで受け取った電子領収書は紙に印刷するだけでは不十分で、電子データのまま保存する必要がある。
交通系ICカードの支払いなど、レシートが出ない支出もある。この場合は、利用履歴や、マネーフォワードなどに自動連携される明細データでも計上できる。ただし、日付・金額・支払先がデータに残っていること、そして誰と何のために使ったかをメモ欄や摘要欄に書き足しておくことの2点が条件になる。冠婚葬祭の飲食代のようにレシートも電子データも残らない支出は、出金伝票で記録する。紙でも会計ソフト上で作ったものでもよく、日付・支払先・金額・用途を残しておく。
青色申告と経営セーフティ共済
話者が経費まわりで最も意識すべきとするのが青色申告である。最大65万円の青色申告特別控除が受けられ、住民税だけで65万円×10%=6万5000円の節税になる。話者によれば、この控除は2027年分から75万円に引き上げられる予定で、住民税ではさらに1万円の節税が見込めるという。
パソコンなどの備品は、通常は10万円以下ならその年に全額を経費にでき、10万円を超えると耐用年数に沿って減価償却する。青色申告の事業者は「少額減価償却資産の特例」を使えるため、一定額未満の資産を年間合計300万円まで、取得した年に経費にできる。この上限は、2026年4月1日以降に取得する資産から30万円未満が40万円未満に引き上げられたと話者は説明する。
もう1つの方法が経営セーフティ共済(倒産防止共済)である。掛金を全額経費にできる。もともとは取引先が倒産したときに連鎖倒産を防ぐための積み立てで、取引先が倒産した場合は無担保・無保証で借り入れができる。ただ話者によれば、実際には節税目的で使われることが多い。40か月以上加入すれば元本割れせずに解約できるため、売上が伸びて翌年の住民税が心配な年に加入すれば課税を先送りできる。解約返戻金は戻ってきたときに収入として課税されるので「先送り」になるが、赤字の年に解約すれば税負担を実質的に低く抑えられることもあるという。
貸付制度もある。取引先の倒産時には積立金の最大10倍まで無利子で借りられる。倒産以外の事業資金でも、積立残高の95%までを低金利の一時貸付金として借りられる。節税しながら非常時の資金枠も確保できる点を、話者はこの制度の強みとしている。
方法2:所得控除を増やす
所得控除は、働き方を問わず誰でも使える。住民税の所得控除は13種類あり、話者はポイントを2つ挙げる。どんな控除があるかを知ること、そして自分で増やせる控除を積極的に使うことである。
注意点として、住民税の控除額は所得税より低く設定されていることが多い。たとえば生命保険料控除は所得税では最高12万円だが、住民税では最高7万円である。基礎控除も、所得税は2025年分から最大95万円に引き上げられたが、住民税は従来どおり最大43万円に据え置かれている。
医療費控除とセルフメディケーション税制
申請漏れが起きやすいのが医療費控除である。年間の医療費から保険金などで補填された額を引き、さらに10万円を引いた額が控除になる。生計を同じくする家族の分も合算できるため、家族の中で所得が最も大きい人、つまり所得税率が最も高い人がまとめて申告すると効果が大きい。対象は広く、診療費や入院費のほか、通院の交通費、不妊治療、レーシック、歯科矯正、禁煙治療、肩こりや腰痛のマッサージなども含まれる場合がある。
医療費が10万円に届かない人は、セルフメディケーション税制を使える可能性がある。対象医薬品(スイッチOTC医薬品)の年間購入額が1万2000円を超えた分が控除され、上限は8万8000円である。スイッチOTC医薬品とは、もともと医師の処方箋が必要だった薬のうち、ドラッグストアで買えるようになったものだ。パッケージやレシートの「セルフメディケーション税制対象」という表示が目印になる。年間2万円分買った場合、控除額は8000円で、住民税は800円下がる。話者によれば、この制度は2026年12月31日まで延長され、対象品目も拡大されている。医療費控除とは併用できないので、効果の大きいほうを選ぶ。
扶養控除と2026年度の改正
扶養控除は、16歳以上の子どもや親を養っている場合に使え、住民税では1人あたり33万〜45万円の控除になる。税額にすると1人あたり年3万〜4万円程度の軽減である。見落としやすいのは、同居していなくても生計を同じくしていれば対象になる点だ。一人暮らしの子どもや遠方に住む親に仕送りしている場合も含まれる。
2026年度以降、扶養に関わる年収の壁について大きな改正が2つあったと話者は説明する。1つ目は、扶養親族の所得要件が給与収入103万円以下から123万円以下に緩和されたことである。2つ目は、新設された特定親族特別控除だ。19〜22歳の子どもを扶養している場合、給与収入が123万円を超えても188万円までは段階的に控除を受けられる。123万円を超えた途端に扶養から外れるという従来の悩みが和らぐ形になる。
年金の3階建てと、自分で増やせる控除
自分で増やせる控除として、話者は年金制度の3階建て構造に沿って社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除を整理する。1階は国民全員が入る国民年金、2階は会社員・公務員の厚生年金である。自営業者には2階部分がないため、国民年金基金や小規模企業共済が代わりとして用意されている。3階は自分で上乗せする私的年金で、iDeCoや企業型DC、はぐくみ基金などがある。これらの掛金は全額所得控除になるが、働き方によって使える制度が異なる。
iDeCoは、自分で掛金を出し、運用商品を選んで老後資金を積み立てる制度である。話者はメリットを3つ挙げる。掛金が全額所得控除になること。運用益が非課税になること(通常は約20%課税される)。受け取り時にも、一時金なら退職所得控除、年金形式なら公的年金等控除が使える場合があること。掛金の上限は、自営業者が月6万8000円、会社員・公務員は勤務先の年金制度によって月2万〜2万3000円である。話者によれば、2027年1月から上限が引き上げられる予定で、自営業者は月7万5000円、会社員は最大月6万2000円になる見込みだという。ただし原則60歳まで引き出せないため、近いうちに使うお金を入れるのには向かない。
国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者だけが入れる制度で、2階部分を補う役割を持つ。掛金は全額所得控除になり、終身年金として受け取れるため長生きへの備えにもなる。掛金の上限はiDeCoと合算されるので、両方使う場合は配分を考える必要がある。
小規模企業共済は、自営業者や小規模企業の役員が入れる退職金代わりの積み立てである。掛金は月1000円から7万円まで自由に設定でき、全額所得控除になる。上限の月7万円(年84万円)を積み立てると、住民税で8万4000円、所得税と合わせて年20万〜30万円規模の節税になると話者は見積もる。納付した掛金の範囲内で年1.5%程度の低金利で事業資金を借りられる制度もある。廃業や退職時に受け取る共済金は退職所得として扱われるため、受け取り時の税金も大幅に抑えられるという。
会社員は、勤務先が導入していれば企業型DCやはぐくみ基金を使える。企業型DCは、会社が拠出した掛金を従業員が運用先を選んで運用する仕組みである。マッチング拠出が認められている会社では、従業員が上乗せした掛金が全額所得控除になる。ただし原則60歳まで引き出せない。はぐくみ基金は確定給付型の企業年金で、給与の一部を積み立てる。積立分が給与から差し引かれるため、住民税・所得税だけでなく社会保険料も下がる点が特徴である。加入1か月以上で元本が保証され、退職・転職時にも受け取れるので、話者は企業型DCより流動性が高いと説明する。どちらも個人では加入できないため、まず勤務先の人事・総務に使えるかを確認するよう勧めている。
方法3:税額控除を増やす
税額控除は、計算された住民税から直接差し引かれるため、所得控除よりも効果が直接的である。代表例として、話者はふるさと納税・住宅ローン控除・配当控除の3つを挙げる。
ふるさと納税
好きな自治体に寄付すると、寄付額の3割相当の返礼品を受け取れる。住んでいる自治体からは、寄付額から2000円を引いた額が税金から控除される。話者は、厳密には節税ではなく税金の前払いに近いと説明する。本来払うべき税金を別の自治体に払っているだけで、税金そのものが減るわけではないからだ。それでも、2000円の自己負担で2000円以上の価値の返礼品がもらえればその時点で得なので、やらない理由はないという。
控除の上限は年収・家族構成・他の控除によって変わる。年収500万円の独身会社員なら約6万円前後が目安である。各サイトのシミュレーターで試算し、上限の範囲内で寄付することが前提になる。
2026年版の注意点として、2025年10月から、楽天ふるさと納税、さとふる、ふるなびなどの仲介サイトによる寄付へのポイント還元キャンペーンが禁止された。ただし話者は、禁止されたのはサイト側の還元だけで、制度の仕組み自体がお得であることは変わらないと強調する。クレジットカードやデビットカードなど決済サービス側のポイントは引き続き付く。
住宅ローン控除
年末のローン残高の0.7%が、最大13年間にわたって所得税から控除される。所得税から引ききれなかった分は住民税からも控除され、その上限は課税所得の5%か9万7500円のいずれか低いほうである。話者は、2024年以降に新築住宅を購入する場合は省エネ基準を満たすことが必須条件になっており、満たさない住宅は原則として対象外になると注意を促す。子育て世帯や若者夫婦世帯には借入限度額の上乗せ措置もある。会社員でも、住宅ローン控除の1年目は確定申告が必要である。
配当控除は慎重に判断する
株式の配当金を総合課税で確定申告すると、配当所得の2.8%が住民税から差し引かれる。ただし、話者はここで慎重な判断を求めている。総合課税にすると配当が合計所得に加算されるため、所得税率が高い人はかえって負担が増えることがある。さらに2024年分の申告から、所得税と住民税で異なる課税方式を選べなくなった。以前は所得税を総合課税、住民税を申告不要と使い分けられたが、現在は所得税で選んだ方式がそのまま住民税にも適用される。合計所得が増えれば、国民健康保険料が上がったり扶養から外れたりする影響もありうる。そのため、使うかどうかは全体の損得を計算したうえで決めるべきだとしている。
方法4:減免制度と住民税非課税世帯
住民税の減免は、自治体に申請して住民税を減額または免除してもらう制度である。話者は、全国一律の制度ではなく市区町村ごとに条件や減免割合が決まっており、隣の市と条件が違うことも普通にあると注意する。
おおむね対象になるのは次のようなケースである。
- 地震・台風・火災などで住居や家財に大きな被害を受けた場合
- リストラや倒産など本人の意思によらない失業、または廃業で収入が大きく減った場合
- 生活保護を受けることになった場合(受給開始時点で全額免除されるのが一般的)
- 病気やけがで長期間働けず、収入が大きく減った場合
- 学生の場合(一定の所得要件を満たせば勤労学生控除が使え、独自の減免制度がある自治体もある)
手続きは、住民税の担当窓口に問い合わせて対象かどうかを確認し、減免申請書と状況を証明する書類を提出する。期限を納付期限の前までとしている自治体が多いため、納付書が届いたらできるだけ早く動くよう話者は勧める。
あわせて知っておきたいのが住民税非課税世帯である。世帯全員の所得が一定以下になると住民税がかからず、社会保障でも優遇を受けられる。国民健康保険料の均等割の最大7割軽減、介護保険料の大幅な軽減、高額療養費の上限額の引き下げ、保育料の無償化や減額、入院時の食事代の軽減などである。さらに、物価高対策の臨時給付金などは非課税世帯を対象に支給されることが多い。話者によれば、ここ数年で数万円から十数万円規模の給付金が複数回出ており、全体では年間数十万円の差が出ることもあるという。
非課税の基準は世帯構成と自治体によって異なる。東京23区の場合、単身世帯なら給与収入110万円以下、65歳以上の年金受給者なら単身で年金収入155万円以下が目安で、扶養家族がいれば基準額が上がる。給与所得控除の最低保障額の引き上げに伴い、単身世帯の基準は給与収入100万円以下から110万円以下に上がった。基準まであと少しの人は、勤務時間の調整や、iDeCo・小規模企業共済などの所得控除で所得を圧縮すれば非課税ラインに収まる場合があると話者は言う。
方法5:支払い方法でポイントを得る
最後は、税額そのものではなく実質負担を下げる方法である。地方税の支払い方法には主に5つあるが、店頭での現金払いや口座振替ではポイントが付かない。クレジットカード払いはポイントが付くものの約0.8%の手数料がかかる。そこで話者は、電子マネーやスマホ決済(nanaco、楽天ペイ、au PAY、ファミペイなど)による請求書払いを勧める。事前のチャージが必要だが、支払い手数料がかからず、チャージ時にポイント還元を受けられる。
注意点として、多くのクレジットカードは電子マネーやスマホ決済へのチャージをポイント対象外にしている。話者は、楽天カード、dカード、三井住友カード、セゾンカードに加え、2026年6月以降はPayPayカードもチャージがポイント対象外になると挙げる。還元率が高く対象外サービスが少ないカードとしては、V NEOBANKデビット、P-one Wiz、Ponta Premium Plus、ローソンPontaプラスを挙げている。
6月の住民税決定通知書で確認する項目
話者は、節税対策をしても住民税が正しく計算されていなければ意味がないと述べる。年末調整の書き忘れ、ふるさと納税のワンストップ特例の出し忘れ、確定申告での記入漏れなどにより、控除が反映されないまま住民税が高く計算されるケースは意外と多いという。確認は5分程度でできるので、毎年6月の恒例行事にするよう勧めている。
決定通知書は、前年の所得をもとに計算したその年の住民税額が書かれた書類である。会社員には5〜6月頃に勤務先経由で配られ、自営業者には6月頃に市区町村から納付書と一緒に郵送される。所得・控除・税額の計算過程が載っているため、税額がどう決まったかを確認できる。
確認の順番は次のとおりである。まず所得の金額。会社員は勤務先から市区町村へ給与支払報告書が送られるので、通常ずれはほとんどない。ただし、副業で確定申告をした人や複数の会社から給与を受けている人は、確定申告書の控えと一致しているかを確認する。自営業者は、事業所得や青色申告特別控除を引いた後の金額が確定申告書と一致しているかを見る。
次に所得控除の欄。生命保険料控除、医療費控除、扶養控除、社会保険料控除、iDeCoの掛金など、申告した控除がすべて載っているかを確認する。年末調整や確定申告で書き忘れた控除は反映されていない。続いて税額控除と摘要欄で、ふるさと納税の寄付金税額控除、住宅ローン控除、配当控除が記載されているかを確認する。ふるさと納税は、おおむね「寄付金額−2000円」が控除額として反映されているかが目安になる。
ふるさと納税で特に注意すべき点がある。ワンストップ特例を申請していても、医療費控除や住宅ローン控除1年目などで確定申告をすると、ワンストップ特例は自動的に無効になる。確定申告書でふるさと納税分を寄付金控除として改めて記載しないと、控除がまったく反映されない。
誤りや漏れを見つけたときの対処
会社員の場合、対応は控除の種類によって分かれる。社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除など年末調整の対象になる控除の書き忘れは、まず勤務先の経理・総務に相談する。タイミングによっては年末調整のやり直しができる。一方、医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除1年目など、もともと年末調整で処理できない控除の漏れは勤務先では対応できず、会社員でも自分で税務署に確定申告か更正の請求をする必要がある。自営業者は申告内容の訂正が必要になる。
期限についても説明がある。確定申告期限の3月15日までに気づけば訂正申告で直せる。期限を過ぎても5年以内なら、更正の請求で払いすぎた住民税が還付される可能性がある。医療費控除の申請漏れやふるさと納税の控除が反映されていなかったケースは、更正の請求で取り戻せることが多いと話者は述べる。決定通知書そのものに記載ミスがある場合は、源泉徴収票や確定申告書の控えを持って、市区町村の住民税担当窓口に相談するよう勧めて、動画は締めくくられている。
こんにちは。家計の味方チャンネルです。会社員の方であれば給与で、自営業、個人事業主の方であれば6月に届く住民税決定通知書を見て、改めて住民税が高いと感じる人は多いのではないでしょうか。目安として、独身で年収が500万円くらいの人の場合、住民税は20万円から25万円くらいになります。結構な額ですよね。
今回は、その高いと感じる住民税を安くする方法について、2026年最新版として5つ紹介していきます。年間数万円から数十万円規模の節税につながる内容になっておりますので、ぜひこの動画を最後までご確認いただければと思います。
本日の目次はこの通りです。まず住民税の仕組みを確認し、その仕組みをもとに住民税を安くするにはどうしたらいいのかを説明していきます。その後、住民税を安くするための具体的な方法を1つずつ確認し、最後に6月に届く住民税決定通知書で確認しておきたいチェック項目も紹介していきます。
ちなみに、このチャンネルでは他にも確定申告のやり方や、おすすめなクレジットカードや銀行口座など、お金に関する情報を発信しておりますので、興味がある方はぜひチャンネル登録と、他の動画も合わせてご覧いただけると嬉しいです。
それではまず、住民税の基本から振り返ります。住民税とは、毎年1月1日で住民登録をしている自治体で課税される地方税で、区市町村民税と都道府県民税、東京都の方は都民税から成り立っています。主に、それぞれ住んでいる自治体の公共サービスの運営や公務員の給与などに使われています。
住民税の金額は所得割と均等割に分かれて計算されます。所得割は課税所得の10%、均等割は全員一律で年5,000円で、その合計額が住民税の金額になります。なお、均等割の5,000円のうち1,000円は、森林環境税として国に納める分が含まれています。多少、住んでいる地域によって数千円の負担が追加されることもありますが、全国ほぼ同じ内容になっています。
所得税は累進課税で、課税所得金額に応じて5%から45%の税率になりますが、住民税の所得割は一律で10%の税率がかけられていますので、多くの人にとっては所得税よりも住民税の方が負担感が強いと感じられてしまう状況です。特に自営業、個人事業主の方はまとめて支払う形になりますので、さらに金額が大きいと感じると思います。
そんな住民税の納付方法は、特別徴収と普通徴収の2種類があります。特別徴収は会社員の方の徴収方法で、給料から天引きされる形になります。一方で、普通徴収は自営業、個人事業主の方の徴収方法で、自宅に納付書が届きますので、コンビニに行って支払ったり、クレジットカードやスマホ決済で自分で支払う形になります。
次に支払うタイミングですが、まず特別徴収の会社員の方は、このような形で納付することになります。住民税のもととなる所得は前年の所得です。それをもとに、翌年の6月から翌年の5月まで、12分割で給料から天引きされていきます。前年の所得を1年半後まで支払い続ける形になりますので、意外と先まで支払い続けるスケジュールになっています。
ちなみに、新入社員の方の場合は前年の所得がないので、1年目に住民税の天引きはありませんが、2年目の6月から天引きが始まりますので、急に手取りが減ることがあります。
続いて、普通徴収の自営業、個人事業主、無職の方は、このような形で納付することになります。住民税のもととなる所得が前年の所得である点は同じです。そして翌年の6月から納付することになりますが、普通徴収の場合は一括か4分割で支払う形になります。4分割の場合は6月、8月、10月、翌年の1月に支払う形です。
ここまでで触れた通り、住民税の注意点は後払いであることです。前年の所得をもとに住民税が計算されて、翌年の6月から支払っていく形になります。ですので、前年に高収入だった人や退職、失業した人は、現在の所得が少なくても、基本的には前年の所得に応じた住民税を支払うことになりますので、払えるように準備しておく必要があります。
会社員の方は自動的に給料から天引きされますので、そこまで心配いりませんが、住民税を滞納した場合、その翌月から延滞金も発生してしまいますので、必ず支払うようにしましょう。なお、会社都合で失業してしまった場合や、前年の収入より大幅に減ってしまった場合は、住民税の減免を受けられる可能性もありますので、後ほど具体的に住民税を安くする方法の中で説明していきます。
そしてもう1つ押さえておきたいのが、住民税の計算で使われる所得は、国民健康保険料の算定や、住民税が非課税となる住民税非課税世帯の判定にも使われるという点です。住民税非課税世帯に該当すると、国民健康保険料の均等割が最大7割軽減されたり、介護保険料が4割程度安くなったり、高額療養費の自己負担上限額が下がったりと、社会保障でも大きなメリットがあります。
つまり、住民税を下げる工夫は、住民税そのものの軽減だけでなく、保険料や社会保障制度の判定にも効いてくるということです。特に自営業、個人事業主の方、退職して国保に加入している方、年金生活に入る前後の方は、住民税の対策がトータルの家計改善につながると意識いただければと思います。
住民税の仕組みを理解したところで、次に住民税を安くするにはどうしたらいいのかを説明していきます。先ほど住民税の仕組みの部分でも触れましたが、住民税は課税所得の10%の所得割と、一律で年5,000円の均等割で構成されています。均等割の5,000円は安くすることはできないので、ここでは所得割の部分に着目して、具体的な住民税の計算方法を確認します。
まず収入から経費を引いて所得を出します。この経費について、自営業や個人事業主の人は実際にかかった経費を引くことができますが、会社員の人の場合は給与所得控除というものが引かれています。ちなみに、この給与所得控除は2026年度の住民税から最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。給与収入190万円以下の人が10万円分多く控除を受けられるようになりましたので、パート、アルバイト収入の方を中心に、住民税が下がるケースが増えています。ご自身が対象外でも、扶養に入っている配偶者やお子さんのパート、アルバイト収入には効いてきますので、ご家族の働き方を見直すきっかけにもなる改正になっています。
そして、この所得から所得控除を引いて課税所得を出します。控除というのは、人それぞれの事情に合わせて税金を下げる仕組みのことで、後で詳しく説明しますが、家族を養っている人が受けられる扶養控除や、生命保険料を支払っている人が受けられる生命保険料控除などが挙げられます。続いて、この出した課税所得に10%の税率をかけると算出税額が出ます。
ここで気づいた人もいると思いますが、住民税の計算は所得税の計算とほぼ同じになっていますので、所得税の節税をすることが住民税の節税にもつながることを覚えておきましょう。
続いて、算出税額からさらに税額控除を引きます。先ほどの所得控除は課税される所得を減らすものでしたが、この税額控除は住民税の税額自体を引けるものになっていますので、より節税効果は高いです。この税額控除には、ふるさと納税や住宅ローン控除などがあります。この税額控除を引いて出したものが、最終的な住民税の所得割の金額になります。ここに均等割の5,000円分を足せば、住民税の総額を出すことができます。
住民税の具体的な計算方法が分かったところで、住民税を安くするには、差し引き対象である経費、所得控除、税額控除を増やすことができれば、最終的な住民税を安くすることができます。ですので、ここからは住民税を安くする具体的な方法を5つに分けて紹介していきます。
まず住民税の計算そのものに直接働きかける方法として、経費を増やす方法、所得控除を増やす方法、税額控除を増やす方法の3つを順番に解説していきます。その上で、特定の状況に当てはまる方向けの、住民税そのものを減らす制度として住民税を減免する方法を、最後に納める住民税を安くするのではなく、支払いの工夫で実質負担を下げる、住民税をお得に支払う方法を紹介していきます。
それでは、住民税を安くする具体的な方法の1つ目、経費を増やす方法から見ていきましょう。先ほど触れた通り、会社員は基本的には経費を使うことはできません。その代わり、給与所得控除でスーツ代や交際費など、会社員の経費として使われる金額をあらかじめざっくり引かれている状況です。給与所得控除で引かれる金額は所得によって決まり、2025年分以降は最低額65万円、最高額195万円になりますので、自分がどのくらい引かれているのか確認してみましょう。
ということで、経費を実質的に増やすのは会社員にはできず、自営業、個人事業主の方ができる方法になっています。無駄な経費の水増しはNGですが、必要な経費を漏れなく計上することが重要になってきます。経費として10万円使っても、戻ってくる住民税は1万円程度で、手元のお金は9万円減るだけです。あくまで業務に必要な支出を漏れなく拾うという発想で取り組みましょう。
その上で、計上を忘れがちな代表的な経費としてはこちらの画面の通りです。まず家事関連費として、自宅を仕事場で使っている場合の家賃や電気代、火災保険料、通信費、ネット代、減価償却費などを、仕事で使っている分だけ計上することが挙げられます。それから、打ち合わせの際のカフェや会食費、移動時の電車代やタクシー代など交通費、仕事関連の書籍代やセミナー参加費、業務で使う有料サブスク、あとは事業税や消費税なども忘れがちな経費ですね。少しでも事業と関連する費用があれば、経費計上が可能か確認してみましょう。
また、経費として認めてもらうためには、いつ、いくら、何のために、誰に払ったかが分かる証拠を残しておくことが大前提です。1番確実なのは、レシートや領収書を保存しておくことです。なお、2024年1月から電子帳簿保存法が完全義務化されていますので、メールやウェブでダウンロードした電子領収書については、紙に印刷して保管するだけではNGで、電子データのまま保存する必要があります。
電車に乗った、ICカードで支払ったなど、レシートが出ない、もらいにくい支出もありますよね。こうした場合は、交通系ICカードの利用履歴や、マネーフォワードなどに自動で連携される明細データだけでも計上自体は可能です。ただ注意点としては、日付、金額、支払い先がデータに残っていること、そして誰と何のために使ったのかをメモ欄や摘要欄に書き加えておくこと。この2つは押さえておきましょう。
割り勘の飲食代など、レシートも電子データも残らない支出に関しては、出金伝票で補完します。紙の伝票でも構いませんが、マネーフォワード クラウド確定申告などの会計ソフト上で出金伝票を作成しておけば大丈夫です。日付、支払い、金額、用途を残しておきましょう。
そして、自営業、個人事業主の方が経費周りで1番意識したいのが青色申告です。青色申告をすれば、まず最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。住民税の所得割が10%なので、65万円×10%で、それだけで6万5,000円の節税になりますので、非常にお得な制度です。なお、この青色申告特別控除は、2027年分から65万円から75万円に引き上げられる予定です。この改正後は、住民税でさらに1万円分の節税が見込めます。
その上、仕事用にパソコンなどの機械備品を計上する際にも、通常10万円以下の場合はその年に全額経費として計上でき、10万円を超えるものは固定資産として耐用年数から減価償却をしていく必要がありますが、青色申告を行う事業者の場合は、40万円までの資産について少額減価償却資産の特例を使うことができます。これによって、1年間に合計300万円までは取得した年の必要経費にすることができます。ちなみに、この特例に関しても、2026年4月1日以降に取得する資産から、上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられています。
その他に経費を増やすための方法としては、経営セーフティに入るという方法もあります。これに入ると、掛金を全額経費にすることができます。もともとこの仕組みは、取引先が倒産した時に自社も倒産するのを防ぐために、あらかじめ金額を積み立てておく保険のようなものです。もし取引先が倒産した場合、無担保、無保証で借り入れをすることができます。ただ、実際の使い方としては、全額経費として節税に使われているケースが多いです。
掛金は40か月以上経つと元本保証で解約することができます。なので、売上が上がった年などで翌年の住民税が怖い時に、この経営セーフティに入っておくと、課税を先送りにすることができます。なぜ課税が先送りの形になるかというと、元本保証で戻ってくる時に収入として課税されるからです。ただし、赤字の年に解約すれば、税負担を実質低く抑えることもできたりします。
さらに、経営セーフティには低利の貸付制度もあります。取引先の倒産時に積立金の最大10倍まで無利子で借りられる本来の制度に加えて、倒産以外の事業資金についても、積立残高の95%分までを低金利の一時貸付金として借りることもできます。節税をしながら、いざという時に資金枠も確保できるというのが、経営セーフティ共済の強みです。
それでは、住民税を安くする具体的な方法の2つ目、所得控除を増やす方法を見ていきましょう。所得控除は、会社員、自営業、個人事業主を問わず、誰でも活用できる方法です。住民税の計算式の中の所得控除を増やせば、課税所得が下がり、住民税も下がります。住民税の所得控除は画面の通り13種類もあり、ポイントは2つ。どんな控除があるか知ること、自主的に増やせる控除を積極的に使うことです。
どんな所得控除があるかを見てみると、医療費控除、扶養控除など、所得税と似た内容が並んでいますが、控除される金額は所得税と比べて住民税の方が低く設定されていることが多いことは認識しておきましょう。例えば、生命保険料控除は所得税だと最高12万円まで控除できますが、住民税は最高7万円まで。基礎控除も所得税は2025年分から最大95万円まで引き上げられましたが、住民税は従来通り最大43万円に据え置かれています。
そして、知らずに申請漏れになりやすいのが、医療費控除とセルフメディケーション税制です。医療費控除とは、年に10万円以上医療費を支払った場合、確定申告をすることで受けることができる控除です。計算式は、年間の医療費から保険金で補填された金額を差し引いて、さらにそこから10万円を差し引いた金額が控除額です。生計を同じにする家族の分も合算できますので、家族の中で所得が1番大きい、つまり所得税率が1番高い人にまとめて申告をすると、節税効果が大きくなります。
対象範囲は画面の通り広く、診療費、入院費に加え、通院の交通費、不妊治療、レーシック、歯科矯正、禁煙治療、肩こり、腰のマッサージなども含まれる場合があります。領収書は必ず保管しておきましょう。
また、医療費が10万円に届かないという方は、セルフメディケーション税制を活用できる可能性もあります。こちらは、指定されたOTC医薬品の年間購入額が1万2,000円を超えた場合に、超過分を控除できる仕組みになっています。控除の上限は8万8,000円です。対象となるのはスイッチOTC医薬品と呼ばれるもので、もともと医師の処方箋がないと買えなかった薬が、ドラッグストアで購入できるようになったものです。商品パッケージやレシートに「セルフメディケーション税制対象」と記載されているのが目印です。
例えば、この対象医薬品を年間2万円分購入した場合、2万円−1万2,000円=8,000円が控除額となり、住民税で10%分の800円が節税になります。なお、この制度は2026年12月31日まで延長されており、対象品目も拡大されています。医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないため、節税効果が大きい方を選んで申告してください。
続いて扶養控除です。16歳以上のお子さんや親御さんを養っている場合にも適用され、住民税で1人当たり33万円から45万円の控除を受けることができます。1人当たり年3万円から4万円程度の節税になりますので、忘れずに申告するようにしましょう。見落としがちなのは、同居していなくても生計を同じにしている場合は対象になる点です。例えば、寮生活しているお子さんや、遠方の親御さんに生活費を送っているケースも対象になります。
そして、2026年度以降、扶養に関わる年収の壁で大きな改正が2つありました。1つ目は、扶養親族の所得要件が給与収入103万円以下から123万円以下に緩和。扶養している人のパート、アルバイト収入が増えても、扶養から外れにくくなりました。2つ目は、新設された特定親族特別控除。19歳から22歳の大学生世代のお子さんを養っている場合、給与収入が123万円を超えても、188万円までは段階的に控除を受けることができます。123万円の壁を超えた瞬間に扶養から外れてしまうという従来の悩みが緩和される形になっています。
最後に、自主的に増やせる社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除を、年金制度と比べて見ていきます。日本の年金制度はよく3階建てと言われます。1階部分は、自営業、個人事業主、会社員、専業主婦などを含め、国民全員が入る国民年金。2階部分は、会社員や公務員が加入する厚生年金。自営業の方にはこの2階部分がないので、国民年金基金や小規模企業共済が代替として用意されています。3階部分は、1階、2階の公的年金に上乗せで、自分で積み立てることができる私的年金。ここには誰もが1度は聞いたことがあるだろうiDeCoの他、企業型DCやはぐくみ基金などがあります。
こうして自分で積み立てることができる制度は、支払った掛金が全額所得控除になりますので、住民税、所得税の節税につながります。ただし、自分の働き方によって使える制度が変わってきますので、自分がどの選択肢を取れるのか、整理しながら聞いていただければと思います。
まず最初に、iDeCoは自分で掛金を出し、運用商品を選んで老後資金を積み立てる私的年金制度です。メリットは3つあります。1つ目は、支払った掛金が全額所得控除になること。2つ目は、運用益も非課税になること。通常、投資の利益には約10%の税金がかかりますが、iDeCoの中で出た運用益には税金がかかりません。3つ目は、受け取る時にも税制優遇があること。一時金で受け取れば退職所得控除、年金形式で受け取れば公的年金等控除を使える場合があります。
掛金の上限は働き方によって異なり、自営業の方は月6万8,000円。会社員や公務員は、勤め先の年金制度によって月2万円から2万3,000円の範囲で設定されています。そして、2027年1月からはこの上限が大幅に引き上げられる予定です。自営業の方は月6万8,000円から月7万5,000円。会社員の方は最大で月6万2,000円まで拡大される見込みで、より大きな節税効果が期待できます。ただし、注意点として原則60歳まで引き出すことができませんので、近い将来に使うお金を入れるのには向きません。あくまで老後資金として長期で運用していくものだと理解しておきましょう。
次に国民年金基金です。これは自営業、個人事業主など、国民年金の第1号被保険者だけが入れる年金制度で、自営業にとっての2階部分を補う役割を持っています。こちらも掛金は全額所得控除になり、終身年金として将来受け取ることができますので、長生きリスクへの備えにもなります。掛金の上限はiDeCoと合算されるため、両方使う場合は配分を考える必要があります。
次に小規模企業共済。こちらも自営業、個人事業主や小規模企業の役員の方が加入できる、退職金代わりの積立制度です。掛金は月1,000円から7万円まで自由に設定でき、掛金は全額所得控除になります。例えば、上限の月7万円、年間84万円を積み立てた場合、84万円全額が所得控除になるため、住民税で8万4,000円。所得税と合わせて年間20万円から30万円規模の節税効果が見込めます。
そして、小規模企業共済には低金利の貸付制度もあります。納付した掛金の範囲内で、年1.5%程度の低金利で事業資金を借りることができますので、節税をしながらいざという時の資金枠も確保できるのが大きな強みになっています。廃業や退職時に受け取る共済金は退職所得として扱われますので、受け取る時の税金も大幅に抑えることができます。
そして会社員の場合、勤務先が制度を導入していれば、企業型DCやはぐくみ基金も活用することができます。企業型DCは、会社が拠出した掛金を従業員自身が運用先を選んで運用する仕組みです。マッチング拠出が認められている会社では、従業員自身が上乗せで掛金を出すことができ、その分は全額所得控除になります。ただし、原則60歳まで引き出すことはできません。
はぐくみ基金は、会社が運営を委託する確定給付型の企業年金で、給与の一部を企業年金として積み立てることができる仕組みです。積立分が給与所得から控除されるため、住民税、所得税だけでなく、社会保険料も同時に下がる点が特徴です。また、加入期間1か月以上で元本保証があり、退職、転職時にも受け取ることができるなど、企業型DCに比べて流動性が高い点も特徴です。どちらも勤務先が導入していなければ個人では加入できないので、まずは勤務先の人事、総務に、うちの会社で使えるかを確認するのが第一歩です。
以上が所得控除を増やす方法です。ご自身の働き方に合った制度を組み合わせて、節税効果を最大化してみてください。
続いて、住民税を安くする具体的な方法の3つ目、税額控除を増やす方法を見ていきましょう。ここまでお話しした経費を増やす方法や所得控除を増やす方法は、いずれも課税所得を下げることで、結果的に住民税を下げるアプローチでした。一方、これからお話しする税額控除は、計算された住民税そのものから直接差し引くことができるものです。所得控除よりもダイレクトに節税効果が出ますので、使えるものはしっかり押さえておきましょう。住民税の主な税額控除としては、ふるさと納税、住宅ローン控除、配当控除の3つが代表的です。順番に見ていきます。
まずは皆さんおなじみのふるさと納税です。ふるさと納税の仕組みを簡単にお話しすると、自己負担額で全国の好きな自治体に寄付することができます。すると、その寄付した自治体から返礼品として、寄付した額の3割相当の特産品などのお礼の品を受け取ることができます。そして、自分が住んでいる自治体からは、寄付額から2,000円を差し引いた金額が税金として控除されるという仕組みになっています。
ですので、ふるさと納税は厳密に言うと節税ではなく、税金の前払いに近い制度です。自分が住んでいる自治体に払うべきだった税金を他の自治体に支払っている形になっていますので、税金そのものが減っているわけではないです。ただし、2,000円の自己負担だけで寄付金額の3割相当の特産品を返礼品として受け取ることができますので、2,000円以上の価値がある特産品をもらえれば、その時点でお得になりますので、やらない理由はありません。
控除の上限額は年収や家族構成、他の控除の状況によって変わります。例えば、年収500万円の独身会社員の方だと、およそ6万円前後が目安です。各ふるさと納税サイトのシミュレーターで簡単に試算できますので、必ず上限内で寄付するようにしましょう。
ここで2026年版として押さえておきたい改正があります。2025年10月から、楽天ふるさと納税やさとふる、ふるなびといった仲介サイトが行っていた、寄付額に対するポイント還元キャンペーンが禁止されました。ただ、これはふるさと納税サイト側のポイント還元が禁止されただけで、ふるさと納税の仕組み自体がお得であることは変わりません。そして、ここが重要なポイントなんですが、クレジットカードやデビットカードといった決済サービス側のポイント還元は引き続き付与されます。例えば、ふるさと納税の寄付をクレジットカードで支払えば、そのカードの還元分のポイントは普通に貯まるということですね。サイトごと、経済圏ごとに、どこで寄付して、どの支払い方法を使うのが1番お得かは過去動画で詳しく解説していますので、動画概要欄のURLをご覧ください。
次に住宅ローン控除です。これは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、年末のローン残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税から控除される仕組みです。そして、所得税から引き切れなかった分は、住民税からも一部控除されます。住民税からの控除の上限は、課税所得の5%または9万7,500円のいずれか低い方です。
ここで2026年時点の重要なポイントとして、2024年以降に新築住宅を購入する場合、省エネ基準を満たしていることが住宅ローン控除の必須条件になっています。省エネ基準を満たしていない住宅は、原則として控除の対象外になりますので注意してください。また、子育て世帯や若者夫婦世帯には、借入限度額の上乗せ措置もあります。これから住宅購入を検討されている方は、購入前に必ず物件の省エネ性能と最新の制度内容を確認しておきましょう。なお、会社員の方は基本的には確定申告は必要ありませんが、住宅ローン控除1年目は確定申告が必要になりますので、忘れないようにしましょう。
3つ目は配当控除です。これは、株式の配当金を総合課税で確定申告した場合に使える税額控除で、配当所得の2.8%が税額から差し引かれます。ただ、ここは少し注意が必要なポイントです。配当金は通常、源泉徴収だけで完結する申告不要の扱いを選べます。総合課税で申告すれば配当控除は使えますが、その代わりに配当所得が合計所得に加算されますので、ご自身の所得税率が高い方の場合、かえって税負担が増えてしまうケースもあります。
さらに、2024年分の申告分から、所得税と住民税で異なる課税方式を選ぶことができなくなりました。以前は所得税を総合課税、住民税を申告不要というように使い分けができていましたが、現在は確定申告の所得税で選んだ方式が、そのまま住民税にも適用されます。加えて、合計所得が増えることで国民健康保険料が上がったり、扶養から外れたりといった影響も出る可能性がありますので、配当控除を使うかどうかは、トータルで損得を計算した上で判断するようにしてください。以上が税額控除を増やす方法です。
続いて、住民税を安くする具体的な方法の4つ目、住民税を減免する方法について見ていきましょう。住民税の減免制度は、お住まいの自治体に申請することで、住民税を減額または免除してもらえる制度です。ただ、ここで1つ注意しておきたいのが、住民税の減免は全国一律の制度ではなく、市町村ごとに条件や減免割合が定められているという点です。隣の市と条件が違うことも普通にありますので、必ずお住まいの自治体のホームページや窓口で最新の条件を確認してください。
自治体によって細かい条件は異なりますが、概ね次のようなケースが減免の対象になります。1つ目は災害に遭った場合。地震、台風、火災などで住居や家財に大きな被害を受けた場合は、被害の程度に応じて住民税が減免されます。2つ目は、失業や廃業で収入が大きく減った場合。リストラや会社の倒産など、自分の意思ではない理由で職を失った方や、事業を廃業せざるを得なかった方が対象になることが多いです。3つ目は、生活保護を受けることになった場合。受給開始時点で住民税が全額免除されるのが一般的です。4つ目は、病気や怪我で長期間働けなくなった場合。長期療養で収入が大きく減った場合も、減免の対象になることがあります。5つ目は学生の方。一定の所得要件を満たすアルバイト学生は勤労学生控除が使えますし、自治体によっては独自の減免制度を設けているところもあります。
減免を受けたい場合は、まずお住まいの市町村の住民税担当窓口に問い合わせて、対象になるかを確認します。対象になりそうであれば、減免申請書と状況を証明する書類を揃えて提出してください。申請の期限は原則として納付期限の前までとしている自治体が多いので、住民税の納付書が届いたらできるだけ早めに動くことが大事です。
そして、減免と並んで知っておきたいのが住民税非課税世帯です。世帯全員の所得が一定基準以下になると、住民税が課税されない非課税世帯になります。非課税世帯になると、住民税が0になるだけでなく、社会保障の優遇措置を幅広く受けることができるのが大きなメリットになっています。具体的には、国民健康保険料の均等割が最大7割軽減されたり、介護保険料が大きく下がったり、高額療養費制度の自己負担上限額が下がったり、保育料が無償または減額になったり、入院時の食事代の自己負担額が下がったりといった優遇があります。
さらに、国の給付金の支給対象になりやすい点も特徴です。物価高対策の臨時給付金などは、住民税非課税世帯を対象として支給されるケースが多く、ここ数年でも数万円から十数万円規模の給付金が複数回支給されています。トータルで見れば、年間で数十万円規模の差が出てくることもあるというのが、住民税非課税世帯の大きな強みです。
では、実際に非課税世帯になる基準はどれくらいなのか。これは世帯構成と自治体によって変わりますが、例えば東京23区の場合、単身世帯であれば給与収入で年間110万円以下。扶養家族がいる場合は、それに応じて基準額が上がる仕組みになっています。65歳以上の年金受給者であれば、単身で年金収入155万円以下が1つの目安になっています。
そして、先ほど少し触れた通り、2026年度の住民税からは給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられているため、非課税の基準ラインも10万円分上昇しました。例えば、東京23区の単身世帯は給与収入100万円以下から110万円以下に上がっています。基準まであと少しという方は、勤務時間の調整や、これまでお話ししたiDeCo、小規模企業共済などの所得控除を活用して所得を圧縮することで、非課税ラインに収まる場合もあります。非課税世帯のメリットは大きいので、ご自身の年収とお住まいの自治体の非課税基準を一度確認してみてください。
それでは、住民税を安くする具体的な方法の最後、5つ目、支払い方法を工夫してお得に納める方法を見ていきましょう。住民税を含め、地方税を支払う方法はこちらの5つがありますが、店頭での現金払い、口座振替ではポイント還元なし。クレジットカード払いではポイント還元はあるものの、約0.8%の手数料があるため、残った電子マネーの納付、スマホ決済の請求書払いがおすすめです。
nanacoなどの電子マネーや、楽天ペイ、au PAY、ファミペイなどのスマホ決済の場合、事前にお金をチャージしておく手間がありますが、支払いに手数料がかからないと同時に、チャージをする時にポイント還元を受けることができます。各サービスで1番お得に税金を支払う方法についてはこちらの動画でまとめていますので、この機会にぜひキャッシュレス納付に挑戦してみましょう。
ただし、多くのクレジットカードは電子マネーやスマホ決済のチャージ分についてはポイント還元対象外に設定している場合が多いので、注意しましょう。例えば、有名カードで言うと楽天カード、dカード、三井住友カード、セゾンカードの他、2026年6月以降、PayPayカードでもチャージ関連はポイント還元対象外になってしまいます。ポイント還元率が高く、還元対象外サービスが少ないカードとしては、V NEOBANKのデビットカード、P-one Wiz、Ponta Premium Plus、ローソンPontaプラスあたりがおすすめです。
なお、今回おすすめしたカードや、各スマホ決済のお得な新規キャンペーンのURLは動画概要欄にも載せておきますので、これから作る方は動画概要欄も参考にしていただければと思います。また、クレジットカードを作る際、ポイントサイトのモッピーを経由して作成すれば、公式の新規キャンペーンとは別にポイントをもらえますので、非常にお得になっています。モッピーをまだ使ったことがない人は、画面の紹介コードを入力して新規登録をした上で5,000ポイント以上獲得すれば、追加で2,000ポイントをもらえますので、ぜひ活用ください。
ここまで住民税を安くする5つの方法についてお話ししてきました。ただ、せっかく節税対策をしても、住民税が正しく計算されていなければ意味がありません。年末調整での書き忘れや、ふるさと納税のワンストップ特例の出し忘れ、確定申告での記入漏れがあると、本来受けることができる控除が反映されないまま、住民税が高く計算されてしまうケースは意外と多いです。5分程度でできる内容なので、最後に毎年6月に届く住民税決定通知書のチェック項目を紹介していきます。ご自宅の通知書と照らし合わせながら、毎年6月の恒例行事として習慣にしてみてください。
そもそも住民税決定通知書は、前年の所得をもとに計算された、その年の住民税額が記載された書類です。会社員の方は毎年5月から6月頃に勤務先経由で配布され、自営業、個人事業主の方は6月頃に市町村から納付書と一緒に郵送で届きます。所得、控除、税額の計算過程が記載されていますので、住民税がどう計算されたのかを確認できる大事な書類になっています。
まず確認しておきたいのが所得の金額です。会社員の方は勤務先から市町村に給与支払報告書が送られていますので、所得がずれることはほとんどありません。ただし、副業で確定申告をした方や、複数の会社から給与を受け取っている方は、確定申告書の控えと一致しているかを確認しておきましょう。自営業や個人事業主の方は、前年の確定申告書の事業所得や、青色申告特別控除を差し引いた後の金額と一致しているかを確認してみてください。
次に所得控除の欄を確認します。生命保険料控除、医療費控除、扶養控除、社会保険料控除、iDeCoの掛金など、申告した控除項目が全て記載されているかをチェックしてください。年末調整や確定申告で書き忘れがあった控除については反映されておりません。
続いて税額控除の欄です。摘要欄に、ふるさと納税の寄附金税額控除、住宅ローン控除、配当控除がしっかり記載されているかを確認してください。ふるさと納税に関しては、概ね寄付金額−2,000円が控除額として反映されているかを見てみましょう。
ここで、ふるさと納税に関して重要な注意点が1つあります。ワンストップ特例を申請していても、医療費控除や住宅ローン控除1年目などで確定申告をすると、ワンストップ特例は自動的に無効になります。確定申告書の中で、ふるさと納税分も改めて寄付金控除として記載しないと、控除が一切反映されないので、確定申告をする年はふるさと納税分も再度申告してください。
もしチェックをする中で誤りや漏れが見つかった場合の対処方法についても確認しておきます。会社員の方の場合、控除の種類によって対応が分かれます。年末調整の対象になる控除、例えば社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除などを書き忘れてしまっていた場合は、まず勤務先の経理、総務に相談してみてください。タイミングによっては、勤務先で年末調整のやり直しが可能なケースもあります。
一方で、医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除1年目など、もともと年末調整では処理できない控除の漏れに気づいた場合は、勤務先では対応できません。会社員の方であっても、ご自身で税務署に確定申告または更正の請求を行う必要があります。自営業や個人事業主の方は、申告内容の訂正が必要になります。
そして、会社員の方も含めて、申告期限の後に誤りに気づいた場合の手続きはこちらになっています。確定申告の期限である3月15日までに気づいた場合は訂正申告。申告期限を過ぎていても5年以内であれば、更正の請求という手続きで、納めすぎた住民税を還付してもらえる可能性があります。医療費控除の申請漏れや、ふるさと納税の控除が反映されていなかったという場合は、まさにこの更正の請求で取り戻せるケースが多いので、税務署で手続きをしてみてください。
なお、住民税決定通知書そのものに記載ミスがあった場合は、お住まいの市町村の住民税担当窓口に源泉徴収票や確定申告書の控えを持って、相談に行ってみてください。
本日は以上です。このチャンネルでは他にも確定申告の手順の実演や、おすすめなクレジットカード、銀行口座を徹底解説していますので、気になる内容があれば他の動画も見ていただけると嬉しいです。動画が参考になりましたら、高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
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