古川大臣会見:ノーベル化学賞への祝意と、相次ぐ個人情報漏洩を受けた事業者への注意喚起

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概要

閣議後の記者会見で、古川大臣は3つの立場から発言した。科学技術政策担当大臣としては、日本の研究者のノーベル化学賞受賞と日英科学技術協力について述べた。サイバー安全保障担当大臣と個人情報保護委員会担当大臣としては、サイバー攻撃による個人情報漏洩が相次いでいることを受け、事業者に対策強化を求める注意喚起を出すと説明した。質疑では、基礎研究への国民の支持、対策の対象範囲、注意喚起の発出主体、一連の攻撃の受け止めが問われた。

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ノーベル化学賞受賞と、国内での研究であることへの評価

今年のノーベル化学賞は、ソアイ名誉教授が受賞することになった。古川大臣は一昨日の夜、本人に電話で直接祝意を伝えたという。その際、受賞対象の研究は日本国内で行われたものだと聞いたとし、日本発の研究成果が国際的に高く評価されたことを「大変誇らしく」感じていると述べた。今回の受賞は、長年にわたる日本での研究活動と卓越した学術的成果が評価されたものだとし、若い世代が新しい課題に挑戦する意欲を高めることを期待するとした。

政府はソアイ名誉教授の不斉自己触媒に関する研究を、科学研究費助成事業(いわゆる科研費)などで支援してきたと大臣は説明した。この研究成果について大臣は、医薬品などの有用な化合物を選択的に合成する技術の発展に寄与するだけでなく、生命を構成する分子がなぜ一方の型に偏っているのかという、生命の起源に関わる根源的な問いの解明にもつながるものだと受け止めていると述べた。今後は第7期科学技術・イノベーション基本計画に基づき、研究者の育成、研究環境の整備、必要な予算の確保に関係府省一体で取り組むとした。

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第13回日英科学技術協力合同委員会

大臣は当日、第13回日英科学技術協力合同委員会に、英国のマクドナルド科学技術イノベーション投資担当大臣、日本の文部科学大臣とともに出席する予定だと報告した。AI、量子、宇宙などの分野で具体的な協力を進め、協力の基盤を強める場になることを期待しているという。

前日にはマクドナルド大臣と意見交換を行った。古川大臣は、価値観を共有する英国との連携を深めたいと伝え、日本のAIガバナンスや重要技術の育成に関する取り組みを説明した。英国側からはAIに関する英国の取り組みが紹介され、信頼できるパートナーとして日英の科学技術協力を発展させたいという発言があったという。

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事業者に向けた注意喚起の中身

サイバー攻撃関連では、分野を問わず事業者や団体を狙った攻撃で個人情報などが漏洩する事案が相次いでおり、対策が急務だと大臣は述べた。経緯は次のとおりである。今週6日、大臣はまず二次被害を防ぐ観点から、国民にすぐ取り組んでほしい事項を示した。前日には関係省庁の会議を開いた。その議論を踏まえ、当日、個人情報を取り扱う事業者向けの注意喚起を出す。

注意喚起で求める内容として、大臣は次の3点を挙げた。いずれも委託先を含めて対策を強めるよう要請する予定だという。

  • 迅速な脆弱性対策
  • 多要素認証などの認証機能の強化
  • 漏洩した情報の悪用を防ぐ対策

個人情報保護委員会の動きも紹介された。同委員会は10月7日、個人情報取扱事業者に注意を促した。特に、漏洩などが起きた場合に国民の権利利益を侵害する可能性が高い個人情報を持つ事業者に対し、それぞれの業務実態に合った安全管理措置を取るよう求めた。同委員会は以前から不正アクセスによる個人データ漏洩を防ぐための注意喚起を公表していたが、近年の漏洩事案を踏まえ、原因と対策の事例をまとめて内容を更新し、公表したという。

大臣は事業者に対し、これらを参考にして、情報システムへのアクセス制御や外部からの不正アクセス防止といった安全管理措置を講じるよう求めた。不要になった個人データを消去するなどの適切な措置も求めた。同委員会は各省庁にも、こうした取り組みの周知・啓発への協力を依頼している。大臣は、サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、被害を防ぐ対策も更新し続ける必要があると述べ、協力を呼びかけた。

6:15

質疑:基礎研究への国民の支持をどう得るか

化学工業日報の記者は、基礎研究には継続的な支援が重要だとされる一方で、国民の支持を得るためにどう取り組むのかを尋ねた。

大臣は、基礎研究の成果はすぐに社会へ還元されるものではないが、将来社会を大きく変えうる重要な基盤であり、長年の支援が必要だと答えた。ソアイ名誉教授の研究も、日本学術振興会の科研費で長年にわたり基盤研究として支援されてきた例だと挙げた。若い研究者のうちから腰を据えて研究できる環境を、長期的に支えることが重要だという。

そのうえで大臣は、研究には国民の税金が使われている点を指摘した。だからこそ、研究成果が将来社会をどう変えうるのか、今の国民生活の課題をどう変える可能性があるのかを、研究者の側から分かりやすく発信してもらうことが必要だと述べた。

7:43

質疑:基幹インフラ以外への対象拡大はあるか

別の記者は、この1年の不正アクセス事案で、通信など基幹インフラに近い企業にも被害が広がっていると指摘した。そのうえで、サイバー対処能力強化法による報告義務や官民連携協議会の対象は基幹インフラ事業者に限られているが、他の企業に広げる考えはあるかと質問した。

大臣は、基幹インフラ事業者ではない重要インフラ事業者などへの攻撃が起きているという指摘はそのとおりだと認めた。対策としては、前日の府省横断の会議で、各府省に依頼していた情報収集の結果や事案の内容を持ち寄り、集約・共有したと説明した。そして、脆弱性対策、認証機能の強化、漏洩情報の悪用防止を委託先も含めて改めて徹底してもらうことが最も重要だと述べた。基幹インフラ事業者だけでなく重要インフラ事業者にも対策強化をお願いしたいとしたが、法律上の報告義務や協議会の対象を広げるかどうかには直接言及しなかった。

9:50

質疑:注意喚起は誰が、どう伝えるのか

フジテレビの記者は、注意喚起の発出主体が国家サイバー統括室なのかデジタル庁なのか、また総務省や経済産業省などを通じて伝えるのか、ウェブサイトに掲載するのかといった伝達手段を尋ねた。

大臣は、前日に各省から集めた知見をもとに、国家サイバー統括室として発出すると答えた。政府一体で対応する方針で、各省にも協力してもらうという。伝え方は業態に応じて各省ごとにあると考えており、主要な対策を事業者に改めて確認してもらうため、省庁が連携して取り組むと述べた。

11:20

質疑:一連の攻撃の受け止めとAI利用の可能性

最後の質問では、ローソンなど消費者に近い企業から個人情報の流出が相次いでいる現状をどう捉えているかが問われた。専門家の中には攻撃にAIが使われていると指摘する人もいるとして、その点の見解も求められた。

大臣は、一連のサイバー攻撃を大変深刻に受け止めていると答えた。一刻も早い対策に向けて緊張感を持って毎日取り組んでいるとしながらも、事案の解明はなかなか進んでいない状況だと述べた。AIが使われたかどうかも含め、現在検討中だとして、明確な答えは示さなかった。