G PLANTS:密着 所有する山から出土した“遺跡”を目指す

YouTubeで開く ↗
概要

ラッパーのG PLANTSが、自身のルーツである長崎県対馬市を訪れ、自身が所有する山林から出土した遺跡の現地へと向かう様子に密着した。対馬の地理的特徴や食文化、自身の幼少期の記憶、そして突如として国の史跡指定を受けるに至った土地の経緯が語られている。

見出し付き・読了4分

国境の島・対馬と自身のルーツ

福岡よりも韓国のほうが近い位置にある対馬は「国境の島」とも呼ばれ、晴れた日の夜には釜山の夜景が見える丘も存在する。G PLANTSにとって対馬は、父親の実家があり、幼少期に長い時間を過ごした第二の故郷である。父親は自衛隊に入隊する18歳まで対馬で過ごし、当時の地元の学校では1年生から6年生まで計15人ほどが同じ教室で学ぶ環境だったという。

長男として生まれたG PLANTSは、両親がまだ子育てに慣れていなかったこともあり、祖父母がいる対馬の集落によく預けられていた。厳しくも温かい地域の人々に囲まれて育ち、スポーツマンだった父親から海に放り込まれるようにして泳ぎを叩き込まれるなど、島での生活体験が自身の原点になっていると振り返る。なお、対馬の祖父母にはラップ活動を行っている実情は明かしておらず、「輸入雑貨店を経営している」と説明しているという。

また、対馬特有の住文化として、瓦が手に入りにくかった時代に用いられた「石屋根」を紹介した。島民同士が協力し合い、親族や隣人が自力で家を建てる助け合いの文化が残っていたことも、幼少期に強く印象に残った経験として挙げられている。

島内での交流と風評への反論

対馬空港(対馬やまねこ空港)に到着後、中心市街地である厳原(いづはら)周辺へと移動した。厳原は島内唯一のコンビニエンスストアやスーパーマーケット、近年進出したハンバーガーチェーンなどが集まる対馬の中心地である。対馬を舞台にしたゲーム『Ghost of Tsushima』の世界的なヒットにより、海外からも多くの観光客が訪れるようになっているという。

道中では、対馬市博物館に立ち寄ったものの、取材当日はメンテナンス休館となっていた。G PLANTSは、かつて出土した遺跡の調査や手続きのために頻繁に対馬へ通っていた時期があり、島内の知人から「山に何か(違法な植物などを)植えに来ているのではないか」と噂されたことがあったと明かした。「そんなものを植えるなら関東の山に植える」と冗談交じりに述べ、当時の来島が純粋に土地と遺跡に関する手続きのためであったことを強調した。

厳原の川沿いや、かつて先輩たちと過ごした水辺のチルスポット、日本蜜蜂の伝統的な養蜂設備である「蜂洞(はちどう)」などを案内した。対馬は絶滅が危惧される日本蜜蜂の生息地として知られ、国内流通量のわずか0.1%程度とされる希少な蜂蜜が特産品となっている。夜には、以前家族へ魚を発送するために訪れたことをきっかけに親交を深めた鮮魚店兼飲食店を訪れ、名物である穴子や丸徳サバの刺身などを味わいながら地元住民との親交を深めた。

ジビエ文化と出土した遺跡への指定書

翌日、一行は遺跡のある山林へ向かう前に、島内のジビエ料理店を訪れた。対馬ではイノシシやシカによる農作物被害が深刻な問題となっており、罠にかかった獲物を買い取る仕組みが整えられている。訪れた店は、そうした害獣を処理・加工して提供している場所であり、定休日にもかかわらずG PLANTSの頼みで特別に店を開けてもらったという。

店内で提供された猪肉や鹿肉は、特有の臭みやクセがなく、あっさりとした上質な脂と肉本来の甘みが際立っていた。G PLANTSは、塩胡椒だけでなく、店主がこの肉のために試行錯誤して作り上げた秘伝のタレをつけて食べるスタイルを推奨し、島の豊かな自然がもたらす食材の魅力を伝えた。

食事の合間、G PLANTSは持参した公的書類を提示した。そこには、対馬市長からの意見聴取に関する書類、文化庁次長からの史跡指定に関する通知、そして文部科学大臣による正式な史跡指定書が含まれていた。自身が所有する山林の一部が国の史跡として認定されたことを証明するものであり、個人所有の土地から歴史的な遺跡が公に認められるという異例の展開を示している。

悪天候による帰りの航空便の欠航が懸念される中、一行は国の指定を受けた遺跡の現場を確認するため、山林の奥地へと出発した。